小学校通知表の3段階評価割合◎○△の見方について説明

小学校の通知表がもうすぐ子どもたちに渡されますね。

今学期の学校生活でどんなことを頑張ったのだろうか。と親御さんも子どもの評価に期待しつつも通知表の中身を見て、一喜一憂しちゃいますね。

◎の数が増えたの減ったのと数で善し悪しを決めているなんてことはよく聞きますが、△があると異常に反発をしてしまう親御さんも少なくないようです。

子どもたちの成長は千差万別にもかかわらず、3つの観点で評価していますが、それはあくまでもわかりやすく示すためでもあります。

そんな通知表で一喜一憂させないために通知表の3段階3観点◎〇△の見方についてお話します。

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通知表は教育の実情とともに性質も変わってきた

小学校の通知表は昔は結構厳しくつけていました。昔と言っても30年ほど前です。

そんな時代の通知表のつけ方はもう参考にはなりません。学校が地域や親から信用され先生の言動について批判など本当に少なかったころです。学校で親が先生挨拶をしないなんてことはほぼありませんでした。

先生も威張っていたわけではなく、もっとフレンドリーな関係だったと思います。この状況については説明が長くなるので割愛します。

子どもが勉強できないのは先生の責任とは考えられなかった時代です。先生のやることが全面的に認められていたのですから、親が文句など言ってくることはほぼなかったです。

ところが20年位前から状況は変わってきました。

学校の威厳?がなくなったというよりも多様性でしょう。公よりも個が優先されるようなってきたことを実感し始めた時代だったかもしれません。

学校が家庭に気遣いをするようになっていきました。でも、通知表は結構正直にいい面はいいけれどマイナスな面もはっきりと書いたり評価したりしていました。

通知表はそういうものだったのです。一人の先生の判断にゆだねられ、その先生の限りなく客観性に近い主観的な判断で評価されていたと思います。

そして、最近10年前くらいからは、通知表はかなりその性質が変わってきたと思っています。

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通知表が果たす役割が変わってきた

少なくとも、通知表は公簿ではないので、なくてもいいものです。学校が独自に家庭への連絡として位置づけているものにすぎません。

けれども、学校での学習の成果や生活態度を評価することで家庭も安心して子どもの成長を見守ることができるので、この通知表は公簿以上に大きな存在になっていることは確かです。

ところが、この通知表は、時代の流れなのか説明責任を確実に果たす性質に変化しています。

教育は多くの目で見てもらうことでいろいろに評価されるものですが、誰が見ても同じようになるかのかのごとくの評価を求めているような感じです。

また、子どもも親も喜ぶような評価を求められています。通知表の3観点で△や1をつけないようにしています。

本当はおかしなことです。△はできないという評価ではないのですが、できないという印象を持ちますね。教師の方もそんなつもりではないにしても、評価を受ける側としては、マイナス評価です。うれしくない評価として存在します。

課題を知ることは大事なのですが、それを受け入れることができない人が増えたということでしょうか。

苦手な面や課題を指摘する目的もあるわけですが、それが説明責任を問われたり、ダメという烙印を押されたということになってしまいました。

いつの間にか、通知表が過敏な存在になってしまい、大変なものなってしまったわけです。

しかしながら、小学校の評価は明確さをあらわすよりも、意欲や安心を与えるものに変わってきたことは確かです。

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現在の通知表3段階評価のつけ方について

通知表のつけ方は、現在も基本的には同じです。

通知表は一人の先生の判断でほぼできています。小学校の担任はほぼすべての教科を受け持ち、子どもの学校生活の全般を指導していますから、教科の評価だけでなく、その子のありのままの姿を日々観察しているということになります。

それでいやおうなしにその子のできるできないを見ているのです。毎日毎日見えている姿とその子自身の思いは必ずしも一致するということではないですが、3か月ほど一緒にいればどんな性格でどんなことができてできないかを判断することはそんなに難しいことではありません。

教える内容は全員同じですから、同じように教えてどのくらいできるのかを見るのは、テストすれば評価の材料になります。テストは達成度を見ているわけですから、非常にわかりやすい測り方です。

ただし、小学校では授業での取り組みやその子自身の意欲や関心が大きく影響しますので、態度面の評価は欠かせません。

この態度面の評価こそが小学校の通知表らしいところであり、難しさでもあります。

さて、昨今の通知表は、学校の説明責任を重要にとらえているので、子どもの評価についてダメな点を指摘してもそれをどう指導してどうなったのかを必ず説明するようになりました。

同じように指導しても達成できなければ、個別に指導しますが、そもそも教育はそんなに早急に結果は表れません。学習面においても勉強ができる子どもは苦労しませんが、苦手な子どもは劇的に変化することはほぼないのです

言葉で説明することは所見欄に記載するのですが、多くを記載することはできません。ですから、文章で細かく説明することは性質上難しいのです。

基準を決めて評価することで成果を示しているわけです。小学校の通知表の評価はおよその評価であることをよくよく理解してほしいと思います。

小学校の通知表は絶対評価で評価している

小学校の通知表はほぼ絶対評価です。

絶対評価とは、他の人と比べるのではなく、その人自身の成長を評価しています。その人自身の目標が達成できたのかどうかを重視すると言っていいでしょう。

この絶対評価をしつつも、その子のレベルに合わせた配慮をしていることが通知表というものではないかと思います。

例えばテストの点数が90点以上で◎が付いたとして、その子は普段は50点以下であったが今回は頑張って学習し、70点であったのなら、学習態度や意欲を加味して、評価を◎にする。ということです。

また、テストの点数ではとても合格点にはならないのであるが、普段の授業態度や家庭学習の取り組みなどが真面目で良好であることから、△の評価ではなく〇の評価にする。というものです。

簡単に説明しました。現実にはもっと多くの状況を考慮しながら評価しますが、その子自身の成長や達成度など多くの面を合わせて総合的に判断するので、結果よりも過程を重視した評価も大いにありうるのです。

主要な科目だけでなく、実技科目の図工・体育・音楽では結果よりも意欲や関心を重視しますが、「できる」ということは大きな評価材料になります。しかし、苦手な子どもにとっては少しの成長でも大きな成果としてとらえることができますから、前向きに取り組んでいる姿は重視され、△になることはほぼないのです。

小学校3段階、3観点の見方について

ここでは◎〇△についてそれぞれどんなレベルをあらわしているかについて紹介します。各学校で作成する通知表には見方が書かれていますが、非常に簡単な説明です。

よくあるパターンです。

  • ◎…よくできる
  • 〇…できる
  • △…がんばろう

文言はもう少し詳しく表してある場合がありますが、はっきり細かく示さないのは、広い意味合いを持っているからです。

できたのかどうかは成果ですから、結果がない評価であれば、観点は示しません。観点を示してあるということは結果を見ているということです。

その結果の捉え方はいろいろな方法がありますが、最も判断しやすいのが、学習したことをテストしてみることです。ですから、テストの結果は点数化して判断し、その到達度を測っています。

テストの点数化で上記の◎〇△を区別すると、およそ次のようになります。

  • ◎…90点以上(80点以上もあり)→学習内容が十分に理解できている
  • 〇…60点~80点→学習した内容がおおよそ理解できるが、ミスや理解不十分な点が多い
  • △…50点以下→学習した内容を理解できていないことが多い

小学校のテストは範囲も内容もわかっていることを確認するテストです。ですから、100点を目指すようなテストなのです。100点満点中の80点はテストの点数的には高得点ですが、昨今の小学校のテストは授業内容と全く内容の問題になっていますし、事前にテストをして不十分な点を復習することも多いので、いわゆる「できて当然」というテストだと思います。

中には、非常に難しい内容をテストしていることもあります。そんな場合は、平均点が当然のことながら、低くなりますので、70点でも十分に良くできるという判断をすることになります。

よくできるテストはレベルが下がり、難解なテストはレベルが上がるものです。

算数などは、理解がしやすい単元と理解しにくい単元があります。テストの点数が低くても難解なテストであれば、高得点でなくても評価が上がることは当然あります。

逆に、全員が高得点ならば、ほぼ全員が◎ということもあります。しかし、80点ならば、よくできたという評価になりますが、60点では△になることもあり得ます。

主要4科目(国社算理)のつけ方

テスト結果が重視される科目。学習したことがそのままテストされることが多いので、普段の学習を確実に理解していることが大事。

基本的なことをよく理解していることはもちろんですが、思考力がどうかということは重要な部分です。しかし、この思考力をテストする時間は多くありませんので、限られた問題などでそれを確かめようとします。思考力を確認するようなテストができていれば同じ得点でも評価は上になる可能性は高いです。

基礎的な内容の理解度は、新たに学習した内容を正しく理解しているかどうかが重視されます。暗記というよりも内容がわかっていれば大抵は答えられます。小学校の学習は暗記というよりも内容への関心が高ければだいたいは覚えます。頑張って覚えようとするのではなくて、興味関心が高ければ覚えているという感じです。

関心が低ければ点数は上がりにくいと言えます。それだけに授業で理解できていることがテストされるだけですから、この基礎的な内容が不十分であれば、全体の評価は下がるのは当然です。ほぼ間違いないことですが、基本的な内容を理解しているならば、テストは大体できます。

計算ばかりできていても、評価が上がらない場合は基本的な内容の理解が不十分ということがまず間違いないことです。勉強が苦手な児童に多く見られる傾向です。

  • 算数…結局テストの点数が大きく影響する。算数はテストすればすぐにわかる。評価しやすい。
  • 国語…市販のテストは平均的に高得点なので、80点ぐらいでは◎にはならない。聞き方や話し方、作文力、語彙力などはその子に接していないとわからない。国語のオール◎は勉強が出来ることを意味する
  • 社会…覚えているかどうかの内容が多いため、これもテストの点数が影響する
  • 理科…高学年の内容はかなり高度なので、実験や観察によって正しく理解されているかどうかが重要。市販のテストは意外に楽なので、ほぼ満点に近い点数でないと◎はもらえない。実験や観察に関心があっても、学習内容を正しく理解できていないという子どもは意外に多い。

図工科・音楽科・家庭科のつけ方

実技系はほぼ△はつかない科目である。家庭科は最近ではテストで理解を確かめることも多くなっているが、テストの点数を重視する科目ではないので、△になることはほぼない。

しかし、◎は意欲・関心が表れていることや実技のレベルが高くないと簡単にはつかない。その子がその分野において得意であることが大きく影響する。

この3科目では、意欲的に取り組んでいることが高評価の要素です。◎が一つもないということは、一応課題に対して取り組んでいるが、よい成果は見られないということ。

体育科のつけ方

実技が中心であるが、保健体育領域はきちんとテストもあるので、合格点をとれない場合は△が付くことはある。

実技において△がついてしまうとしたら、確実に達成できていない場合である。例えば、器械運動においては個人の内容がほとんどなので、動きや形ができていない場合は△はついてしまう。

基本的に意欲的に取り組んでいる場合は、実技が苦手であっても△はつかない。体育で△が付くというのは、その運動領域においてかなり苦手な場合にはよくありうる。

◎の程度は何と言っても達成できているかどうかなので、努力していても達成できていないなら、◎にはならない。

また、十分にできていなくても、△にならないこともある。例えば、水泳において、4年生以上で10m程度しか泳げないのであれば、△は間違いない。でも、全く泳げなかったのが、10m泳げたなら△にはならないだろう。

行動の評価は本当に曲者⁉

行動の評価で△が一つもつかないことをよしと考えない方がいいと思います。

行動面の△は表面的にも見てわかるような場合はついても仕方がありません。行動の善し悪しはきちんと評価された方がその子のためになるからです。

自分では頑張っているというものさし(自己評価)は立場を理解していることが大事ですから、自分はいいと思っているけど、先生は認めていないという判断になってしまうことが過ちです。

評価がそのようになったのはなぜか、一度、自分自身を振り返ってみるか。となるべきです。

人からの評価というものを受け入れる精神がないと、前には進まないことになるからです。

忘れ物が頻繁にある場合や提出物が期日まで出ないなどは、△の理解がしやすいですね。事実がわかりやすいからです。

一方、友達関係とか思いやりの姿については、内心までは先生でも確実にとらえることは難しいので、様々な姿から総合的に見て、評価することが多いでしょう。そうすると、相当な問題行動でもない限り、△はつけられません。〇が多くなるのは、その子の見える一面だけを取り上げることは教育的配慮に欠けるという見方もありますね。

よさと課題が半々ならば、△はつけないということです。

小学校の3段階の評価は、特に〇の範囲がひろいので、限りなく◎に近い状態と限りなく△に近い状態があることを知っておくべきでしょう。

ということから考えると、行動面の△は△にせざるを得ないという状況ですから、以後の生活の中で課題として大事にしてほしい部分です。

ただ、よくできる子どもに対して、もっとできるはずだという期待を込めて、あえて◎にしないということもあるのですが、その辺の説明を必ずしないと理解してもらえないことになりますね。学校の出来事を家庭に十分にわかってもらうことはなかなか難しいものです。

であるなら、ややこしいことになったり誤解を与えたりするリスクを考えて、評価を上げてしまうこともあるのです。それが通知表です。

所見欄にマイナス面はできる限り記載しない

その子の課題や頑張ってほしいことを記述することは一昔前の通知表ならば、その子の良い面と課題をかなり正直に知らせていましたが、現在の通知表は、課題は顕著なものを知らせるようにして、励みになるようにプラス面の記述をするようになっています。

また、課題面を知らせる場合でも次学期の取り組み方を書き加えるようにして、見通しが持てるような内容になっています。これらは、通知表の内容について保護者によりよく理解してもらうためでもあり、誤解が生まれないように配慮しているということが多いです。

まとめ 小学校の通知表は過剰に反応しない

小学校の通知表の3観点や3段階の見方についてお話してきました。

小学校段階は成長段階としては、見守る姿勢が本当に大事な時代です。できる・できないという見方だけではその子の成長を正しくとらえることはできません。

一人一人の性格や生活環境が異なるわけですから、同じ教育を受けたとしても同じように成長するとは限りませんし、差があるのは当然のことです。また、小学校の段階でできなければいけないということははっきり言ってないというべきでしょう。

もちろん、社会的な行動や考え方はとても大事な部分ですが、殊に教科などの学習においては、言い方はよくないですが、無理やり教え込んでいるようなものです。

理解力や意欲・関心によって、できたりできなかったりするのは当たり前のことで、学校の評価は人生を大きく左右するような大きなものではないと思います。

学校生活を送っている中での成績です。その子の様子です。

あくまでも、通知表の評価は参考としてとらえるべきものであって、その子の生活の中で生かされればいいぐらいに考えてほしいと私は思います。

学校教育に依存しすぎるのはよくないことですし、多くの経験や多くの人の評価によってその子自身が成長していくことが大事です。

学校がすべてではないことは大人になればわかるように、また、学習などの評価がどうであろうと人生を生きていくうえではほとんど何の効力もないわけです。

成績が良くなることは喜ばしいことではありますが、通知表は目的ではなく、参考なのです。

日本の学校教育の中で家庭連絡としての役割を持っている通知表です。これで人生に影響を及ぼすようなものにしてしまっているのは愚かなことだと思います。

細かなマイナス面に注目せず、よさを中心に評価をすることで、子どもの励みになるような通知表を作成をしているのが現在です。プラス思考中心で評価して、ちょっと課題を提示する。参考としてとらえてもらうことが大事です。

子どもたちや親御さんもその評価に頼り過ぎない姿勢が大事なのではないかと思っています。

小学校通知表の3段階評価◎○△の見方について説明のお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。

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