教師が忙しいのは嘘⁉激務に教員不足は事実です!忙しい本当の理由とは?

職員室の風景 事務処理のためかかる時間が教師の忙しさの理由でもある

教師が忙しいというのは本当ですが、教師本来の姿を現すことができずに忙しいばかりの仕事になっているのが、現状です。

教師がどうしてそんなにも忙しいのか、夜遅くまで働き、残業の毎日、休日も学校に出て仕事。なにが忙しい理由なのか。

本来の職業は教師ですが、やっていることは事務処理ばかりです。教師は子どもたちに教えることが仕事なのに、それが不十分になっているのに、忙しい?っておかしなことです。

教師は忙しいのは嘘になるのでしょうか?

朝、学校に行ってパソコンに向かうことから一日が始まります。

そして、暇さえあれば、キーボードをたたき、プリントアウトばかりしています。どうしてこんな教師の姿が多くなったのかを見ていきましょう。

コロナの影響で学校現場にもいい意味で変化はあり、働き方に改善はありましたが、激務に教員不足は確かなことです。

ここでは、教師が忙しいその本当のわけを紹介します。

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教師が忙しいのは嘘か本当か?

教師は子どもたちを教えるのが仕事です。ですから、一日中子どもたちのそばにいて世話をしています。

どうやら、それが子ども相手しているのだから、仕事なんかじゃないでしょ!なんて言う保護者もいるのです。子どもたちの面倒を見ていることが仕事ではないととらえる人がいるのですね。

学校の授業は高学年であれば、一日6時間授業です。といっても、45分の6コマですから、45分の6回で270分です。時間したら4.5時間です。

「なんだたったの4時間と30分じゃない。」「少ないね。」

「一日8時間労働から考えたら、あと3時間と30分もあるじゃないですか。」

ところが、この3時間30分は様々な活動が入っているわけで、教師が忙しいのは、授業ではないのです。

授業はとにかくカリキュラムに従って日々どんどん進めていくわけですから、計画的に一コマずつ内容がほぼ決まっています。

授業は忙しくなんかやりません。なんたって相手は子どもです。勉強が得意な子も嫌いな子も様々な課題を持っている子どもが集まっている学級を一人の教師が全員が理解できるように教えるということは簡単なことではないのです。

時には、ささっと進める軽い内容もありますが、それでも学習内容は小学生の高学年ともなれば結構難しいですから、一時間で内容がすべて理解できて次にどんどん進めるわけではないのです。だから、時間はかかります。

教師本来の仕事は授業です。しかし、それ以外の仕事が教師の多忙を生んでいます

授業が計画通りに進むには現在のカリキュラムは非常にタイトで、ゆとりの時間はほぼないです。そうなっているのは、教えることが膨大な量になっていることが原因です。

ただ、教えることが多くなったから忙しいというだけでなく、余計なこと非常に多くなったから、その余計なことまでやらないといけないから、時間が足りなくて、忙しくなるのです。

教師の仕事のスタイルですが、教師には基本的に休みの時間はありません。

授業の合間は子どもたちは休憩時間になりますが、教師は休憩ではなくて、様々なことに対応するときでもあります。

子どもへの対応は一日中休みなく続きます。それがそもそもの教師の姿であり、一人ですべてをやらなければならないのが日本の先生なんだと思います。

何かトラブルでも起これば、その対応をしながら授業します。終われば、その続きです。その合間にも生活記録を読み、返事を書き、宿題の点検も子どもの下校までに30人分をこなします。

給食の時間も教師が付き添い、世話をします。異物混入なんてことにも気を配るので、子どもたちに任せられないのです。

給食の時間も呑気に食べてる日なんかほとんどありません。何かあれば、給食は食べずに一日を終えることもあります。

授業が忙しいのではなく、いろいろなことが多すぎるのです。それが平成の時代にはどんどんいろんなものが変化し、教育の世界もあっちこっちいろいろ変化しました。気が付けば、学校は多くのことを一手に引き受ける何でも屋になっていったことは事実です。

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教師の一日はやることがたくさん‼

教師の一日は子どもが登校する前から勤務にはつくことがほとんどですが、女性教員の中には、家庭の役割を終えてからの出勤ですから、子どもたちと一緒の時間に勤務が開始されることが多いです。

早くても遅くても、子どもたちが登校するころからすぐに忙しい時間が始まります。とにかく、子どもが登校するや否やいろいろな子どもの姿に対応していくことが仕事ですから、子どもたちが教室入ってきたら時点でノンストップの一日が始まります。

朝の学級での宿題のチェックや子どもの世話をして、朝の活動があれば、10分程度の活動を指導したり、監督したりします。

それが終われば、学級に戻り、健康観察をし、学級での朝の会で連絡をしたり、注意や話をしたりして一時間目を迎えます。

一般的な日課表です。朝の活動から下校までところどころに休憩時間がありますが、教師の休憩時間ではないのです。

この日課表は児童用です。下校後の職員の予定などはほとんど記載されていませんが、各曜日に、下校後に学年会、研修会、校務の係会、授業研究会などが位置づけれていています。

これ以外にも子どもや保護者への対応はアポなしでどんどん入ってきます。

16時ごろから児童はいなくなりますが、退勤時刻の17時までの一時間で学級の事務を行う時間はほとんどありません。

退勤時刻の17時に退勤する先生は、ほぼいません。その日のうちにやっておく仕事が終わっていないのですから、無理です。

もしも、帰ったとしたら、その仕事が次の日に加算されます。もしくは、持ち帰れる仕事なら持ち帰りですが、そういう日は帰っても何か用事があるわけですから、その仕事は夜遅くになる可能性がありますね。そういう女性の先生はたくさんいるわけです。

会議や会合がない日は学級の事務に当たれますが、そうでない場合は、毎日が残業2時間は勤務時間内みたいなものになっています。

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教師は一人で何でもこなすマルチプレーヤー⁉

結局、教師一人のやることが多すぎる

小学校でも中学校でもそれぞれに指導体制に特徴がありますが、学級担任は基本的に自分のクラスのほぼすべての活動にかかわります。

授業は決められた内容を子どもたちの実態に合わせながら指導していきます。段階的に内容が組まれているので、指導の流れがつかみやすく、見通しを持てます。

子どもたちの理解度に合わせて、内容を軽くしたり、重点的に扱ったりすることが大事になります。これが教師の工夫です。

授業をちゃんとやっていくことが最大の仕事なのです。

しかし、授業だけやっているわけではないので、教師の忙しさは実は授業以外のところに理由があるのです。

授業以外の部分をみてみると…

  • 成績処理
  • 自分の校務分担の仕事
  • 学級通信
  • 行事の準備
  • 研修の報告
  • 教材の注文
  • 教室内の掲示物の管理
  • 明日の授業の準備
  • 学年内の連絡調整など
  • 部活動の指導など

このような自分の基本的な仕事のほかに、

  • 親への対応
  • 諸問題を抱えている児童への対応
  • 校内の校務分担としてかかわり

が加わってきます。これらは、特に優先的に取り上げられます。

子どもたちが下校した後でも、曜日ごとに研修会、研究会、学年会、校務の係会などが位置づけられているので、自分の仕事をする前に勤務時間はなくなります。

退勤時間を過ぎても、自分の仕事は一切は手を付けられない日々も多いのです。

さらに、研究授業などの準備や外部の委員会などに関する提出物の作成や外部の研修会や講習会、委員会などへの出席があります。

チームとして分担してやることは研究授業などの準備ぐらいです。もちろん、学年内の行事などは協力して仕事を分担します。

学級に関する仕事をしたくても、雑務が結構多いのです。そのためにいわゆる残業の時間から自分の学級の仕事が始まるのです。

サポートが入っても負担はなかなか減らない

学校現場はいままでも一人の負担を軽減するために様々な対応をしてきています。

そのほとんどは、授業や活動において一人では対応しきれない面が出てくることに対して、補助となる教師をつけて安全面や指導面の強化をしています。

例えば、学級を二つに分けて「少人数学習」の教師を増員しています。低学年の学級においては、学習や学校生活を集団で指導していることについての補助を「生活習慣形成補助」という職員を配置して対応しています。

これらの増員によって子どもたちへのサポートが円滑に行われてはいますが、教師の忙しさはそれほど解消されていません。

授業の負担を軽減することよりも、授業以外の部分での多くの用務が教師の多忙を作っています。上記の補助の教師は、授業以外の部分のサポートは本来できないことになっているため、用務の肩代わりはできないのです。

授業をしている時間の裏で、教師の用務を代行してくれる職員が必要なくらいです。そのくらい、教師一人の仕事の量は規定の時間では消化できないほど多いのです。

また、忙しさのもう一つの要因として考えれるのは、日本の教育が一人ひとりの教師の力量によって支えられてきたことです。

日本の文化というか日本人の気質というか、自分が頑張らないといけないというものがあり、チームでちょっとずつ力を出し合うみたいなことがなかなかできていないのです。

誰かがやってくれるなんてことは甘えととらえてしまうわけです。ですから、全部ひとりで抱え込んでしまう習慣がありますね。

仕事をチームでやっていないから、その人がいなくなると仕事が止まってしまうなんてことになるのです。チームでやっていれば、一人が抜けても代わりがいるわけですから、負担は少ないのです。

教師の忙しさの理由の一つは人員不足

教師が忙しいその理由は、今の仕事の量を解消していくとするならば、教師の増員がその第一でしょう。

授業も学校の校務も人的対応がとても必要です。仕事はどうあっても減りません。子どもたちが減少していることで、教師の人員も減ります。

学校現場では、一人の教師が減ると、その人の分の仕事は誰かがやります。小さな規模の学校も大きな規模の学校も基本的にやっている仕事内容は同じなのです。

忙しさの中で質の高い指導やサービスを提供できているならば問題はありませんが、現状では難しいことです。

欧米のように子どもの一クラスの人数を少なくし、複数の教師が受け持つという体制は忙しさの解消だけでなく、質の高い教育を提供できることに繋がります。

人数が多いほど仕事を効率よく分担することができ、質の高い指導や子どもたちや保護者の要求や課題に丁寧に対応できるようになるでしょう。

教師じゃなくて、事務処理屋が本当の姿⁉

教師が忙しい理由は、教育の体制にありますが、この教育体制を改善することはそう簡単ではありません。

何といっても、今までのこの忙しい教師の頑張りで一定の成果を積み上げてきていることになっているからです。

研究指定校や文部科学省の指定校として、ある課題について臨床的に取り組んだ成果を毎年発表し、それをもとに全国の公立学校が真似をしていくからです。

道徳の教科化や英語の必修化なども、その昔の生活科の取り組み、総合的な学習の時間の取り組みなど、様々な課題を学校が一丸となって研究実践した成果を生かしながら、今の日本の学校教育があります。

しかし、成果を積み上げて新しいことがどんどん現場に取り込まれているけれど、増える一方で内容は膨らむばかりです。

新しいことが取り入れられるたびに、文部科学省から県へそして、市町村へ最後は現場にいろいろな仕事が入り込みます。

県の指導による研修、市町村による指導および研修、学校内での研修、研究などアンケート調査から始まり、実践事例の提出など、トップダウンでいろいろな校務が降りかかってきます。

アンケート一つとっても、その時間の確保、集計、期限までに提出と、仕事としては小さなことですが、そんなどうでもいいことがたくさんあり、それが教師の忙しさを助長していることは間違いないでしょう。

子どもたちが下校すれば、成績処理やらこれらの事務処理やら、ずっと机に向かってキーボードを打ち込む姿が今の教師の姿です。

教育委員会なども、レポートの依頼などもメールで簡単に依頼してきて、締め切りを告げるばかり。

確かに、ネット社会は効率よくなりましたが、それがかえって教師が忙しい現場になっている要因です。これは、教師に限ったことではないですね。

あすの授業の準備よりもどうでもいいような事務処理に日々追われているのです。

まとめ 教師は授業が命

学校現場の超多忙の解消には、はっきり申し上げて学校教育の制度改革を行わない限り無理なんではないかと思います。

思えば、現在の道徳の教科化も英語ももっと昔の総合的な学習に時間も生活科も現場の先生が望んだことではないです。学習指導要領ももう必要ないのでないでしょうか。

コロナで今まで常識だったことがそうではないことも分かったのですから、教師の役目はなんであるかを問い直すチャンスです。

しかし、現実的に教師は公務員ですから、お上いうことに逆らえません。従うしかないというのが悲しいです。

けれど、現場の人間が動かない限り現状は変わりません。思っているだけでは何しないのと同じです。

学校の教師が忙しいのは、嘘なんかではありません。でも、なんだか変なことが理由で忙しくなっています。

いい意味で忙しいのではない。

本来の仕事である「授業」に関する時間の確保ははっきり言って少ない。

授業というものは内容を教えるのではなく、子どもたちとともに学んでいくところが大事なのことですから、日々の子どもの実態を見極めながら授業の準備をしなければならないものです。

その準備よりも目の前の事務処理が優先⁉されてしまっています。

授業で教えることが教師の仕事の第一です。それが雑務の中でおざなりになり、質の低い授業を提供していることになります。

解消のためのポイントは、

  • どうでもいいような用務は手を抜こう
  • 一人で抱え込むことはせずに、みんなで分担しよう
  • 「仕事ができない人に見られたくない」という考えを捨てよう
  • 大事なことは授業です
  • できることを増やさない=足し算ではなく、引き算をする。何かを増やしたら、いらないものは捨てる。学校は何でも屋ではない。
  • 自分がその校務の責任者になったら、改革しよう

教師は忙しい職業ですが、今現在の忙しい理由は教師のためになりません。

これから教師を目指す人が、先生って輝いているなあって思わせる職業にするために、上の指導者や監督官庁に物言っても変えてくれません。

現場の先生がたの意識を変えて、具体的に抵抗していきましょう。

教えることに忙しいという現場にしていかないといけません。
教師が忙しいのは嘘⁉激務に教員不足は事実です!忙しい本当の理由とは?のお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. 秋の遺伝子 より:

    教師の仕事内容は、昔も今も、ほとんど変わっていませんよね。読んでいる人は自分の子供時代と比べるので「昔」も人によりますが、昔からの教員の仕事が、なぜここ最近急に忙しいアピールがされる様になったのかが疑問です。書かれている様に1クラス当たりの子ども人数は減り、先生も減ったとはいえ、児童数あたりの教員数は明らかに増加しています。そして先生以外様々な大人も増えました。夏休みのラジオ体操、プール開放等、様々な学校行事は削減されました。中学校では主要科目は塾任せと教師が公言、オリンピック選手は子供時代に鍛えたのは部活動ではないと言い、部活指導も削減されています。先生の仕事はどう考えても「以前と比べて」大幅に減っているのではないのですか?

  2. 元生徒 より:

    私は教師ではありませんが、昔より生徒1人1人を大事に扱わなければという風潮が強くなったからですかね。
    放課後生徒に質問や相談されたら無下にせずじっくり答えなきゃいけない。
    親から相談があってもそう。
    何かあったら教師の責任にされるから何事も念入りに用意しなきゃいけない。
    できない生徒はできるまで補習してあげなきゃいけない。
    そんなのが担任してる生徒の人数分あるわけですからね。

    • nobita より:

      元生徒さんへ
      コメントをありがとうございました。
      数あるブログの中から私の記事に触れていただき、感謝いたします。
      現職は離れましたが、誰かが読んでくださったときの参考になればと思い書いています。
      お読みいただき本当にありがとうございました。

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