
授業は人の話を最後まで黙って聞くということができる学級集団になっているかどうかが大事。
授業中の私語がうるさいことで困っているというクラスがあります。困るというのはすでに何度も続いているという状況です。
これは、小学校でもどんどん状況が悪くなる一方で、放っておいたら学級のルールがなくなり、学級崩壊につながる可能性があります。
授業中の私語がうるさいのは、今すぐにでも手を打っていきましょう。
少し時間はかかりますが、確実によくなります。
小学生授業中うるさいのは、どうすればいいのかだけでなく、どんなふうにとらえていけばいいのかなどを紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
関連記事:小学校の学級崩壊の原因と対策!立て直しの方法や保護者の役割とは?
どうして授業中の私語が絶えないのか?
授業中の私語が絶えない。その要因は二つです。
- 一つは社会性が身についていない子どもたちであるから
- もう一つは授業がつまらないから
確かに最近の学級では私語とかおしゃべりとかを越えて深刻な状況もありますが、私が教師になりたての頃でもうるさい学級や崩壊した学級はありました。
中学校の授業参観でもかなりおしゃべりがうるさくて、先生の話なんか聞いてない学級結構ありましたね。
そんな学級はどことなく先生が子どもたちを迎合しているような印象を受けました。
中学校が荒れていたのもこの頃です。校内暴力という言葉が生まれた頃です。
小学校の時代はとにかくきちんと指導するのが当然で子どもたちも先生の言うことが第一の時代でしたから。
その指導法が子どもたちにプラスになったりマイナスになったりして、子どもは確かに先生の影響を受けます。
いいことは時間がかかりますが、楽なことや乱れることに流されるときはあっという間です。
指導者の姿勢や態度が一貫してぶれないと、子どもたちもいい意味で緊張感を持っていますが、教師がブレると何でもありって感じの子が出てきます。

それがサインなので、教師は足元をちゃんと見ないといけないのですが、教師がブレているときは自分のことに精いっぱいで子どもの変化に気づけないことが多い。
子どもたちの性質というものは昔に比べ大きく変化しているわけではなく、どんな人と生活しているかどんな環境にいるかで決まってくると思います。
学校は教職員が協力し合って学校を運営していますが、学級を経営していくことや授業を実践していくのは一人の教師です。
子どもたちは自分達にもっとも関わってくる担任教師から影響を受け、もうひとつは学級の仲間である学級集団から影響を受けます。
つまり、人と環境に大きく左右されるといっていいと思います。
授業中の私語がうるさくて大変なのは、子どもだけに原因があるのではなく、授業者である教師に原因があるのではと第一に見返すべきです。
授業中の私語が絶えないのはその時間を計画する授業者の姿勢、授業内容、子どもたちの学習環境と多角的にその原因をとらえていく必要があります。
どんな状況でも子どもたちがどうしてそうしてしまうのかを指導側からとらえていくことが問題の解決になります。
教師の態度を見直そう!原因は教師にあり⁉
教師が子どもに信頼される関係になることがすべての土台です。
そのためには、次のような教師の姿勢が大事です。
- 時間を守ること…授業の開始と終了をきちんと守る
- 決めたことは必ず実行する…どうでもいいことでも必ずやること
- 叱るべきことは叱る…子どもたちはちゃんと叱ってくれたと、みる
- 子どもたちにすぐに成果を求めない…根気よく待つ忍耐力が必要
- 新しいことに挑戦し続ける気持ちをもっていること
- 年齢が高くなるほどきちんとした服装を心がける…いつも格好良く
以上の姿勢は学級が始まる4月の段階で実行していくことが必要なものがほとんどです。
こういったことが、授業中の私語を減らし、授業に集中できる学級集団を作っていきます。
何事もはじめが肝心なので、子どもたちにはじめからどうでもいい雰囲気を持たせてしまうとそれを修正するのには相当な時間と労力が必要となります。
学級経営の基本中の基本です。
関連記事:小学校4月にやることはこれ!行事・授業・学級づくり
授業の進め方を見直そう
リズムのある学習を作る
小学校だからこそ、授業を大事にする子どもたちにしないと後々大変です。
授業の時間になったらすぐに始める。
遅れている子がいても待たない。
遅れたことをいちいち注意しているとまじめな子まで迷惑します。
真面目に待っている子を待たせないことが大事です。
授業の進め方で子どもたちが集中できるのは、退屈しないことです。全部できなくても時間が来たら、次のことを始めます。
ここで大事なことは、できない子の指導を重視する。できる子は自分でどんどんできますから。
全員が同じことを同じ量できるなんてことを目指さない。
子どもの学習レベルに応じてどこまでできるかを評価してやることが大事です。みんなが同じようにできなくてもいいのです。
時間内にさっさとできるように習慣化していけばいいのです。量は関係ない。
だから、たとえば、練習問題をどんどんやるような算数の場面では、できる子はどんどん先に進みますから、終わったら自分で答えを合わせて、次に進めるように決めておけばいいのです。
いちいち、先生が答えを見ていると、それを待たされる子どもたちが出ます。それが、私語の場面を作ってしまいます。
教師一人でみんなを見るのは、限界があります。
子どもたちも学習の仕方を学び、自分で進んで学習することができるように指導していくことが必要です。

これは、時間がかかることですが、授業のなかで繰り返していけば子どもたちはそのスタイルになれます。これを意外とやっていない先生が多いです。
全部自分でみるとか、丁寧すぎるとか、やっていることは間違っていないのですが、流れが非常に悪いのです。だから、子どもたちの集中が途切れるのです。
学習するためのスキルアップを心がける
私語が出るのは、退屈だからとか、わからないからです。特に、学習が苦手な子ほどできるようになることを望んでいますが、わからないものはできないので面白くないのです。
しかし、できる子にしてみれば、簡単すぎておもしろくない。もっと難しいものを望んでいます。終わると暇になって、しゃべりだす、うるさくなる。悪循環を生みますね。
こうした学力差がある中で、いかに退屈にならないように授業を進めていくかが大事です。
まず、レベルは下げすぎない。むしろ難しいほうがいい。でも、頑張ればできる内容にする。
難しいことも何度も繰り返して学習すると楽になってくる。やり方がわかると自分の力でできるようになるのです。
始めるときは難しいことでも、練習したり時間をかけて取り組んだりするとできるようになります。
繰り返しの学習を授業の中で実践し、学習が自分の力でできるようにさせてやることです。
学習内容が多くなって、急ぎ足の授業が多くなりましたが、そのために何をどう学んでいくのかという方法を教えることが少なくなっています。
何でもかんでも、教師が手とり足取り教えないとできない状況があります。上の学年になってもそんなことも経験がないのかという実態で、レベルの高いことができにくくなっています。
学習するためのスキルが乏しいので、様々な学習に対応できにくくなってしまうのです。
これも自分一人でちゃんと勉強できる力をつけさせてきていないことが原因と考えます。
そこで、次に挙げることを早いうちからやらせることで自分で学習できる力が身につき、学習する力がついてきます。
- ノートの取り方を丁寧に教える…何をどんなふうに書いていくか。国語でも算数でも社会でもきちんとノートに書くことができるのは大きな学力です。
- 漢字練習の仕方をノートでやる…べた書きだけではない方法があります。
- 読んでまとめる方法…樹形図方式など様々あります。面白い。
- 辞書の引き方…一年生から国語辞典を使うことがいい。慣れは最大の学力
- 聴写…聞き取りながら書くこと
- 視写…教科書の文章をそのまま写し書きする
これらのことはほんの一部ですが、これらの学習活動は面倒なことなのですが、それは慣れていないから時間がかかってしまい嫌になるのです。
これらのことを学校の授業で学校生活の中で繰り返し実践し、慣れさせていかないとできるようになりません。
だから、やりたくなくなるのです。
慣れてしまってすぐにできるようになっていると、学習を支える力になります。
子どもたちが学習に集中できないのは、学習するためのスキルが育てられていないことも大きな要因なのです。
プリント学習とか問題ばかり解くとか手っ取り早くて楽なのですが、こればかりに頼っていると、子どもたちの学ぶ力が衰えていきます。
学習するための技能をちゃんとつけてやることが、集中してできる子どもを育てると思います。
授業のゴールは何かを知らせる
授業で子どもを安定させない限り、学校生活の安定はないと思わないといけません。
教師は、授業でどんな計画で何をしてどんなねらいでやるか、わかっていますが、子どもたちは意外と知りません。
どこまでやるのか先が見えないから気持ちが乗らないので、私語が出る原因です。

今日の学習は何をどうするのかを授業の始めで、きちんと子どもたちにつかませることが必要です。
今日は、何を学習して、どんな練習をして、どこまでできるようになればいいのかを具体的に話すことで子どもたちは何をすればいいかがわかれば、動きやすいということです。
何をしていいかわからない状態は集中できないですよね。
集中できない子どもはいつまでやるのという気分になります。苦手な子はやりたくないので、いつ終わるのかが知りたいのです。でも、そこまでやればいいのかということがわかると頑張ろうという気持ちになります。
これは、私たち大人も同じ。今日の仕事は何をどこまでやるのか。何時までに何を仕上げるのか。こうした小さな目標とゴールがはっきりしていると、人は行動しやすいです。
教室環境を見直そう
学習のための教室の環境と自分の身の回りの環境を整えることが必要です。
- 教室にごみなど落ちてなく、きれいで整然としていること。
- 教室内のものがあるべき場所に整然と置かれている
- 壁の掲示物が適切で見やすく、気の散らない黒板周りになっている
- 机・椅子の高さがその子の体に合った高さに調整されている
- 筆記用具がきちんとそろっている…鉛筆、消しゴムは使いやすいか
- 自分の周りの友達が落ち着いて学習できるメンバーになっている
- 余計な学用品は持たせない、使わせない
これらのことは、子どもたちにできるようになるまでは、教師が何度もよさを認めたり、指摘をしたりしていきます。
教師が番人になって、取り締まることも大事なことです。教師自ら大事にすることが子どもたちに伝わります。
子どもたち自らが教室環境を大事にするようになってくると、物を大事にしたり、気持ちが落ち着いたりできるようになっていきます。
勉強できる子どもにするために、風水を活用すると、どんな部屋にすればいいのかわかります。その中で重要な改善があります。
それは、掃除をすること、整理整頓して、使いやすい場所にすることです。
関連記事:小学校の教室環境づくりは整理整頓と収納につきる!風水も重要⁉
思い切った学級経営で根本を直す
子どもたちが本当に何を欲しているのか、何が子どもたちに足りないのか、教師にもよくわからないことはあります。
教師も子どもたちとともに探りながらの日々です。
結果が変わらないのは、いつも同じようなやり方でしか対応していないから。だから、子どもも変わっていかない。
思い切った取り組みが必要になることもあります。それが、すべてをよい方向にしてしまうこともあります。
そんな一つを紹介しましょう。
動物を飼うことでした。
教室で猫を飼い始めました。なぜか、授業は集中できるのです。
ある先生は、ミニブタを学級で飼い始めたら、子どもたちが仲良くなり、友達同士の争いが減り、お互いを認め合うようになっていったそうです。
授業でも集中するようになり、私語がなくなり、学習も進んだそうです。
何が子どもたちの生活や思いを変えるのかわかりません。しかし、教師がその信念を持ち、変わろうとしていくことが子どもたちを変えていくのだと思います。
まとめ
経験をもとにお話しさせていただきましたが、自分自身子どもたちに寄り添える指導ができたのかと自信はないです。
クラスが変われば、同じ指導でも通用しないことはたくさんありました。こちらが同じ姿勢では子どもたちに対応できなかったのです。
やはり、教師自身が動かないと子どもも動きません。変わる努力が必要ということです。
大人ですし、立場も上ですから、どうしても教えるとか指導とか、そういう感覚になってしまったことを反省しています。やり直せるならやり直したいです。
小学校の授業中に私語がうるさいので学習にならない原因は、教師の姿勢一つで変わってきます。小学校でも教師の姿勢を子どもたちは見ています。
まずは、教師の態度や考え方を変えましょう。
- 教師は子どもの見本に
- 授業の進め方の注意点
- 学習スキルをアップさせる
- 教室環境を整える
- 思い切った活動を取り入れてみよう
子どもが授業中集中し学習できるようになるためには、以上のことをポイントにしてみることを紹介しました。
小学生授業中うるさい‼私語うるさい!おしゃべり指導はここが大事!のお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
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