
家の中が整然としていることが学習できない子どもを助けることになります。いい仕事はいい環境から生まれるのと同じですね。
中学生になっても、ゲームばかりしていて、親御さんのかける言葉はいつも同じ。中間テストの結果は惨敗でも、テストが終わってしまえば、いつか悔しさも消えていく。
勉強することは大事だと思っているけれど、実行できない。
私の知り合いの中学生が勉強しないので、その親に頼まれて家庭教師を引き受けました。
テストの点は40点~50点あたり、まじめに勉強をしようとしているけれど、一向に成績はよくならない。九九も危なっかしいし、足し算引き算の繰り上がりが暗算でできない。
こんな子どもに、週一回の2時間程度の家庭教師では成績アップは望めません。
そこで、家庭での学習法を教えながら、とにかく、家でどんな勉強法をするかを教え込みました。もちろん、親御さんにも何をどんなふうにサポートするのかを必ずやってもらうようにお願いしました。
一か月後にテストがありました。結果は5科目平均で70点でした。40点だったテストが70点と30点も成績アップとなりました。
確実に成果があらわれるには、親の支えがどうしても必要です。
勉強できない中学生を勉強する子に変える、その方法を教えます。
中学生で勉強できない子の傾向
家庭学習の習慣がついていない
中学生で勉強できない子どもはどうして勉強しないのか?それは、勉強をしない中学生のほとんどが、勉強をする習慣がついていないからです。
小学校時代に、毎日同じような時間に宿題や自主学習などをしていた子は、中学生になってもそれほど変わりなく、勉強に向かうことができます。
部活動や習い事で遅くに帰宅しても、勉強することが習慣になっていたら、やります。
しかし、宿題を決まった時間にしていた習慣や言われなくても宿題が終わるまで集中したという習慣がない子どもは、中学生になったからというきっかけがあったとしても、なかなか勉強するようにはならないでしょう。
習慣がついていないから、やらない。
習慣がついてないということは、勉強の仕方が分かってない
勉強の仕方が分かってないので、成果がでない
勉強というものは、何をどうすればできるかということがわかっていないとだたやっているだけで自分で成果を実感できないのです。
何のために練習しているのか、運動や芸術の世界でも同じことが言えるのではないかと思います。
勉強はそういうものです。さらに、小学校時代に学習を十分に理解できていないことで、授業内容も中学校での学ぶスピードについていけません。
読み書き計算が不十分
読むことや計算することなどが遅いのです。
九九もすぐに出てこない。足し算も引き算も繰り上がると暗算でできない。教科書の文章を一行ずつ読んでいる。斜め読みができない。
処理速度の遅いパソコンで仕事をするとイライラするでしょう。あれと同じようなものです。集中力がなくなり、やる気をなくします。
基本的な学習が不十分なために、とても時間がかかるのです。勉強ができない中学生が帰宅してからすべての勉強をやりこなすには、できる子どもの倍以上の学習時間が必要です。
それだけの根気があるならば、もっと早いうちに勉強できるようになっていたでしょう。
勉強できる子どもと同じ時間勉強しても、追いつけることは難しいのです。そもそも理解度が違うのですから、いわゆる、人並みな努力では、成績は上がっていきません。
親が子どもの勉強を見ていない
習慣がついていない子どものほとんどが、小学校の低学年から親御さんが勉強を見てやっていない環境にあります。
共働きでも専業主婦でも関係ありません。習慣ができてしまうまでは、親のかかわり方がとても重要です。
小学校時代にたとえ共働きでも、子どもの帰る時間合わせて親が帰宅し、子どもの世話をする。勉強も気にしていて、見てやる。間違っていたら指摘する。やり直させる。
小学校時代に放任していたら、中学で習慣化するためには相当な努力が必要です。
中学校では、学習への取り組み方は自立しているということが前提です。宿題をやってこなくてもいちいち細かく指導しません。もちろん、小学校のような細かな個別指導はほとんどできません。それが中学校というレベルなのです。
ですから、小学校時代には学習習慣をつけておくことがどうしても必要なのです。
勉強はなんのためにするのか、中学校では答えははっきりしています。
高校受験です。
高校受験は親にとっても大きな出来事です。受かるか受からないかで人生が決まるなんてこともありなのですから。
放任してきた程度はあっても、習慣がついてない子どもには、親が本腰を入れて世話していかないと現状を変えることはできませんね。
子どもに勉強をしてほしいと思うなら、親自身が考え方とか行動とか、今までの負の習慣を親自身もあらためていく必要がありますね。
中学校の勉強を頑張る理由
小学校は成績が良くても悪くても結局のところ何とかなるのです。性格だとか、スポーツだとか、そういった別の良さがその子を支えてくれているからです。
ところが、中学校は成績が重要視されます。
それは、高校受験のためです。
中学校はとにかくしっかり勉強しておかないと、受験に間に合いません。
ましてや、中学校入学時点で中学の勉強についていけないレベルなら、はじめから負ける勝負に挑んでいるようなものです。
小学校6年間でついてしまった勉強しない癖は、直すにはそれと同じくらいの時間がかかると言われます。大変なことです。もう無理です。このままでは受験には負けるでしょう。
- 家での勉強の習慣がついていない
- 読み書き計算が不十分だから、スピードについていけない
- 親御さんのかかわり方が不十分
こんな傾向がある勉強できない中学生が勉強をするようになり、成績アップするにはどうすればいいのかを探っていきましょう。
どうしたら勉強ができるようになるか
塾や家庭教師に頼る
塾や家庭教師によって、その子のやる気が出て、学習に取り組めるならば、いい塾や家庭教師に出会ったということで、その子の学習が支えられていくでしょう。
そんな我が子にぴったりの先生に出会えたらラッキーです。
塾や家庭教師の評判よりも、その子の実態に合った先生に出会えるかで、全く変わりますので、塾に行くとか、家庭教師をつけるとかで成績アップになると楽観してはいけませんね。
まずは、その子に合った教師をつけること(経験豊富な先生でマンツーマンが最適)が大事でしょう。
その最適な先生は、親切に丁寧に勉強を教えてくれると思いますが、勉強ができているかどうかを見極めてくれたり、励ましてくれたりする存在です。
週に1度か2度、勉強の躓きを修正してくれたり、叱咤激励してくださることで、子どもはやる気を持続できるということです。
ある調査で、塾や家庭教師で学習している子どもたちの2割しか成績が上がっていないということがわかっているようです。
残りの8割の子どもは、成果があるとは言えないのです。全員の成果が上がっていたら、すごいことになっていますね。
どうして全員の成果が上がらないのか。
家庭学習の量が成果に比例する
塾に通う中学生や家庭教師をつけている中学生が、全員勉強している子どもたちではないからです。
だから、塾に通うだけでは残念ながら成績は上がりません。
2割の子どもたちはどんなことをしているのかというと、家でしっかり勉強しています。
2割の子どもたちは、自分に与えられている時間の中で時間を惜しんで勉強しています。
勉強の成果が上がっている子どもに共通して言えることは、時間を有効に使って勉強していることです。
勉強する時間を決めて、必ず勉強しています。「あとでやる」がないです。
自分をそこに当てはめて実行しています。
ここができる子どもとできない子どもの違いです。
これは、大人の世界にも当てはまりますね。時間を有効に使って仕事をしている人ほど成功しています。
学習の成果は、時間をどれだけかけたかに比例しています。頑張った分だけの成果が出ます。
どうして、そんなに勉強するかというと、どれだけやらないといけないかをわかっているからです。時間をかけて勉強したことで成功している成功体験があるのです。
しない子やできない子は、勉強での成功体験が本当に少ないのです。だから、勉強することに自信が持てません。
勉強できない子が、勉強ができるようになり、成績がアップさせるには、勉強の仕方を変える必要があります。
繰り返し学習を徹底する
中学生で勉強しない、勉強できない子どもには、小学校の学習からのやり直しがどうしても必要です。
学習の基本は、「読み・書き・計算」です。
読めること、書けること、そして、計算力です。
中学生で一年生から躓いている子どもは、教科書をスラスラ読めません。
漢字が書けません。読めません。
計算力は、九九どころか、足し算や引き算もすらすらできません。暗算で計算する力がまだ足りません。
これらは繰り返し学習が足りなかったことが原因です。
徹底することが必要な学習は本当に徹底しないと身につきません。
できるまでやることが基本です。
九九でも、足し算でも引き算でも、できるまで繰り返し学習です。
家庭で学習できる場を整える
テレビをつけたままで勉強なんてもってのほかです。
リビングでやるならば、そのテーブルの上には気が散るようなものは一切おいて置かない。
静かに集中できる場をつくることが大事なことです。
音楽を流しておいたほうが集中できるなら、BGM程度に流してやりましょう。
部屋の中は整然としており、適度に温かみのある雰囲気づくりに心がけましょう。
親が落ち着いているから、子どももその影響を受けるのでしょう。落ち着いた雰囲気の家庭は子どもも穏やかです。
勉強道具は、きちんとそろっていますか。
消しゴムもよく消えるもの。鉛筆も赤ペンもすぐに取り出せること。ノートも必要です。文房具をきちんとそろえることも勉強を大事にしている証拠です。
夕方から勉強することが多いでしょう。ノートや教科書を読むときには、明るさが大事です。スタンドライトなどでしっかり照らすことで集中もできます。
気持ちを落ち着かせるためには、時間の区切りも大事です。
時間を決めて、はじめること。時間来たら、さっさとやめることも、次につながる行動です。だらだらやって、明日の分までやり、明日はお休みでは、習慣にはなりません。
毎日続くための場づくりです。
部活動などで汗かいてきたら、ちゃんと汗を流して、気分良くしてから勉強することも大事です。
勉強は、勉強する前から始まっているということですね。
親が勉強を見守る
勉強をできるようにするには、ちゃんと子どもと約束しましょう。
何時からやるのか、どこでやるのか、何をどこまでやるのか、自立していないのですから、親が見守って、できているか確かめほめてやらないといけません。
勉強部屋があるならば、一人で閉じこもってやるでしょうが、一人だけの部屋は意思が弱い子はすぐに怠けます。見られていることやそばで監視しているから頑張れるのです。
部屋にいても、時々、ちゃんとやって、進んでいるか見るくらいの親の態度が必要です。
子どもに迎合していたら、育つものも育ちません。
親が子どもから嫌われるのを避けていたら、子どもは成長しないでしょう。
勉強を見守るようにするためには、子どもとちゃんと約束することです。
子どもから頼まれたことなどを親が破っていては子どもは信用しない。だから、約束事はよく吟味して、安易な約束はしないことです。するなら、後先考えてどういうことになるか見通し持ってから、約束しましょう。
勉強ができるようになるために、親も一緒に頑張ることをちゃんと話しましょう。そして、親がちゃんと見て、その成果を判断していくことも、子どもとともに確認しておきましょう。
もう中学生なんだから、いちいち親に勉強見せないなんて言う言い草は、成績が上がって習慣がついてきてから聞くことです。
勉強しない中学生が勉強するようになるには、親だけの力では難しいでしょう。
できるようにするための方策をまとめると、
- 塾や家庭教師でよい先生に出会うこと
- 勉強の時間をきちんと確保すること
- 繰り返し学習を徹底する
- 家での勉強の環境づくり
- 親がいつも勉強を見守る
これらのことを、全部やります。めんどくさいと思うなら、もうあきらめるしかないですね。実行する家庭や子どもだけが新たな世界に入っていけます。
結局は、親も子どもも自分次第で状況は変わるということですね。
勉強できないことや成績が上がらないことを叱らない
成績が上がらないのは、勉強不足です。
これから勉強していくのですから、成果は後からついてきます。
成績不振やいくらやってもできない姿を頭ごなしに叱っても何の効果もありません。
自信を無くしたり、ひねくれたりするだけです。
叱っていい場面は、サボっている態度です。一生懸命やっているなら、勉強の成果が出なくても、どんどん励ますことです。
少なくとも、計画したことを実行していないのであれば、成果が出るはずはないのですから、そんな習慣をまた繰り返すなら、そういう場面は注意しましょう。
見ているから、叱れるのです。ちゃんと見ているからこそできることです。
褒めることができるのも、勉強しているときにそばや近くにいて一緒に時を過ごしているからです。それが見守るということです。
見守っているから、ほめたり、注意したりすることができるのだということを大事にしてください。
中学校はテストの成績を上げること
普段の勉強が十分に理解できている中学生は、3割ぐらいでしょう。とにかく、勉強する内容も量も毎日の予習と復習を繰り返さなければ、すんなりと理解することは難しいのです。
そんな状況で、普段も勉強しないのでは、テストでいい成績は取れないことは確実です。
しかし、どこからどこまでがテスト範囲なのかはわかっているので、必死にやればテスト対策ができます。
とにかく、テストで好成績をつなげることがとても重要な中学校生活です。
できない子にとっては、日々の復習も大事なのですが、普段からテスト対策をしていくことがいいでしょう。
勉強はやっても、いつか忘れてしまいます。
ときどき振り返って勉強しないと、使ってない知識は忘れます。
例えば、小学生でも分数の掛け算や割り算をやっているときは足し算引き算は使ってないので、通分をいつの間には忘れている子どもが結構います。
一度身についたことは、ちょっと練習すると思い出します。
こうした繰り返しの勉強をしていくことで、常に覚えたことを思い出しやすくなります。
ですから、普段から過去に勉強した内容を日々勉強していきます。普段からテスト勉強をするのです。
中学生は、テストのための勉強をしていくことがどうしても必要なのです。
教科別の勉強の仕方
5教科の勉強法やそれぞれちょっと違いますが、ここでは、数学と理科、社会について次のような勉強法をおすすめします。
数学について
数学は問題解決です。問題を解くことです。
問題それぞれについての解き方を勉強します。つまり、演習型の勉強です。
これは、学校で使っているワークブックでも、市販の問題集でもいいです。
これらの問題集をその子のレベルに応じて一ページずつ解いていきます。
たいてい、問題集は易しい問題から難しい問題と並べられているので、苦手であれば設問が5個ずつあったら、3個ずつ解いていくとか、全部解く必要はないです。
一ページごとに答え合わせをして、できなかった問題だけ印をつけます。△でも×でもいいです。これは、問題集のその問題に印をつけます。
こうして、単元の問題を一度解いたら、二回目は次の日でもいいので、できなかったところだけ解きます。解ければ〇。だめなら、また二度目の△か×をまたつける。できなければ同じ印が二つになり、できたら、完了するというわけです。
単元の問題はたくさんありますが、できる問題は解かなくていいので、二回目は明らかに解く問題は減ります。
無駄な繰り返しはしない。これがポイントです。
一通り全部〇がついたら、別の日に、もう一度初めから解いてみます。
これも、できなかった△や×がついたところだけです。
こうやって、単元の復習をしていきます。
中学校のテスト範囲は広いので、何でもかんでも全部復習することは大変です。
できないところを絞って、繰り返し練習することで広く満遍なく学習の見返しができます。
それと、テスト前にも、同じように勉強しますが、何度やってもできない難しい問題はこだわらないほうがいいです。
つまり、いくらやってもできない問題は捨てましょう。これが大事です。
できない問題を解くことに時間をかけるよりも、できる問題を確実に解けるようにしておくことが高得点をとることになります。
理科・社会について
この科目は、とにかく暗記です。如何にたくさん覚えているかが重要です。
内容を理解しながら、事柄を暗記していきます。
暗記の科目の勉強の仕方も、問題集を解くことで覚えます。

赤い下敷きと緑の下敷きの使い方はとても簡単。ホームセンターにもこのセットは売られています。暗記するための定番グッズでしょう。
隠して暗記する方法が効果的なのです。親御さんが実際に試してみましょう。まず自分でやる、これが基本です。
その方法がこれです。このやり方をおすすめします。
- 問題集をコピーして、答えのところに赤ペンで答えを書く。(※マーカーペンがよい)
※普通の赤ペンやボールペンは赤の下敷きで隠してもやや見えてしまう - はじめは、問題文を声に出して読みながら、どんな問題についてどんな答えなのかを理解しながら覚えていく。暗記しようとしないこと。理解することに徹する。
- 次は、問題文を読みながら、暗記する。何度も声に出して暗記する。
- 赤シートで隠して、問題に答えながら、答えを見ていく。できなかったら、はじめの問題からやり直す。
- 一通り、一ページ分が間違わないで最後まで正解できたら、赤シート暗記は終了。
- 次は、答えの書いてない問題用紙か問題集を見ながら、ノートに答えを書き出して、答える。
暗記したことを最終的に書いて答えることで、暗記が確実になります。
この方法をこの通りに実施します。このやり方を省略せずに正直に行います。
この方法を使って、理科でも、社会でも問題集の設問に対して、どんな答えなのかを暗記していきます。
まとめ 親が変われば、子どもも変わる
勉強ができない中学生が勉強をするようになるには、いろいろなきっかけがあるのでしょうが、少なくとも子どもだけにそれを願っても状況は変わりませんね。
学校の先生の支えは確かに重要ですが、家庭学習は親が面倒見ないことには改善しません。
親御さんの考えと行動によって、子どもがだんだん変わっていきます。
とにかく、成績アップするには、やり方を学んでやり通すのみです。
大事なことは、徹底して繰り返すことです。
子どももこの勉強法で成果が出れば、自信が持てます。
中学校はテスト勉強が本当に大事です。そして、受験です。
頑張りましょう。行動あるのみです。
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