4月から教壇に立つ新卒の先生は不安と期待でドキドキしていることでしょう。
どんな子どもたちとの出会いが待っているのか、それはベテラン教師も同じです。
教師がいくらがんばっても、思い通りに子どもは成長してくれないものですが、やっぱり4月は学校生活のスタートですから、力を入れることは当然です。
でも、そうしてやってもうまくいくという保証はありません。しかし、積極的に取り組むことがよい失敗とよい反省を生んでくれます。
あとでだんだんに指導していけばいいだろうと安気にしていると、手を遅れになることは教育の世界ではよくあることです。
何事も始めが肝心です。
この4月の学校生活の始まりをせめて心構えをきちんと持って取り組みましょう。
たくさん大事にすることはありますが、その中からこれだけはということを紹介します。
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小学校4月は忙しいが、見通しをもって慌てずに
学級の事務仕事が大変!これを後回しにしない
4月はとにかく学校生活のリセットの時ですから、担任持ち上げでも新任でもやることは一緒です。
見通しをもってやることは当然ですが、思い通りに物事は進まないと覚悟しておくことも大事です。
子どもの指導も山あり谷ありですし、児童理解においてはやってみないとわからないことだらけです。子どものいる日中は子どもの指導や授業にかかりっきりですから、事務仕事なんてほとんどできません。まあ、ベテランになってくると時間の隙間で何でもやりますが。
ですから、朝の子どもが登校する前、子どもが帰った後に事務仕事をすることになります。
提出物も結構ありますし、家庭への連絡なども多くなります。
学級通信の作成も一週間に必ず発行しますが、慣れるまではどんな内容にするのかを思案するだけでも時間がかかるものです。
慣れるまでは地獄のような?忙しさです。それはどんな仕事が来るかがわからないからです。経験のある先生方はそれがわかっているので、何をやっておかないといけないかと優先順位をつけて仕事をしているのです。
新卒の先生はいくら教えてもらっていてもそれがわからないので、大変に感じるのです。
まずは、授業や子どもの指導が最優先。
事務仕事などの雑務はいろいろありますから、後回しにしないでその日のうちにどんどんやってしまうことが大事です。
- 目の前の雑務は丁寧にやらなくてもいいから、すぐに処理する
どうせ新卒の先生は校務の仕事は軽減されていることが多いので、自分の時間がたくさんあると思います。学校の先生の仕事の多くは事務仕事です。どうでもいいような提出物や報告書提出が次々と来ますから、適当にやって出すことです。どうでもいいようなことには力を注いでいては大事なことに時間が取れなくなりますから。
初めての授業参観は準備周到にやる
授業参観が4月の半ばにはあります。これは担任デビューの大事な場です。
参観日には参観日の授業をします。普段の授業の内容でも参観日には、観ている人にも授業の中身がよくわかることや子どもの発言が必ずあるようなそんな授業を見せるわけです。
飾るわけではないのですが、子どもたちの声や姿を保護者に感じてもらえるようにすることがいわゆるサービスですから。
とは言っても、授業のルールや真剣に学ぶ姿が大事ですから、子どもたちがあなたが担任で安心したと思われるような授業を見せることですね。
子どもたちが落ち着いて勉強していることや集中して話を聞いているとかそういう子どもの姿や学級の雰囲気が非常に大事です。
でも、これは普段の生活からそうなるわけですので、4月のはじめからの授業のルールや生活指導ができているかどうかにかかってきます。
- 教室環境を整えること(物品の配置、掲示物の工夫、机の椅子の高さ調整など)
- 子どもたちの指導は一日目から始まっている。授業のルールは徹底する
4月の授業参観は親は先生はどうだろう?子どもは変わってきたか?と期待でいっぱいです。その期待に応えることができればいいのですが、短い期間で指導できることはわずかです。ですから、笑顔で明るく一生懸命に先生が子どもたちに接しているところを見せることがとても大事です。
できていることを見せるよりも、できていなくても今こういうことを大事に取り組んでいるのだという姿を見せることです。
学級づくりが最も大事!ルールを徹底する
4月の1か月は多分流れに身を任せるがごとくで、何もできないまま過ぎてしまったという感じを持つと思います。そのくらい忙しくあわただしいのです。
しかし、大事なことに力を入れているかどうかの答えが後で返ってきます。
教育はすぐに答えが出ません。子どもたちもすぐに成長しません。時間がかかります。でも、指導を続けていることでそれが習慣になって子どもたちの姿に現れてきます。
指導は繰り返しであり、一度で済むような簡単なことではありませんから、毎日毎日根気よく指導することが大事なのです。基本は何度でも練習しないと身につかないことと同じです。
さて、4月の指導の一番の要は学級のルールを徹底することです。
集団生活のよさは子どもたちが一つになって取り組むことです。自由な時間とみんなと一緒にやる時間をきちんと分け、自分を優先しないでみんなのことを考えて行動することです。
小学校の教育で子どもにつける力として、「相手の立場に立って考えて行動できる」ことを教師は忘れてはいけないでしょう。これがどのくらいできるようになるかがこれから生きていく人生や社会でとても重要です。
ですから、この小学校の集団生活という中でそのルールを大事にしながら、相手意識を育てていくことになります。
- 清掃と給食のこの2つの活動を学校のルールに沿いながら、できるまで手を抜かずに指導する
- 学級の子どもたちに指導や態度は一貫していることが非常に大事
ルールが守られるということはそこにいる人を大事にしているという姿です。いろいろなルールがありますが、みんなでやることははじめからきちんと守らせ、個人のことは個別の指導。しかし、よいことはどんどんみんなの前で褒めることがとても重要。みんなで生活しているのですから、子どもたちがお互いに影響し合えるようにいいことは褒め、直すべきことは指摘する。このメリハリが必要です。
小学校4月は子どもたちの実態をつかむとき
4月は子どもたちも緊張感の中にいますし、先生も思い切った出ができないときです。急を急いで勇み足な指導になってしまうと、スタート時点で余計な心配が増えてしまいます。
4月は大事なところだけは目を配り、その他のあまり重要でないことには見守る姿勢が必要です。
何でも大事と言えばそうですが、4月や5月は子どもたちも不安定な中にいますので、四角四面な対応はできる限り控え、待つ姿勢で見守ることがよい結果につながります。
4月の指導の心得
- 子どもたちも不安定でトラブルは起きて当然
- ルールは最小限にとどめる
- 子どもたちに要求しない
- 子どもたちの声をよく聞こう
- 子どもたちの姿は半信半疑の受け入れる→信じすぎても疑いすぎてもダメ
- 先生が約束したことは必ず実行する
こんなことを大事にして4月5月は一年間の指導計画の見通しをつくるときです。
慌てずいろいろあっても、まずは受け入れてよく話をしてお互いの理解を大事にしましょう。
これは親や子どもとの対応についても同様です。
小学校4月の保護者対応は受け入れ姿勢が重要
担任が変わることで保護者も期待と不安の中におられます。
何も始まってない4月でも期待している親御さんの中には、早速要求をしてこられる方もいます。
前任の先生への批判もあるでしょう。
新卒の先生ともなれば、何も知らないひよっこ同然に見られますから、保護者の方が上から目線でいろいろと話をしてくるでしょうね。しかし、時間たてばこちらからも大事な話をしてかなければなりませんから、反発はせず聞き手に回るように心がけましょう。
学級内に問題は必ずと言っていいほどあります。それは軽重ありますが、それがすべての保護者に同じようにとらえられているわけではありません。
重要に考える親もいれば、全く感じていない親もいます。そんなものです。ですから、教師があることを指摘したり、提案しても全員が同じ気持ちでいるなんてことは感じてはダメです。
10人の親がいたら、そのうちの3人が賛同してくれるくらいに思わないといけません。信用を得るということは本当に難しいことなのです。
それには、まずこちらが受け入れる姿勢最も大事なことです。子どもに指導しているわけですが、その後ろには親がいるわけです。親御さんの気持ちを無視して一方的に指導することはトラブルのもとになります。心配なことは早めになくなるといいのですが、急に変わるなんてことはあり得ません。
だんだん理解し、行動が変わっていくまで辛抱強く待つのが大事ですね。
まとめ 始めが肝心というけれど
小学校の新卒にとって、4月の一か月はあっという間に終わるでしょう。
毎日があわただしく休む暇なんてないでしょうね。
でも、一年経てばかなり落ち着いて学校生活を送っているものです。
はじめが肝心というけれど、何でもそうですが、やりすぎはダメです。
指導のし過ぎや要求のし過ぎ、怒りすぎ、褒めすぎ、放任しすぎなど、さじ加減が必要なのですが、新卒の先生にそんなことをはじめから期待することはできません。ですから、大事なことだけは絶対に守るとか変更しないとかそういう態度で臨んでください。
4月の指導の心得をまとめます。
- 大事なことを子どもたちにわかりやすく伝え、それを徹底させる
- 多くを要求しない
- よいことはみんなの前でも褒め、直すべきことはわかりやすく叱ること
- 4月5月は見守る時期、急を急いで指導しない
- 授業のルールや学習の仕方を教えたら、徹底するまで日々それを根気よく見守る
- 給食・清掃の指導を重視して4月5月で習慣化させる
- 子どもへの指導や親対応は待つ姿勢で強行はしない、探りの期間
はじめが肝心ということははじめから態度が一貫しているということにもなります。
あっちこっちに気持ちが動いたり、行動が定まらなかったりしていると、物事が進みません。
新卒の先生にとっては、何が正解なのかもわからないことだらけなのですから、正解を求めてふらふらするよりも、自分で決めて行動をして、それで失敗したら反省して、出直せばいいのです。
それが教師の姿です。
教育は簡単ではありません。思い通りになんかなりません。
「教育とは、流れる水に筆で字を書くようなもの」だからこそ心を籠めてあたらなければならない。という先人の言葉があります。
結果は大事ですが、そればかりを気にしないで、思いやりの精神で子どもたちに親たちに対応することが教師の道になると思っています。
小学校4月忙しい!やることはこれ!行事・授業・学級づくりのお話でした。最後までお読みいただきありがとうございます。
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