合唱曲が盛り上がる高学年は選曲がすべて!音楽会の成功法を紹介

 

音楽会は何と言っても合唱の力がその学年の成長の姿を表すといってもいい

子どもたちが頑張る姿は感動しますが、素晴らしい演奏はその感動を何倍にもしてくれます。

音楽会は運動会と比べるとその指導はより専門的で、歌うことや楽器を演奏することは、日々の練習や努力がかなり必要です。

その中でも、特に担任が苦手と感じるものが、「合唱」の指導です。

子どもたちが集団で歌う合唱は上手に演奏できると本当に感動します。合唱のいいところは歌うという人間の声の響きです。音楽の音の響きの中で歌うことの美しさを感じるのがこの合唱ですね。

小学校の音楽会の成功は、選曲とともにその合唱曲をどれだけ上手に演奏できるかにかかっていると思っています。

さらに、いい合唱曲はいくらでもありますが、選曲によって子どもたちの力が発揮されたりされなかったりします。当たりの曲をみつけられたら成功にかなり近づきます。

音楽の専門でもない担任でも合唱練習などの取り組み方が音楽会の成功に影響します。音楽会は音楽の先生に任せておくだけでは成功しません。

学級担任としてどうやって音楽会を成功に導くかをおすすめの曲を紹介しながら、お話していきたいと思います。

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音楽会の成功は結果が大事

音楽会は学年で取り組む運動会と異なり、学級での発表ですからその学級の力が見られるといっていいでしょう。

こんなとらえをすると、音楽が苦手な先生や若い先生方は抵抗があるかもしれませんが、きちんと発表する合唱曲を選曲することができれば、成功は7割つかんだと思ってください。

小学校の音楽会の成功には合唱曲の選曲がとても重要です。

なぜ選曲が大事であるかというと、それは成功することが音楽会では必要だからです

ここでいう成功とは、その曲がその子たちが演奏して誰からもよかったといわれることです。

先生がほめてくれたといういわゆる身内がほめるのは当然です。何と言っても、小学校の音楽会は教育することが目的であり、結果よりもその過程を重視することでその成長を評価しているからです。

しかし、現実はそんなことでは満足しません。

親などの第三者が感動してくれることがとても重要なことです。

子どもたちも自分たちの先生がほめてくれるよりも、いろいろな人たちから評価されることがより本物に近いことを感じます。

身内は慰めてくれるから、失敗しても褒めようとしますね。その誉め言葉は慰めです。

失敗してしまってはダメなのです。音楽会の演奏はたった一度だけなのです。その一度の演奏をごまかしなく成功させることが音楽会の存在理由でもあると私は思っています。

この音楽会の成功にそんなにこだわるかというと、この成功によって子どもたちも自信をもつこと、担任も自信を持つこと、そして、保護者からの信頼と子どもたちからの信用をもらうことができるからです。

では、音楽会の成功は選曲が大きく影響しますが、その成功を支える大事なポイントを説明していきます。

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成功させるためのポイント

学級の実態をとらえ、音楽会の目標を決めよう

音楽会の選曲にも大きく影響する学級の実態です。

  • 仲のいい学級か
  • 男女も仲がいいか
  • 歌う時に大きな声が出ているかどうか
  • 人前ではずかしがらない子どもたちは多いか

歌える子どもたちが多ければ、当然、合唱は成功しやすいですが、歌える子どもが女子だけとか数人しかいなくても、男女の仲がいいとか学級がまとまっているとかならば、練習もしやすいです。

何よりも協力できる学級は、やる気スイッチが入ると集団が一つになって、できなかったことでもできてしまうことがよくあります。

つまり、一人ではなかなかできないことも、みんなで取り組むとできるようになる「学びの集団」になっていると、音楽でも大いにその力を発揮しますね。

仲が良くない学級や歌うことが苦手な学級の場合は、音楽会の目標を持たせることです。

音楽会の成功のために、何のために音楽会をやってどんな結果を求めるかをきちんと話し合って、子どもたち一人一人がその目的を理解することが必要です。

そのうえで、どんな練習が必要なのか、何を頑張らないといけないのかを教えていきます。

音楽会は音楽を演奏し聴き合う音楽だけのねらいではなく、音楽会を通して何をできるようになりたいのかという目標がとても大事です。

たとえば、学級のまとまりとか、協力とか、聴いてくれる人にどう感じてもらいたいとか、何を伝えたいのかとか、一人一人の目標も大事ですし、何よりもみんなで演奏するのですから、学級としての目標は欠かせません。

音楽会の目標は最低でも一か月前にはできているといいです。

一か月は子どもたちにとっては長く感じます。しかし、それ以上長くなると、まだ意識が上がってきません。本当はもっと長く3か月ぐらい前から準備しないといけないのですが、学校もいろいろな行事があるのでこの1か月が目安ですね。

音楽会の目標が決まったら、それを言葉に表して教室に掲げることも必ずやりましょう。いつも目に付くところに掲げることで、子どもたちに音楽会への意識を持たせる、ささやかな手立てです。

この音楽会の目標を立てることはやる気のある学級でも実践していきましょう。集団で何かを成し遂げるには全員が同じ方向を見て歩まないと成果は出ませんから、目標を持つことはとても大事です。

音楽会の選曲は子どもに選ばせない⁉

小学校の音楽会の選曲を子どもたちさせることは避けたほうがいいです。教師の観点を子どもたちに同じように与えてもそもそも経験が違うのですから、大人がやるべき仕事を子どもがするようなものです。

音楽の先生の方針を取り入れながら、いくつかの候補を決め、その中から選択させるという流れならば選曲ミスはないでしょう。

音楽会の選曲については、どんな力がないとその曲を完成させることができないのかとか、学級の歌うことに対する意欲はどのくらいあるのかなどを十分理解している先生方が選ぶほうが何といっても確実です。

聞いて感じる曲のよさと歌って感じるよさは違います。子どもたちがそれを判断して選ぶことは難しいです。

音楽会はその学級の子どもたちに特別な理由がない限り、担任が曲を選んでいくのが妥当です。

子どもたちの好みは様々なのですから、子どもの好みで考え出すときりがないですし、歌いたい歌と歌える歌は違うので合唱の実態を把握している先生方に任せることが賢明です。

選曲で失敗したことが何度かありますが、その失敗はレベルに合っていない曲を選んでいたことです。そもそも半年も前から練習する学級は少なく、ほとんどの学級が2か月ほどの期間で完成させるのですから、難しいものを選ぶと、かなりの確率で未完成の発表になりますね。

それよりも、しっかり歌える曲を完成度を高めて発表するほうが、感動が全然違います。

どんな歌でも歌いこんでいくとだんだん好きになっていきます。それが合唱指導でもあります。

音楽会を大成功で終わらせることが指導者の責任です。その責任を果たすためには大事なことが、「何を準備するかということ」です。

その一番大事な準備が、選曲です。

音楽会は、選曲で7割成功するといっていいでしょう。

とにかく毎日練習

音楽会の演奏は合唱だけでなく、合奏もやる学校もあるでしょう。そうなるとどちらも練習する時間が必要です。音楽の時間だけでは完成は無理です。

音楽の時間は普段練習が十分にできない合奏に重きを置くために、合唱は学級での練習が基本です。

合唱だけの音楽会でも、学級でしっかり練習してないと歌声は伸びません。担任の意気込みがどのくらいあるかで、子どもたちもそれに引っ張られて歌うのです。

担任としては、練習する時間を毎日設定することが大事なことです。

やはり、きちんと時間を作ってやってその時間の中で集中して練習する。そんな場を設けるのが教師の務めです。

担任として毎日できることは、練習の時間を確保することです。練習の時間は授業を削ることはなかなか難しいので、朝の会の時間や授業をちょっと早めに終わらせて練習するなどします。

練習の時間を時間割に入れることです。予定表にも書き入れておきます。突然練習するというのは意欲がなくなることが多いのでやらないほうがいいです。

予定した以上、確実に練習をします。やったりやらなかったりは進歩しません。

最低でも、音楽会の一か月前から取り組ませます。

歌は顔で歌う

音楽会の合唱練習というとどうしても声にばかり注目しがちですが、歌は顔の表情がとても大事です。

大きく口を開けさせることは合唱指導では大事なことですが、なかなか口が大きく開きません。大きく口を開かせることよりも大事なことがあります。

それは、言葉をはっきりと発音させることです。

あ・い・う・え・お の母音の発生の時の「口の形」や「唇の動き」を一人一人確認させましょう。この口形を意識させるだけでも発声に影響します。

よく口が動くことが合唱では大事なことで、ぼそぼそ歌っている合唱は声なんか出ていません。はっきりと歌えないのは何かほかにも原因があるのでしょうが、まず、歌い方を練習させていくことが必要です。

その音楽会の練習のはじめに大事にしてほしいことが、歌っている顔です。

この歌っている顔は、よくみるとちょっと変な顔に見えることあります。大きく口が動くことで顔つきが変わるのです。それを「歌顔」と私は呼んでいます。

口が大きく開くときに眼も一緒に大きく見開くのです。しっかり発声できている証拠でもあります。

顔の動きが見られる子どもは大抵よく歌えているといって間違いないです。

NHKのコンクールなどに出場するレベルの高い合唱団では、この歌顔がよく見られます。動画や画像でその顔つきを真似させることもしました。

歌うことだけではなく、顔とかからだとか全身を使って歌うことが必要であることを少しずつ教えていきましょう。

Nコンを見せよう

小学校の合唱の究極の姿はNHK合唱コンクールだと思います。

でも、普通の学級の子どもたちが同じように歌えることはまずありえません。けれども、同じ小学生ですから真似をすることはだれでもできます。

その真似とは歌っているときの表情や口の動きです。

合唱はこんなふうに歌うのが理想なのだということが分かればいいと思います。

クラスの合唱でよく見られるのが、

  • 顔の表情が硬く
  • 口の開きが小さく
  • ブレスも弱い

ということですが、自分たちの姿をあまり見ることがないので歌っている様子を撮影して見せてやることは必要でしょう。

子どもたちも実際の自分の姿を見ると大体その欠点に気づきます。

何がよくて何をもっと頑張るほうがいいのかをはっきりさせて練習したほうが、子どもたちも練習に取り組みやすいし、集中できます。

音楽会の練習はとかく歌うことばかりに集中しますが、合唱への意欲付けや練習の目標を持たせたりすることが必要です。

NHKコンクールの映像を見たり、自分の歌う姿を見せたりするなどいろいろな手立てを講じて楽しく合唱に取り組ませましょう。

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おすすめの合唱曲はこれだ!

私のおすすめの合唱曲で一番のおすすめは…

「cosmos(コスモス)」です。

説明抜きでとにかく聴いてみてください。

youtubeより

cosmosの指導ポイントです!これが効きます!

この指導の仕方をその通りにやってみてください。かなりの確率で見事な合唱になります。

ただし、それはしっかりと声が出て、歌う気持ちがある学級の子どもたちでないと効果はありませんよ。

この合唱曲のcosmosは、二部合唱のハーモニーが本当によく表れます。

はじめて二部合唱に取り組む曲としても適切だと思います。特に5年生にはちょうどいいかもしれません。

もちろん、高学年ですから6年生でも合同音楽会などでもよく歌われていましたね。

この他のおすすめの曲です

My Friends (マイフレンズ)

こちらのyoutubeの動画ご覧下さい。中学生です。

楽譜は手に入りにくいのかもしれません。探してみてください。一応、音源はAmazonで売られています。

マイフレンズ音源150円

このマイフレンズは、もう20年以上も昔の歌ですが、私はこの曲をある市民ホールのこけら落とし公演で聴きました。

ある合唱団(女子ばかりの少年合唱団でしたが)がいくつかの曲を披露してくれました。そして、このマイフレンズをエンディングで全員が正面を向き、振りをつけて指揮者なしで歌ったのです。感動モノでした。

飛行船

これも30年近く昔の曲ですが、メロディがいいですね。小学生には合っている歌詞の内容もおすすめの部分です。

飛行船 参考音源

同声二部と混声三部がありますが、人数が多ければ混声三部のほうが音の広がりがあっていいと思いますね。

飛行船の指導ポイント

鮎の歌

これはNHKコンクールの自由曲でよく歌われていた名曲です。演奏時間が長いです。4分を超えます。地域の情景を歌っているのでそのあたりが選ばれない理由が多いのですが、曲の流れは盛り上がりますし、フォルテで終わるのが歌い切った感があっていいです。

鮎の歌 参考音源

そのほか

葡萄と風と赤とんぼ 葡萄と風と赤とんぼ 参考音源

もおすすめです。

これらの曲はネットで検索すると、楽譜等も手に入れることができるのでいろいろと調べてみてください。

指導の虎の巻⁉として、教育団体のTOSSが合唱指導のポイントを紹介しています。TOSSは私自身はあまり好きではないのですが、この合唱指導のポイントはとてもありがたいですね。

これは必見です。合唱をすてきにしあげるとっておきの方法

まとめ 教師の一生懸命が子どもに伝わるもの

小学校の高学年は学校の顔です。そんな子どもたちが全校児童の前で歌う音楽会は大成功に終わらせたいです。

合奏も迫力があって素晴らしいのですが、歌声のすばらしさは下級生の目標になります。

その音楽会の成功への道は、選曲です。ここに紹介した合唱曲はすごく難しいものではないです。頑張れば美しい合唱になります。音楽の先生に任せるだけでなく、担任はできる範囲で指導はできます。

選曲とか意欲付けとか、ビデオどり、毎日の練習など専門などなくてもできることをすることで子どもたちの歌声は伸びます。

担任のやる気は必ず子どもに伝わります。

合唱曲が盛り上がる高学年は選曲がすべて!音楽会の成功法を紹介のお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。

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