組体操の大技よりも組まない組体操の時代!?運動会の組体操にこだわる指導を紹介

運動会の組体操は、危険を伴うことが大きく取り上げられ、今ではどんどん縮小されている状況ですが、それは、ピラミッドとかタワーといった大技が巨大化し、難易度や危険性が高いことが要因です。

以前の組体操はそんな大技がなくても十分に表現できましたし、子どもたちも乗り越えられる内容でした。

組体操の本来のよさを大事にすることで、安全で子どもたちもやりがいを感じる組体操ができると思っています。実際に、そうした組体操は多く存在します。

組体操は小学校の集団生活を原点としている現在において、そのよさを多く発揮でき、ともに創り上げる感動を与えていくことができる取り組みだと思います。

運動会ははっきり言って、結果です。結果が勝負なのです。過程が大事なんてことは当然です。そのうえで、結果が出なければ教育は成り立ちません。結果とは、成功ではなく、感動を与えらえれるかということです。

そのためのポイントは下の3つ。大技だけよくても組体操にはなりません。

  • 組体操は集団演技…そろっていなけりゃ美しくない
  • 組体操は難度よりも完成度…できないことはやらない、できる技の完成度
  • 組体操の大技はカタルーニャ式ピラミッド…全員で作る大技は見栄えが一番大事

感動を与えることできる組体操について、そのポイントを紹介します。まだまだ組体操ができる学校なら参考になると思います。

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組体操は集団演技…そろっていなけりゃ美しくない

運動会の組体操といえば、花形種目です。毎年期待されているだけに、応援してくださる保護者も観客も注目の的です。どんな演技をしてくれるのだろうと期待します。

ところが、昨今の組体操への賛否が指導者の方針を変えています。しかし、難しい組体操をしてみんなを感動させたいという子供たちがほとんどなのです。子供たちもそんなことを肌で感じ、ぜったいにいい演技をして感動を与えたいと思っています。

組体操は個人技から大技まで様々ですが、すべての基本は、技を作っていく一つ一つの動きがそろっていることです。結果として技ができれば良いというものでは感動はあまりありません。

組体操の動きをそろえるためのポイントは次の通りです。

  • 気をつけの姿勢を練習する…指先を伸ばし、動かない※これが一番大事
  • 場所の移動は駆け足、位置についたらすぐ気をつけ※これの繰り返し
  • 笛の合図で移動と気を付けがピタッとできるまで練習する
  • 技を作っていくときも、動いたら止める※止まっていることがとても大事

組体操の基本は、いわゆる静と動です。子供たちはそろっているかどうかを自分たちでとらえることが難しいので、指導する側が子どもたちの姿を見てできている点を絶えず褒めて、どうすることがよいのかを教えていく姿勢がとても大事です。

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組体操は難度よりも完成度

組体操は一人技から大技まで様々ですが、子供たちの実態によっては、難度の高い技を選びたくなるものです。

簡単にできるものは得てして感動は与えられにくいです。しかし、難しい技は予想以上に練習時間が必要になり、組体操の完成は難しくなるばかりです。

そこで大事にしたいことが、完成度です。

楽な技でも完成度を上げることができます。それは、技の美しさです。この美しさが感動を呼びます。

時間がかかって技が完成するということは、それだけ体力を消耗します。筋肉もかなり疲労します。組体操の演技時間を考えると、演技のあとにくる大技では余裕をもって演技させたいものです。

完成度の高い演技は時間がかかりません。

組体操の技の完成度を高めるためには、とにかく練習あるのみ

  • 完成度は、時間です。速く完成できるということはとても大事
  • 組体操の技はコツ。コツを子どもたちがつかめるように教える
  • 子ども同士で教えあうことも割とうまくいく
  • 二人以上の技は無理なくできる相手と組ませる。この組み合わせがとても大事

組体操の技ははじめからできるものではないけれど、体格やその子の性格などを考慮してメンバーを組むことで、意外と完成してしまうものです。このメンバーを決めるのは、教師ですが、子供たちの声も参考にしましょう。

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組体操の大技はカタルーニャ式ピラミッドが意外に安全 そして感動

昨今の組体操で危険は大技が多く取り上げられ、大技はかなり縮小されてきたと思いますが、やはり、組体操では、全員で大きな技をして感動を与えたいという思いを子どもたちも持ちます。

そこで、この大技のピラミッドを紹介します。

それは、カタルーニャ式ピラミッドです。

このピラミッドの一番の特徴は、ひざと手で乗るのではなく、足と手で体を支えるところにあります。ピラミッドは安定しないということが危険の要素になります。6人で作るピラミッドも、巨大ピラミッドも崩れやすいのですが、それは、安定性が不十分だからです。

このカタルーニャ式は、腰に足で乗り、それも立つように乗るので安定します。足の位置も相手の腰の位置なので、背中に乗る不安定さは解消されます。

これは、ある小学校の80人ピラミッド ここに見えている子どもたちだけで組んでいます。後ろに隠れている子はいない、一列のピラミッドです。

この画像でその様子をご覧ください。これが、カタルーニャ式のピラミッドです。このピラミッドは、全員の顔が見れます。技を作っていく様子をご覧ください。

この画像ではマットを敷いてやっていますが、私の実施した学校では、長ズボンをはいて組体操をするので、マットは使用しません。何の問題もなくできました。

 

このピラミッドは、ほとんど見かけません。このカタルーニャ式ピラミッドは、次の年もこのピラミッドをやりたいと一緒にやった5年生が担任にお願いしたほどです。

このピラミッドはいままでまず見たことがなかったのでしょう。そして、意外に高いこと、巨大ピラミッド並みですが、安定感が抜群なのです。さらに、全員の顔が見えて、演技している本人たちも観客の様子や反応を見ることができるのです。

このカタルーニャ式のピラミッドの組み方は、上記の動画を見てください。ポイントは、

  • 腰の上に乗る  全員が足で乗るので安定する
  • 乗っていくときには乗られる人はひじやひざを曲げるが、乗り込んだ時には腕も足も伸ばすこと
  • 上のほうに乗っていくときには、乗られる人がしゃがみ込むようにすると上の人が乗りやすい
  • 教師が上に乗る子をどんどん介添えすることは必要

サーカス団が三角形のこのピラミッドを作っていますが、子どもたちでも三角形のものは非常に作りやすいです。

しかし、横に長く作ることができると見栄えが違います。全員の顔が見えることが今までの巨大ピラミッドと異なり全員が主役になります。

まとめ

  • 運動会の組体操は、演技の美しさが大事
  • 楽なものでもいい、完成度を目指そう
  • 基本は、気をつけの姿勢。 動きを止めることがポイント
  • 手の先、足の先を伸ばして演技
  • 大技はカタルーニャ式ピラミッドが意外にうける

一度だけの演技である運動会の組体操。ドラマがあります。子どもたちが必死になって演技するに値する技を教師も必死で教えていきましょう。

たかが運動会の組体操、されど運動会の組体操です。感動のある組体操は、同僚の教師、保護者、地域の皆様、何よりも演技している子どもたちに確実に評価されます。最近の運動会の組体操は、かなり感動からは遠ざかる傾向にあります。どうせやるなら、安全にそして感動ある組体操を。

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