保護者会(学級懇談会)があるけれど、どんなテーマにしようか?なんてネタに困る小学校の担任の先生。保護者もどんなことを話せばいいのか、子どものことで何か一言お願いしますと突然言われても困ってしまって…なんだか無理やり話してもらっているのも気が引ける。
保護者会(学級懇談会)が終わると、ホッとする教師と急ぎ足で帰っていく保護者。
せっかくの機会なのに、出席が遠のく保護者会になっているような感じ。こんな保護者会を何とかしないと苦痛でしかないですね。
コロナで、こうした懇談会のスタイルも変わり、集まらない方向になっている学校も多くなっていますが、やはり大事なことは対面して話すことが欠かせないでしょう。
その悩みを解決すべく、小学校の保護者会の心構えとともに、一言やネタに困らない方法を紹介します。担任の先生も保護者の皆様ともに参考になる取り組み方をお伝えします。
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保護者会は出席が少ない。出ても得るものがないから⁉
教師も保護者も同じ心境です。
教師も授業研究などで実際に授業を参観します。自分なりにその授業を評価したり参考にしたりして、自己研鑽の場にもなっているのです。
でも、そのあとの研究会はだいたい気が重いですね。何か発言して言わないといけないなあとか、別に言わなくても授業見たからもういいかな。って思いもあるわけです。
ただ、保護者会(学級懇談会)は保護者に学級や子どもたちの様子を伝えたり保護者同士の情報交換の場なので、もっと気楽に話せることが最も大事なことだと思います。
参加する保護者が少ないのは、はっきり言って保護者会(学級懇談会)が魅力がないからです。
さらに、何か言わないといけないことに恐れをなしている方も少なくないでしょう。保護者同士が打ち解けていないこともその要因です。
保護者同士が打ち解けている学級であれば、保護者会(学級懇談会)には多くの方が出席します。また、教師の話も聞きたいという何か教師に期待していることが保護者会(学級懇談会)の出席を多くしているとも言えます。
そもそもそこにかかわる人たちが共に助け合って物事にあたっていくのがコミュニティーの基本かと思いますが、一同に会することすらなければ、先に進まないものです。
保護者会の活性化は教師も保護者もともに盛り上げようとしないとよくなりません。面白くもない保護者会(学級懇談会)に参加して物を言うはずないですね。
保護者会が盛り上がるのは、盛り上げようとしているからです。
例えば、スポーツなどで白熱しているから応援するのではなく、応援するから盛り上がると言われます。それと同じように考えてみたらいいと思います。
お互いに「聞こう・話そう」という気構えがないのに盛り上がるはずもないです。
保護者会(学級懇談会)が活性化するには、行動を起こしていくことが必要です。
それは、教師がまずその先頭に立つことですね。保護者会(学級懇談会)は教師がその運営のリーダーではなく保護者にあるのですが、学校で子どものことを中心に活動する以上、教師は積極的に保護者を引っ張っていくことが大事です。
保護者会(学級懇談会)は情報交換の場です。出席してほしいんです。
強制的に出席することはできないので、出席したくなる何かがないと苦痛でしかありません。そもそも出席者を多くしたいのであれば、宣伝しないとだめです。
宣伝すればしないよりも増える可能性があるからです。
黙っていても集まるのは、何か理由があります。でも、集まらない保護者会は保護者自身にも教師にもその集団にも問題があります。
その問題を解決することは大事なことですが、保護者会に「出てみよう」という欲求が生まれる場にしていかないとだめです。
保護者会に出ない人にはその良さなんかわかりません。出てみればわかります。出ない人よりも出ることがそこへのかかわりなのです。
そんな保護者を教師は有難く思わないといけません。当たり前のように感じている教師のなんと多いことか、保護者会に出てこないのは保護者がいけないという感覚はありますね。それがだめです。
やり方を変えないといけません。保護者会がマンネリ化するのはいつも同じやり方でやっているからです。
担任の先生は、こんな工夫をしてみましょう!
まずは心構えから
保護者に何かをしてもらいたいという気持ちを抑え、こちらからしてあげるという感覚をもとう!
「好きになってもらいたいなら、こちらから好きになれ。」というのと同じ。
さて、まずは保護者会の話題テーマを決める。
学校生活に沿ってもいいでしょうし、子どもたちの成長段階の課題に焦点を当ててもいいでしょう。
もちろん、学校行事の事前指導などもありますので、あまり盛りだくさんは控えないといけません。
タイムリーな話題を計画する
学校生活であれば、生活態度や行事にかかわっての生徒指導上の傾向性というものがありますが、およそ次のようにタイムリーなテーマを決めます。
- 4月 学級ドキドキ大作戦(悩みや期待)
- 5月 担任の思い、親の思い(学級経営)
- 11月 どんなふうに見られているの?(人権教育)
- 2月 わが子の生活習慣、大丈夫?(保健)
- 3月 成長を振り返ってポジティブシンキング(子どもの成長)
ただし、これは保護者会(学級懇談会)をこのテーマしかやらないというわけではなく、その時々の緊急的な課題もあると思いますので、一応こんな感じでやりますね。ということを伝えていきます。
これは、一度ならず、何度でも宣伝していいと思います。
宣伝は多ければ多いほど気にしてくれる人が増えます。一度発行したからいいでは消極的です。
ネット社会でも情報は関心のある物しか見ない聞かない傾向があります。だから、発信しても全員が見てはくれません。
必ず、目に留まるようにするには、見れるようにすることが必要だそうです。
企業や商店では、ダイレクトメールを出します。DMというやつです。これは毎回送られてくるのですが、そのうち誰かが関心を持ちます。関心がなかった人があれ?いつもこれ送ってくるな。こんなことやってんだ。とちょっと記憶に残るのです。
それがあるとき、あっそういえば…と注目されるのだそうです。ネットで広く保護者会の宣伝ができるといいのですがね。現時点では、まだ教育界では規制がかかりそうですね。
いいことは宣伝しましょう。学級だよりなどで何度も知らせていれば、保護者会(学級懇談会)を大事にしていることがだんだん伝わっていきます。
保護者会(学級懇談会)での話し合いの場づくり
ときどき、小グループをその場で作ってそのメンバーで話すのです。少人数だとよく聞きよく話せるようになります。これは確実です。
少人数の話し合いのルールにそって話してもらいます。
- 少人数のグループで話す(3~4人以内)
- 話すときに何度も話す機会を設けるようにする
(順番を決めてその順番で必ず話す) - 語るときに1分以内で話す、時間が来たら、リンを鳴らす
(リンを鳴らす係りはきめておく)※リンは100均で売ってます! - スピードをつけることでワクワク感が出る、待たずに自分の番がくる
- 話す内容に必ず共通のテーマをつけて、そのことは必ず話す
(失敗談、先生にお願いしたいこと、自分の小学生時代など)
保護者の皆様は、話を聞きに来るだけでなく、聞いてもらいたいとか話したいという欲求を持っている方が少なくないと思います。
人の話を聞いているだけだと話し合いには入れないものです。話すから対話が生まれるのであって、そこからかかわりが深くなっていくのでしょう。それが大人の感覚です。
保護者の方は、こんな気持ちで臨みましょう!
楽しいから楽しくなるのではなく、楽しもうとするから楽しめるという考え方
保護者の方は昔のように慣れ親しんだ方たちの集まりではない傾向があるので、他人行儀で硬い感じになってしまいます。
はじめは誰もがそうですが、みんな同じように不安や人目を気にしているので、自分だけではないと思ってほしいと思いますね。
どんなふうに思われるかが気になるという保護者の方が多いのですが、それは本当に気にしすぎです。
そんな方のために恐れながら申し上げます。
その場がそんなに堅苦しいのは、みんながそんな顔をしてその場にいるからなのです。あなたも顔の表情や態度がみんなや周りを暗くしているのですよ。
明るいから明るくなるのではなくて、明るくしようとするから明るくなるのです。
だから、一人一人が下を向かないで、お客様に接するように柔らかい気持ちでその場にいることが大事なことかと思います。
保護者の方々が話すことはホッとする話題がいい
人前ではどうしてもいい話をしないととか、話が上手じゃないからとか気にしてしまいますが、みんなが保護者会でほっとするのは、自分も同じだなという共感です。
共感するからその人に心が寄っていくのだと思います。
失敗したことやうまくいかないこと、悩んでいることなどを話せばいいのです。格好つけないと相手も安心しますね。
保護者会では、飾らないほうが気分が楽です。
- 雰囲気が暗いのは、自分も暗くしているかもしれないこと
- 自分だけではなく、みんなも同じような経験をしているから遠慮なく話そう
- できれば失敗談や悩み事を話そう。失敗談は共感を呼びます
ネタはいくらでもあります
保護者会(学級懇談会)は何かを解決することが目的ではなく、情報交換の場です。
情報がなければ意味がないのです。
情報はとにかく一人一人が話すことです。相手に伝えることです。
だから、保護者会(学級懇談会)は、お互いに話して帰ってもらうことがとても大事な時間になります。
聞く人は良く話すといいますが、話すと相手の話も聞く気になるものです。だから、話しやすい話題(ネタ)が大事です。
ネタだけで小学校の保護者会は変わるかもしれないので、いくつか紹介します。
- 宿題のさせ方
- 朝食の準備はどうしているの
- ゲームのさせ方は?ルールとかある?
- お小遣いのありなし どうしてますか?
- 仲間外れについて、こんな時どうしてますか?
- 思春期を迎える 性教育について
- 学校に物申す これって何とかならないの⁉
- 万引き防止について
- 携帯・スマホの所持について
- インターネットと事件
- 読み聞かせしてますか?
- 塾通いやお稽古事どうしてますか?
- 休日の過ごし方と子どもとのかかわり
- 家庭でしている生活ルール
- お手伝い何かさせていますか?成果は?
こんな話題を少人数でやると、だれでも一言は話せるという内容です。話題のハードルを上げないようにして、雑談ぐらいのネタがいいのかもしれません。
話してみたい話題(ネタ)を保護者からアンケートで取ってみることもいいでしょうね。担任が学級のことに奔走している割には、子どもたちや保護者の関心に気づいていないなんてこともありますので。
まとめ 来てくれた保護者に来てよかったと思われるように
懇談会の内容は来てくれた方しか実のところ分からないものです。
まずは出席してくださった保護者の皆様にやっぱり来てよかったと思われる会にしていかないと意味のないものになります。
だから、来られなかった方はさておき、出席された方が満足するものにしていくことが第一です。
ということは、出席者が多かろうが少なかろうがその方々が満足して帰ることが重要ですね。
懇談会で一言話したことで人はかかわりを増します。かかわりが強くなると仲良くなります。打ち解けていきます。安心します。
話しやすいネタをもとにして保護者の皆様が安心できれば、担任の先生にとってもうれしいことです。
小学校では、保護者が和気あいあいとしている学級ほど子どもたちもよく学び仲良くいい傾向であることは言うまでもありません。
保護者の方々の関係がよくなるためにも保護者会(学級懇談会)は存在します。
だから、どんな状況でも来てよかった会になるようにいろいろと工夫してみましょう。枠にとらわれずに保護者の皆様をお客様のつもりでもてなしができたらいいですね。
いいことならば、口コミで広がります。
学級懇談会の最後にはきちんと担任からのコメントして、ちゃんとお礼をすることです。
できれば、笑いの一つでもとれる話でもできたら最高です。
本来ならば、みんなで集まって井戸端会議するようなものだったはずです。
でも、時代が違います。あの手この手で保護者を引き込むそんな時代です。
担任の先生や役員の皆さん。やるからにはまず自分たちが楽しむ⁉ことが大事ですね。自分たちもやってよかったってなることは間違いないと思います。
小学校懇談会で話すことや学級懇談会ネタがない⁉困らないアイデア教えます!のお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
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保護者会でサイコロトークをしてみたいと思います。新たな試みです。
繰り返し、担任に不信感を伝えてくる方がいる中、滅入っています。
コメントありがとうございます。保護者会を何とかするためにはこちらから動くこと大事だと思います。考えているだけでは何も変わりませんから。私の経験など参考にはならないかと思いますが、
10人のうち3人ぐらい自分を信用してくれる方がいればいいと教えられてきましたから、不信感を持つ人を変えることに力を注がなくてもいいと思います。まあ、放っておいても気になっちゃうのですがね。
だから、こちらもテンション下がりますね。私は現役時代なかなかプラス思考ができなくて、悩みかけたことがありますが、ある本を読んで気にしなくなりました。
その本は「小さいことにくよくよするな。所詮すべては小さなこと」という本です。すみません。気休めにもなりませんね。とにかく、動いていればそのうち必ず変化していきます。
返信、ありがとうございます。
私はある保護者からの心ない言葉から抑鬱状態です。毎日、抑鬱の薬と、保護者会前には頓服薬を飲んて、なんとか戦っている、といった感じです。
以前、保護者会では集中攻撃されたこともあり、トラウマになっています。
中堅の立場でこんな状態、お恥ずかしい限りですが、私の言葉は、子供にも保護者にも通じていないようです。