休校で教師は何をする?学校再開しても必要な改善点がこれです!

学校教育がないと子どもたちは大変なことになることがわかった。しかし、学校が抱える課題は山積みだ。学校の在り方を考える時期に来ているのではないか。

コロナウイルスの感染予防で学校が休校中で授業はストップしたまま。もうすぐ再開とかすでに再開されている学校もありますが、結局2か月間学校がお休みとなりそうですね。

学校が休校になって、家庭での学習で補おうとしてきましたが、とても補えるものではありません。そもそも、家庭学習ほど子どもたちにとって苦痛な時間はありません。

なんて言ってはいけませんが、学校で教えてもらえないことがどの子にとっても学びの損失になることを痛感しましたね。

学校が機能しないと学びがストップしてしまうんだ。早く再開しないといけない。

と同時に、学校ってないと困るなあとか、結局教育も箱ものじゃないとできないのかなんて学校の非力さも感じました。

休校によって学びの在り方を考え直すきっかけにしてほしいと思って記事にしてみました。

先生は休校中に何をするのか、先生方の学校再開に向けての心構えは?今年の学校運営は何を大事にするのかなどについてお話しします。

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休校で授業ができない教師は何をしているのか

子どもたちが休校でも学校は休みではありません。この記事を読んでくださっている方の中にも一般の方がおられますので話しておきますが、学校の先生は夏休みとか冬休みとか子どもたちが休みでも先生たちは出勤です。長期休みに休みたければ会社と同じように休みを取らない限りすべて出勤です。

子どもがいなくても、仕事はいくらでもあります。授業のための教材研究などはいくらやっても終わりがありません。授業に関係のない校務の仕事も様々あります。子どもたちがいなくても計画や準備にかける時間は足りないくらいです。

しかし、今回の休校では、今後一年間の学校業務が大きく変更されるので、その対応に追われていることでしょう。カリキュラムの大幅な変更や学校行事の見直しです。これだけでも非常に大きな事態です。

カリキュラムの編成は通常二学期の終わり辺りから次年度の計画に入ります。毎年同じことの繰り返しでも反省を生かしながら教職員みんなで協議して決定していくので、時間がかかります。特に、2020年は新指導要領の開始にもあたっていたので、相当な時間をかけて準備されてきています。

それらがすべて台無しと言っていいでしょう。

これらの計画を一からやり直すわけですが、いつになったら学校再開になるのかはわかりません。先生方は今学校で何をしているのでしょう。

今学校の先生たちは、家庭で自粛している子どもたちの学習支援をしています。

  • 電話で一軒ずつ学習や健康状況を確かめる。
  • 毎日学習プリントを作成し、定期的に親に取りに来てもらう。(郵送もあるが費用が掛かり過ぎる)
  • 必要に応じて家庭訪問している
  • 今後のカリキュラムの編成をいくつもプランを立てて準備している(いつから学校再開なのか不明なので、かなり深刻な状況だと思う)
  • 普段なかなか時間がなくてできない教材研究をしている
  • 可能な学校は、授業動画を作り、発信している。

教材研究は教師の仕事の中でも重要な仕事ですが、学級事務(保護者対応や学級の雑務)や校務に時間を取られて、勤務時間内には一日の仕事が終わりません。

働き方改革が必要なのですが、なかなか解消されていないのが現状です。

これが今、学校の業務がほぼ動くことができないでいるわけですから、上記の仕事を日々しているとしても、かなり時間的な余裕はあります。が、基本的に自分の学級のことは担任しか対応できないのですから、家庭訪問するにしても、計画することや連絡を取ることなど時間がかかる仕事です。

授業はなくても、やることは盛りだくさんです。

もちろん、オンライン授業をしている学校においては、定期的に授業を進めているので、それなりに教師も忙しいでしょう。

公立学校の先生方においては、とにかくできる限りのことをしているということでしょうね。

何と言っても、学習が進められないということは、一年間の内容がどんどん溜まっている状況です。緊急事態宣言で2か月間の学習がストップしてしまうというと、その時間をどこで確保すればいいのか、学習内容も削減しないといけないでしょう。

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休校でわかった学校の力と学習環境の整備

オンライン授業をしていることがメディアで取り上げられますが、あれはほんの一部の私立学校や小中一貫校の一部だけです。公立学校でできないことはないですが、問題は各家庭のネット環境です。これほど情報化社会になっていても、パソコンがない家庭は少なくないです。さらにwi-fiがない家庭も多いのです。

言い方に語弊がありますが、小中一貫校や私立学校の家庭はこうした環境はすでに整備されている家庭ばかりです。

結局、経済的に裕福な家庭の子どもたちがより良い教育機会を与えられ、公立学校の子どもたちには十分な教育がなされないという不公平感が生まれてきますね。

様々な問題を抱えた子どもたちが多く集まっている学級でもいまだに昔ながらの一斉授業で効率さが優先されています。学校教育の限界ともいえる状況でありながら、大きな変革はありません。教師の力量だけでは教育の質を上げることは難しく、教育体制を変えることや財政的な支援を多くしていくことが子どもたちの学習を変えることになるでしょう。

そういうことが今回の休校でまた実感できました。

そして、休校で授業ができないだけでなく、子どもたちの学力低下や心身の健康維持にも影響が出始めています。学校の存在がいかに大事であるかの裏返しです。

学校が子どもたちの生活にはなくてなならない非常に重要な場であること。

学校の先生がいないと勉強を教えてくれる人がいない。

学校がないと教育が成り立たないようにできているのが今の教育体制ですから、休校はそれがストップしてしまうことです。しかし、教育現場にもいざという時の対応として今回の事態は想定外でした。

しかし、学校の在り方や授業の在り方が取り沙汰されていながらも、学校の教育体制や体質はそれほど大きな変革がないのです。

この現在の教育体制はどちらかというと効率性が良くて、ある程度の成果はあるとは思います。

しかし、現在の教育体制や教育環境は社会の多様性には十分に対応できるようになってはいないと思います。

学校にいけない子どもは学校に行けるようになる支援であったり、学校の代わりをする施設があったり、結局、学校を基準に物事を考えていますね。

学校を学習することでお墨付きをもらっているわけです。学校だけがきちんと学習を教えてくれる場なのだと。

学校のやっていることは成果を上げている一方、いまだに学力の格差はなかなか学校教育だけで解消することはできていないと思います。

学校での学習や生活が確かに日本全国どこでも同じ教育が受けられ、一定の学力が保証されていることは大きな成果です。しかし、この教育方法に頼り過ぎ、学校が教育の中心となっていますが、その学校教育は多くの問題を抱え、機能も限界になっています。

突然の休校で何をすればいいのか、どう対応することができるのか、教師たちは本当に困ってしまってもやりようがなかったと思います。

所詮無理です。学校教育は学校に子どもが来ないことには始まらないのですから。

学校の在り方を根底から考え直す良い機会となったのです。学校のやり方に子どもたちを合わせてきたのですが、学校なくても学べるようにしていくことは必要になってくるでしょう。

これからの教育は、子どもたちが自ら学び方を選べるような学びの場やいつでも学べる機会を充実させていくことに目を向けたいですね。

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授業再開する日に向けてやっておくこと

ちょっと大げさな話になってしまいましたが、とにかく、学校が休校になってしまったことで学習がきちんと進まないのは当然です。仕方がないから、家庭で勉強見てくださいということになっていますが、普段の授業で学ぶことを考えたら、それは気休めにしかならないと思います。

学校で教える内容は本当に盛りだくさんです。多すぎるくらいです。それらの学習は子どもたちがすべてを吸収できるわけがありません。

この2か月間の教育の停滞はかなり深刻です。でも、まだまだ時間があります。

忘れることや初めから関心のないこと、はっきり言って勉強する必要感を感じていない内容はあるのです。それらの内容はカットすればいいのです。というか、軽く勉強すればいいのです。

学習内容として子どもたちに伝達することが多すぎます。教師は一応教えることで教育課程の指導事実をつくっているようなものです。忘れてしまってもいいと思って教えることは少なくないです。それくらい軽重をつけないとすべての学習内容を子どもたちに教えられません。

大事なことは繰り返し学習させ、そうでもないものはさっと扱う。

だから、休校後の再開に備えてしっかりやっておくことは、どの学習を優先して教えるかです。もう捨てる内容は捨てていいと思います。

大事なことは、学習内容にも優先すべきものとそうでないものが必ずありますから、きちんと取捨選択して子どもに教えていけばいいでしょう。

学校行事や学年行事については間に合うものは準備していけばいいのです。できなかったことを悔やんでも仕方ないです。

高校球児の甲子園大会のようにできないものはできないのですから、できることに傾注することが今年の目標でしょう。

子どもたちの学校生活は、時間がたてば必ず元に戻ります。

子どもたちが不安にならないように、さらに子どもたちの願いを優先できるように考えましょう。とかく教師はまじめに考えがちで、きちんきちんとやらないといけないという管理職が多いものです。

学校再開を前に大事な方向性を見定めてほしいものです。そして、決定を慌てないように心がけてほしいと思います。

また、決まったことであっても、場合によっては変更して、ベストを探るそんな柔軟な姿勢で臨んでいきましょう。

市内の教育関係の会合や業務を軽減する

学校の運営が最も大事で特に授業や学校生活の円滑な運営が重要です。さらに、学力低下が問題視されていますから、限られた時間の中で学力をつけるための業務に専念できるようにしないといけないでしょう。

余計なアンケート、レポート提出、研究授業関係など、すべてカットです。

市内の研修や研究に関する行事も全て中止です。

医療現場を見ればわかるでしょう。それと同じです。子どもたちの学力を上げることや学校生活をより良いものにしていくためには、余計なことは今年はすべて削減です。

余裕をもって学校生活を送れるようになるには、あれもこれもと手をかけずに、単純なことをとことんやるべきでしょう。

校内においても行事の変更や職員会合の精選をして、コロナショックに学校が対応していくための一年間となるように、どうでもいい仕事をなくしていくことを大事に取り組んでください。

この緊急事態をチャンスに変えて、学校がよりよい職場となるように改善していきましょう。

捨ててもいいことは、捨てる。

このことが大事です。

これからの学校教育は対応力が必要

休校で授業が進まないことをこれほど危機的に感じたことはないのではないでしょうか。

学校の学習サポートの非力さを感じましたね。学校は学校に来ることで機能するのですから、来れないということを前提にして考えてないのですから。

現在の学校教育は子どもたちを1か所に集めて教授する形をとっていますが、それが一斉指導です。これは教科内容を効率よく教えることができます。

しかし、集団での学び方はみんなでかかわりあって学んでいくために時間はかかります。

理解してもらうために一時間の授業をどの子も理解できるように工夫するのが授業の展開です。ただ一方的に要点だけ教えて、できるようになるような授業はどちらかというと少なく、勉強のやる気を持たせる工夫や場の工夫、教材の工夫などをしているわけですから、一時間の授業の中には、様々なねらいがあり、一時間ごとの授業案をもって、学習指導をしているのです。

しかし、これだけの工夫をしても、すべての子どもたちが同じように理解しできるようになることは楽なことでなく、とても難しいことでもあります。

教室での一斉指導はどうしても講義的な学習になり、聞いているだけの受け身の学びになりがちです。こうした学びは理解に時間がかかる子どもたちには不向きであり、ややもするとその授業時間がその子にとっては無駄な時間になります。もったいないですね。

最近では講義的な授業は改善されて、教師が教えるというよりも子どもたちが自ら問題を解決していく形の学習が進められています。しかし、そうした学習は時間がかかり、毎回そうした授業を仕組んでいくことは時間的に不可能です。

一斉指導はある程度の理解力がある子どもたちには合っていますが、理解の遅い子どもにとっては面白くない学習になっていくのです。

わからない=やる気がなくなる  できない=おもしろくない

一斉指導だけでは限界があり、授業中も個別の支援や指導が欠かせません。一人で対応できない場面では支援する教師を加え、複数教員で指導に当たらないと時間内に完結することは無理でしょう。

集団で教えていくには、学習内容を段階的に細かくして、一時間の内容を軽くするなどの配慮が必要なのです。

集団に比べ、個別指導のほうが明らかに成果が上がります。

今回の休校に伴い多くの子どもたちが利用したと思われるネット上の授業は長くても20分程度のものです。NHKの教育番組も15分から20分で完結します。

子どもの集中力はそのくらいです。大人でも30分が適当でしょう。

確かに、ネット学習は個人のやる気に任されていますから、やる気がなければ学校にいるのと同じでしょう。学校は、多くの人や周りの目がありますから、やる気がなくてもやる気にさせてくれるかかわりというものが非常に価値あることです。

家庭で一人で体力づくりに励むよりも、ジムに行ってやったほうがみんなの頑張りが見えて、頑張ろうとしますね。学校のよさは一人じゃないという集団心理を上手に生かして学習が進んでいくのも確かなことです。

学校の在り方から考えれば、今の教育方法は多くのメリットありますが、学級内のすべての子どもにとってベストな教育方法とは言い難いのではないでしょうか。

まとめ 学校教育見直しのチャンス

学校再開に向けて次のことをやっておきましょう。

  • 各教科の指導内容の精選=捨てる内容を決めておく
  • 学校行事はこれからできるものに力を注ぐ=できなくなったものはあきらめる
  • 今年度の校務体制を授業や学級経営に傾注できるように余計な仕事を極力削減する

コロナの影響で社会が変わるかもしれません。

今まで当然だったことがそうでなくなる。歴史をたどれば暮らし方や考え方はどんどん変わっていますが、何か変わるときにはそのきっかけが必ずあるものです。

大変な事態を引き起こしたコロナ感染ですが、プラス思考で考えれば「変えていくチャンス」ではないかと思います。

今回のお話は、休校で教師は何をする?学校の先生がやっておくことについてでした。

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