コロナの影響で4月の学級開きもできず、不安な中での学校再開。
子どもたちも先生方も晴れやかなスタートはできなかったことでしょう。
そんな中でも授業はどんどん進めないといけないわけで、授業がすべてに優先して学校生活が行われているのでしょうね。もちろん、学校生活で授業が一番大事なわけですが、教科の学習ばかりしていては、学校は面白くないものです。
学級生活は人と人とのかかわりです。仲良しの学級は何をしても楽しいものです。
子どもたちもいつかこのクラスでよかったと思えるのは、仲の良い友達がいて、だれもが居場所があり、みんなが思いやりにあふれているからだと思います。
そんな学級に育てていくには、時間がかかるかもしれませんが、先生の継続的な取り組みで必ず前進していくものです。
そんな学級づくりの参考になることを願い、このエンカウンターのほんの一例を紹介します。
この記事を読んでおられる方は、学級づくりにエンカウンターのおすすめはないかなと調べておられるのではないかとも思います。
学級づくりにエンカウンターを実践してみてください。まずはじめにこのおすすめの☆いくつは非常に簡単にでき、子どもたちも楽しんでやりますよ。
学級づくりにエンカウンターを取り入れてみてください!おすすめのエクササイズがこれです。
学級づくりはエンカウンターで積極的にしかけよう
構成的エンカウンターの実践は、経験上次のような効果がありました。
ちなみに、複数の学級で実践しております。
- 話すきっかけが生まれる活動になる
- 子どもたちの友達関係の躓きが解消された
- エンカウンターの時間を楽しみしている
- 発言回数が向上した
- 子どもたちが話せる友達が増えてきた
- 学級に明るさが出てきた
- 実践を継続するほど学級の状態が良好である
子どもたちは仲の良い友達とはいくらでも話したり遊んだりしますが、自分にかかわりのない友達には、進んで話すことはすくないですね。
学級の中で共に生活していくうえで、お互いを知り理解していくことが学級生活には欠かせないことです。
しかし、子どもたちは自分自身のことに精一杯な子どもが多く、人のことに思いを寄せることができにくくなっています。
ですから、学級内の子どもたちが心を開いて相手を受け入れるようになるには、積極的にそういう場面をつくって慣れさせていかないといけません。
学級活動以外にも学校行事に関係する活動において、学級の子どもたちが協力したり話し合ったりすることでだんだん仲良くなっていくことはもちろんありますが、いわゆる「練習」の場がたくさんあることでかかわりが増え、お互いに分かり合えることが多くなるものです。
コロナで忙しい授業の日々でしょうが、学級づくりもおろそかにはできません。
教師のプロは授業で学級をつくるものだと言いますが、いいものは何でも取り入れてみればいいと思います。
学級づくりにエンカウンターのおすすめなエクササイズはたくさんあります。
一日の学級生活は分刻みであわただしいものですが、だからできないという答えにせず、時間をつくり、子どもたち同士のかかわりを増やしていくことがよりよい学級づくりにつながっていくのではないかと思います。
学級づくりはエンカウンターで人間関係づくりもできる
学校生活と言っても子どもたちが一日のほとんどを過ごすのが学級です。
この学級生活は、30人程度の子どもたちが毎日協力し合って生活しているわけですが、毎日誰とでも話したり関わったりするということにはなりにくいものです。
どんなに仲の良い学級でも、一日のうちに全員とかかわるなんてことはなかなか難しいことです。一日全く話すこともなく終わることは珍しいことではないです。
教師は仲の良い学級を目指します。
子どもたち同士が仲が良いということは、授業でも学級活動でも協力的でどんどん進みます。
仲が良いと教師がいちいち目配りしなくても、子どもたち同士で学級を運営していけます。
仲が良くなるには、子どもたち同士がお互いを知り、理解しあうことです。
そのためには、実際にふれあうことが最も大事なことです。
机上の学びだけで仲良くはなりません。模擬体験ではなく、本当に学級内で子どもたちがうまくいくことやうまくいかないことを体験することが必要だと思います。
それを実現させてくれるのが、構成的エンカウンターです。
小学生を対象にした内容がほとんどですが、これは、大人に対しても通用する内容です。ですから、中学生でも十分に効果が得られる取り組みです。
エンカウンターは、自分が相手にかかわり、相手も自分にかかわり、互いに評価しあい、そして理解していく。その一連の取り組みを一時間の中で行います。それを継続していきます。
一度の活動でも時と場合によっては、子どもたちの考え方や思いがマイナスからプラスに変化するくらいの効果もあります。
このエンカウンターは、一人の力では成長できにくい状況を友達の力を借りて成長することができるのです。
エンカウンターは、自分に自信を持てるようになります。子どもたちが自分自身を「自分って結構いいじゃないか。まんざらでもないな。」と思えるようになったら、自信がつくのです。
学級づくりにエンカウンターのおすすめのエクササイズはこれらの課題を解決してくれること間違いなしです。
まとめると、
- エンカウンターは、今目の前の子どもたち同士が互いに意識しあって活動することで、本音のかかわりや語り合いが生まれる
- 人間関係作りをしたいなら、積極的に子どもたちに働き掛けないと状況は変わっていかない。軌跡を待っていたら卒業してしまう
- エンカウンターの活動を継続することで間違いなく学級内の人間関係はプラスに変化していく
ちょっと難しく説明すると、以下のようになります。
- 集団学習体験を通して、自己発見による行動の変容と人間的な自己成長をねらい、
本音と本音の交流や感情交流ができる親密な人間関係づくりを援助するための手
法 - 学習活動で取り扱う課題(エクササイズ)には、自己理解、他者理解、自
己主張、自己受容、信頼体験、感受性の促進の6つのねらいが組み込まれている
エンカウンターを行うには、最も実践しやすいのは、実践例を元して実践するのが一般的です。実践例を多く紹介している本はたくさんありますが、私がおすすめするのは、以下の冊子です。
エンカウンターの実践のポイントを簡単にお伝えします。
- 何をするのかをはじめに説明する。この中で一時間の学習の流れをつかませる。
- エクササイズをおこなう
- 各自が振り返る
- 振り返りをお互いに話し、共有する(シェアリング)
最も大事なことは、振り返りです。
この振り返り(子どもたち同士で思いを共有する)によって、自分や相手を今まで以上に理解できるようになっていくでしょう。
エンカウンターのおすすめの活動は「☆いくつ」
エンカウンターのねらいには、自己理解や他者理解がありますが、簡単に言うと、「自信を持つことと相手を敬うこと」だと思います。
自分自身を好きになる。どんな友達でも今まで以上に理解し大事にしようと思う。この二つのことができれば、学級集団は明るく協力的な集団に変わっていきます。
ここで紹介する「☆いくつ」は、一年間の学級生活で2~3回行って、自分たちの成長を子どもたち同士で確かめ合っていくことも可能です。
学級づくりにエンカウンターのおすすめな「☆いくつ」のエクササイズを紹介します。
ねらい
自分の良い面を知ることができる。友達の良い面を考え、その人の良さに目を向けようとする。活動を振り返ることで、自分に自信を持ったり、相手のよさにふれたりすることができる。
やり方
何をするのか、簡単に説明します。
一人ずつのカードがあるのですが、そのカードはどんなものかというと、
- 10個の「良い姿」が設定されている(「良い姿」とは「いつも挨拶する」など行動や性格)
- 友達がその10個の良い姿のどれに最も当てはまるか選ぶ
- 当てはまった「良い姿」に対し、どれぐらいのポイントになるか☆(スター)の数にして表してあげる
- 一人にあげる☆の数は最大5個まで。
この5個をその子のどんなよさにいくつ入れるかでちょっと悩む。
この「☆いくつ」は、自分のいいところはどこなのかを多くの友達に評価してもらうということです。
カードのある良い姿を選んでマークするだけなので、誰がどれを選んだのかはわかりませんが、どれが多いのかとか、どれが選ばれているかはすぐにわかります。
自分の思いとは異なる結果が出てくることが多いのです。自分自身の評価と他者からの評価が異なり、自分自身を振り返りやすくなります。
また、友達一人一人を評価していくので、他の人はどう見ているのかも選ばれている傾向でわかったり、意外な評価をしていることがわかったりして、他者理解にもなります。
というものです。
学級づくりにエンカウンターのおすすめとして紹介しているこの「☆いくつ」は、こうしたねらいがあるのです。
ちなみに、10個ほどのよい姿はつぎのように設定します。
- いつも明るいあいさつができる
- くよくよしないでいつも元気だ
- 我慢強く最後までやり通す
- どんなことにもチャレンジする
- 優しくて思いやりがある
- 困っていると声をかけてくれる
- 発言が多くて、自分の意見をもっている
- 努力家だ
- 誰とでも協力できる
- 人を笑わせるのがうまい
- 人の悪口を言わない
学級の実態に合わせて、自由に設定できます。
学習の流れは、上記の冊子の中に展開例も載せて、詳しく説明されています。
- この「☆いくつ」の一人一人の評価カードを作る。(以下のワークシートや進め方例を参照)
- そのカードに10個のよい姿が設定されている。この中から選ぶ。
- まずはじめに、自分自身でこの10個の中から選んで、5個分の☆をマークする。
- 全員が自分のカードに自分のよさを選び終えたら、カードを班の中で回して、友達を評価する。
- 学級全員が自分のカードに評価をするのは、時間がかかるので、クラスの人数の3分の一程度から半数の友達に評価してもらえば十分。
班などの中でカードを回して、一回りしたら、次の班にカードを送り、他の班から回ってきたカードを班内で回して記入するという方法がやりやすい。 - 評価を終えたら、自分のカードをもらい、まずは自分の評価について振り返る。
- 次に、班などの小グループで振り返ったことをみんなに発表し、お互いの思いや考えを交換し合う。
- 最後に、学級全体で思いに変化があったり、自分や友達のことを肯定的にとらえらえている感想などを発表し合い、さらに自己理解や他者理解が深まるようにする。
この一連の流れは、45分程度で余裕をもって、実践できます。
あらたな学級がスタートしても、お互いに知り合えていないので、誰がどんな人なのか検討がつきにくいものです。
ある程度、お互いのことを分かり合えるようになってきたときとか、一学期の終わりごろとか、二学期のはじめのころに実践してみるのがいいと思います。
またしばらくして、2回目を行ってみるのも、成長が感じられる取り組みになるかもしれません。
新たな学級ではなくても、慣れ親しんだ学級でも友達の見方が固定的になってきて、人間関係が固まりだしますが、そんな学級にも学級づくりは絶えず必要です。
この「☆いくつ」エクササイズを実践してみることをおすすめします。
この例は、小学生向けになっていますが、およそこのような内容です。
エンカウンターの大事なことは振り返り
学級づくりにエンカウンターのこのおすすめなエクササイズはたくさんありますが、どうしてもやることいわゆるアクションにばかり注目してしまいます。
しかし、大事なことはやった後の振り返りです。これこそが学級づくりにエンカウンターがおすすめな理由の最も大きな部分です。
さて、学級づくりにおすすめなエンカウンターの「☆いくつ」について子どもたちがどんなふうに振り返っているのかを紹介します。
自分や友達のよさを評価するので、マイナス面は評価項目にはない。あえて、よさを評価することなのですが、自分が感じているマイナスイメージは他人は割と感じていないで、自分はそんな風に見られているのかという意外性にびっくりしたという感想が多く見られます。
子どもたちの感想には、次のようなものが多く出てきます。
- ぼくは、代表の役なんかほとんどやったこともないし、人前で緊張しやすいけれど、みんなからとても責任感があるというところに☆がたくさんあってびっくりしました。
- 私はみんなから面白いというところにたくさん☆をもらました。今度からはもう少し自信をもって発言したり、勇気をもって行動したりしてみたくなりました。
- 自分は優しくないなあと思っていたけど、みんなから優しさがあるというところが意外に多かったので、ちょっと自信になりました。
- 友達のいいところを考えるのに時間がかかったけど、よく考えると、その人のいいところが結構あるなあということがわかり、もっとその人のいいところを見ていきたいと思った。
- 自分がいいと思っていることよりも、他のよいところがみんながいいと思っていて、その良さも伸ばしたいと思った。
- その人のいいところをみんなも同じように感じていることを知り、やっぱり友達を大事にしないといけないなと思った。
これらの振り返りの中で、大きく注目してきたことが、2つあります。
その一つは、自分の今までの行動や評価について肯定的にとらえていない子どもほど、実は相手からの評価をとても気にしていることです。そして、意外な面を友達は良い面として評価してくれていることに満足している。
もう一つは、自分のよさを自分自身で自信を持てない子どもがたくさんいるということです。しかし、このエクササイズによって、認められたという気持ちになれる子が多いのです。
そうした思いをみんなの前で語ることも、その子のよさをみんなが知ることができたり、見かけではわからない思いにふれることができたりする効果があります。
学級づくりのためのエンカウンターのおすすめエクササイズは、その友達と実際に話さなくても、共感できたり、思いにふれたりすることで、他者理解につながります。
自分のことを自分で評価することはどうも自信が持てないものですが、友達から自分のよさを評価してもらうことはとてもうれしいことです。
それが自信につながり、明るく元気に行動するきっかけになります。
まとめ エンカウンターを積み上げる
学級づくりに効果を発揮するエンカウンターは、多くおすすめなエクササイズがあります。
コロナの影響で教科指導の遅れを取り戻すために、半ば詰め込み式に授業をしていかないと、カリキュラムを終えることができなくなりますね。
そんな状況ではなかなか余計なことに時間をとることができないかもしれませんが、子どもたちの人間関係が良好であればあるほど、授業も円滑に進みますし、学習への集中力も向上すると思います。
人権感覚にあふれ、お互いを大事にする学級づくりは、担任教師の指導がカギを握っています。エンカウンターの取り組みは毎週はできないでしょうが、学級に実態をみながら、集中的に実施したり、一か月に2回ほど実施したりして、子どもたちに良い刺激を与えることができると思っています。
学級づくりにエンカウンターを取り入れようと考えているならば、おすすめなエクササイズは必ず見つかります。ぜひ、このような実践例を参考にされて明日から実践してみてはいかがでしょう。
学級づくりにエンカウンターを取り入れよう!おすすめのエクササイズがこれだ!を最後までお読みいただきありがとうございました。
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