小学校の学級崩壊が取り上げられるようになってもうかなりの年月が流れました。
小学校では一年生などの低学年のうちから学級崩壊が起こってしまうという今までになかった状況も今ではありうることになっています。
また、ベテラン教師が学級崩壊しかねないことも珍しくありません。
都市でも地方でも関係なく、学校ごとに学級崩壊予備軍的な学級を抱えている状況です。
学級崩壊ははっきり申し上げて教師の責任です。また、同じ先生が同じように学級崩壊を繰り返してしまうということもあります。
小学校は学級担任がすべてを担当しますので、担任教師の影響はとても大きいです。
そんな学級崩壊は何が原因なのか、どう対策すればいいのか、どう立て直していけばいいのか、その方法や保護者の方々のサポートについて紹介します。
これから紹介することは、学級崩壊についての個人的な見解です。不十分な見方もあるかとも思いますが参考になれば幸いです。
小学校の学級崩壊の原因
学級が崩れる原因その1 教師の姿勢
学級崩壊は学級集団がどんな質であるかによって、その原因となることはありますが、大抵の場合は、担任教師の指導力や子どもたちへの姿勢だと思います。
もちろん、教師の指導力や姿勢がよければ何でもうまくいくということではなく、学級崩壊が起きていない学級は教師と子どもたちの力のバランスがとれているということでしょう。
バランスがとれているということは、どういうことか?
担任の先生のやっていることが子どもたちに受け入れられているということです。
逆に、子どもたちのやっていることを先生が受け入れているということです。
担任の先生は学級を育てていこうとしていますが、その学級の実態を的確にとらえていても、ちょうどいい指導がいつもできるわけではなく、何かを譲ったり、強引に引っ張ったりしながら、指導しているわけです。
ところが、思うように子どもたちが育っていかない場合に、その原因を子どもたちに求めてしまうことが非常に多くあります。
先生は教師として正しいことをしているという感覚があり、子どもたちは未熟であるから教えよう、導こうとします。また、学校という大きな集団の中のそれぞれの学級はどうしても比べられる存在ですから、いい学級になるように頑張ってしまうわけです。
そもそも指導してもそう簡単に思うように子どもたちは成長しないものなのですが、
学級崩壊する学級の先生に共通していることがあります⁉
それは…
- 学級の子どもたちが変わっても、やり方がいつも同じ
- 授業にしても、生活指導にしても、子どもたちが感じない
一生懸命やっているのですが、何かが欠けているのです。
- とてもいい人柄で子供好きの先生のように見えるが、強さが感じられない。
- 指導者としての威厳のようなものを感じますが、いわゆる遊びがない。
- そつなく何でもこなしているのですが、子どもに寄り添えない。
- 子どもたちに好かれていて、フレンドリーなのですが、人権感覚に乏しい。
- 授業が面白くない(やってみよう、やりたい、楽しく感じる)
先生として完璧な人なんていませんが、学級崩壊する先生に共通するものの致命的なことは、自分を変えられないということだと思います。
上記のような姿はどこかで改善しないといけないものです。しかし、それを変えることがなかなかできないという先生がいつの間にか学級を崩壊させています。
そんな先生なのですが学級崩壊しない場合は、子どもたちの雰囲気と先生のやっていることがなんとかバランスがとれているからです。
その先生の指導でもちゃんとしている子どもたちがいるからです。でも、はじめはよくても、そのうちほころびが見え始めます。
つまり、子どもたちに助けられていたということで、自分の指導がうまくいっていたかどうかは怪しいところです。
子どもたちも学校だからとか先生が言うからとか、さらには自分たちは勉強を教えてもらっているからという立場の違いがあることで先生の指導や姿勢を受け入れてくれているのです。
これは、いい意味としても、よくない意味としても教師は忘れてはいけないことです。教師としてはとてもありがたいことですが、子どもへの謙虚な気持ちを持たないといけないと思います。
では、教師の指導の何がいけないのか?どういう姿勢がいけないのか?
答えは簡単です。
- 子どもたちの実態に合っていない指導やかかわり方になっているから
学級崩壊は、このケースがほとんどです。
実態に合わなかったり、ちぐはぐな指導になったりすることが続くと、学級はおかしな方向に動いていきます。
学級崩壊してしまった学級の担任の姿勢あれこれ
- 子どもたちの姿を肯定的にとらえて指導することはよいが、間違いをきちんと正せない
- 教師の一方的な指導で子どもたちの姿を否定することが多い
- ヒステリックに叱ることが多い
- 頭ごなしに注意してしまうことが多く、間違っていても謝らなかったりごまかしたりする
- 約束を守らない。教師自身が時間を守らないのに、子どもには強く要求する
- 自分ができないのに子どもに強要する。教師が給食の偏食があるのに、子どもたちには残させない
- お説教が長い。だらだらとした説諭が多く、メリハリがない
- 任せることは任せればいいのに、最後は先生が勝手に決めたり、口をはさんだりする。自分たちを信用していないと子どもたちに思われる
- 授業を一生懸命やっているが、教えることが精一杯で子どもたちの反応を感じながら授業をつくれていない
- 子どもたちとの生活を楽しんでいる雰囲気を先生から感じない。笑顔が少ない、いつも文句ばかり言う。喜怒哀楽のバランスが悪い
(うまくいかなくても受け入れてもらえる先生は、この喜怒哀楽がよく表れている。よく笑い、時には厳しく叱り、悲しい時には涙を流し、そういう素の面に子どもたちが安心したり共感したりする)
このような姿はどんな先生でも時々は現れるものですが、これが何週間も続けば子どもたちも変わってしまいます。
全国の多くの小中学校でその学級のほとんどは、学級崩壊していません。
それだけ多くの学級は学級崩壊の心配がなく、学級集団が落ち着いていることになりますが、すべての先生が的確な指導をしているかといえばそれは疑わしいものです。
学級崩壊していないのは、教師の指導や姿勢は当然大事なことですが、それだけでなく、子どもたちの成長や学級内の人間関係、保護者の方々の支援などによって安定しているからです。
話が飛びますが、あの野村監督の言葉を借りると、
試合に勝った時は何がよかったのかはよくわからないことが多いが、試合に負けたときはその原因ははっきりしている。
学級経営もうまくいっているときは、何かがうまくいっている要因なのですが、いろいろあって何かがはっきりしません。しかし、学級がおかしくなる原因はかなりはっきりわかるものです。
うまくいっているときはいいのですが、うまくいかなくなると、子どもたちのせいにしたり親のせいにして、指導の改善に目が向かなくなることは非常に危ういことです。
とくに、子どもたちを何とかしようと子どもたちに手を入れるのですが、それは子どもを変えようかえようとしていることになります。
そうではなく、指導のどこかを変える。教師自身が変わることが先なのです。
学級が崩れる原因その2 大事なところを自由にさせてしまう
学級生活で大事なことはたくさんありますが、何でも大事といって子どもたちにやらせたり守らせたりしていては、何が大事なのかもわからなくなります。
ですから、これだけは厳しく扱うというものを教師がちゃんと持って指導することが必要です。
これだけは譲れないというルールを大事にさせることで子どもたちはそのルールを守ろうとしますが、それを教師のほうであいまいにしてしまうと、何でもありの雰囲気をつくってしまいます。
提出物がきちんと集まらない、当番活動をさぼる、授業時間に遅れる、学校の決まりを守らない…など、それがずっと改善されないままになっていることがあります。
教師は「指導はしているのですが…」という言い訳が多いですね。
ルールが守られていないことをそのままにしていると、子どもたちはそれは教師が許しているという思いになっていきます。
真面目に生活している子どもたちが「どうして先生は注意しないのか?」という不信感にもつながっていくのです。
学級には様々な子どもがいて、簡単に指導できるものではありませんが、正直者が馬鹿をみるようなことが続いていくと、何でもありの世界になってしまうでしょう。
そうならないように教師はちゃんと見守り、ルール違反は徹底して指導しないといけません。
徹底するということは、態度を変えないということです。
ここでも教師の姿勢が大事になってきます。自分勝手な行動をしてしまう子どもが改善されないのは、教師にも原因があるということです。
たとえば…
- 教師の口約束は必ず守る
- 授業時間に遅れてくる子どもを注意するなら、授業を絶対に伸ばさない
こんなことをあいまいにしていると先生の言葉を信用しなくなっていきます。
子どもたちは教師の言葉や行動をよく聞きよく見ています。
大事にすべきことを大事にしてもらうには、それを実行する教師の態度が一貫していないといけません。
学級が崩れる原因その3 子どもたちの仲が悪い
子どもたちの仲の良さは学習の理解や授業の楽しさにつながりますから、教師は仲の良い友達関係をつくれるようにいろいろな取り組みをしています。
遊びの時間をつくったり、班活動をしたり、もちろん学級指導や道徳の授業を通して人間関係作りを改善しようと努めていますが、友達関係を簡単に改善することは難しく、とても時間がかかることです。
先生方の中には、こうした状況でも無理に仲良しになることを求めず、やるべきことをやっていれば問題視しない方もいらっしゃいます。
無理に仲良し学級にする必要はありませんが、表面的に仲良くしていても本音で話せないような関係ならば、それも学級生活を送っていく上で支障が出てきます。
低学年は割と本音で話すことが多く、仲良くなったり仲たがいしたりと関係がわかりやすいものですが、高学年で仲がよくないと、関わりたくないという態度になりやすく、無視や無関心な姿になってしまいます。
仲の良くない関係は放っておいてもよくなることはまずないでしょう。ここでも教師の姿勢や指導によって、改善されることがたくさんあります。
たとえば…
- 学級の一人一人が必ず注目されるようにする(お便りの活用、誕生日祝い、エンカウンターの活用)
- 授業時間をやりくりして、みんなで遊ぶお楽しみの時間をつくる
- 学級で動物(犬、猫、豚など)を飼ってみんなで協力して育てる
- 教科の授業以外に、学級活動や総合的な学習として中核になる活動を仕組む
- 休み時間に教師も一緒になって遊ぶ
- 叱るときは短く、全体に叱ることか個人的に叱ることかを区別する
仲の悪い学級をそのままにしておくことは多くの問題を引き起こすきっかけになっていきます。
学級経営の中で、仲の良い学級であれば何をやってもうまくいきます。子どもたちが協力し合い、お互いを思いやる集団に育てることが学校生活を送っていく上でとても重要なことです。
学級が崩れる原因その4 いじめらしきもの
学級内にあるいじめやいじめらしきものは、教師の指導で解決できるかどうかは本当に難しいものです。
いじめの原因になっているものは、子どもたち同士の安心感があるかどうかです。
家庭の実情がありますから、気持ちの穏やかな子どもばかりではありませんが、どんな子どもでもその学級内で認めてもらっていることが安心できる場所となります。
それは、仲のいい友達同士になることではなく、仲が親しくなくても相手を大事にできればいいのです。
いじめはそれをしません。
自分と気が合う人を大事にして、そうではない人を無視します。
こうした状況で生活していると、自分にとって都合のいい人が周りに増え、都合の悪い人は関わらなくなっていきます。
加害者も傍観者も自分一人ではないために、意外にも気楽です。
本当に困っている被害者や何とかしようとしている協力者は、苦しみます。
いじめを感知したならば、どうすればいいのか。
学級崩壊を心配するよりもまずいじめの中心部分にメスを入れようとしてしまいますが、いじめ対応は急いで取り掛かっても、少しずつ問題を解決しようとすることが大事です。
いじめはそう簡単に解決できません。解決を急いでしまうと表面的になくなるだけで根本的な解決にはなりません。
子どもたちもそう簡単に気持ちの入れ替えはできません。周りを変えながら、いじめの中心に手を入れていくようにしましょう。
教師は、いじめの本人たちも大事にしなければなりません。加害者のほうが大変な状況を抱えていることもあります。
加害者の子供達も温かく受け入れながら、問題解決に取り組んでいきましょう。
また、高学年でのいじめは、かなり根が深い場合が多く時間をかけて対応していくことが必要です。
高学年の指導は、急ハンドルはかえって問題を大きくしてしまう傾向があります。高学年の子どもたちは場合によっては、低学年からの長い付き合いで固定観念がかなり強く、教師の指導でガラッと変わることは難しいのです。
一年間から二年間かけて、少しずつ課題を解決していくことが近道です。子どもたちの心をほぐしながら、よい経験を積み重ね、学級の中に安心できる雰囲気をつくることが目標です。
学級崩壊の対策 学級崩壊しない学級とは。
全国のほとんどの学級が崩壊していません。
学級崩壊のほとんどは、教師の指導や姿勢が原因と言っていいでしょう。
では、どんな指導や姿勢が学級を安定させ、子どもたちを安心させるのか?
それは、次の3つの要素が大事ではないかと思っています。
学級崩壊対策は、いい加減な指導が大事
いい加減という言葉は、でたらめという意味ではなく、ちょうどいということです。
教師の指導はあいまいであっては子どもたちも困りますし、厳しすぎても息が詰まります。
とにかく、何でも「やりすぎ」はダメでしょう。
食べ過ぎ、飲みすぎ、遊びすぎなど、バランスが悪くなるとよくないことが起きるのと同じです。
教育の世界は言葉通りにはいかないことが非常に多いものですが、うまくいかないゆえに力が入りすぎてしまうことがよくあります。
押してもだめなら引いてみな。と言いますが、学校の先生は割とこれができていないと思います。
真面目だからかもしれません。
真面目にとらえすぎてしまって、子どもたちが育たないのを待っていられずにどんどん手をかけてしまうことでかえって状況が悪くなることもあります。
やってもダメならこちらの対応をあきらめればいいのですが、責任だからとますます細かな指導が続いてしまいます。
放っておいてもいいことまで手を入れてしまうから、教師の指導にいわゆる「遊び「」がなくなってしまうのです。
学級崩壊対策は、子どもと楽しむことが大事
自分の指導で何とでもなると思っている先生ではなく、できることに一生懸命な先生です。
例えば、いうことを聞かない子どもたちがいても、そのことを正そうとするよりもどうしたらこちらのほうに気を向けてくれるかなと、彼らの行動から乗ってきてくれそうなことを与えている感じです。
もちろん、ダメなことは徹底して指導しますが、何でもお見通しというわけではないのです。
ここまでなら許すがそれ以上は許さないという範囲の中で子どもたちを遊ばせるという感じでしょう。
子どもたちのやりたいことをやらせてやったり、気持ちが発散できるような活動を日々取り入れて、教師自身も楽しむのです。
勉強になっているようななっていないようなそんなことでもどこかで役に立つだろうというおおらかさが大事なように思います。
学級崩壊対策は、子ども扱いしない
子どもだからではなく、大人と同様に尊重します。
子どもたちに任せておきながら、最後は責任をとるならこれは教師の行動としては当然です。
しかし、任せておきながら口をはさんだり決定を覆したりするようでは、子どもたちも「えっどうして?」と先生の自分勝手な態度に不信感を持ちます。
信用されているということは大人のように認めてくれることです。
教師は教える立場、子どもはそれを受ける立場ですが、子どもとともに歩んでいこうという寄り添う姿勢がとても大事だと思います。
私も学級が順調な時ほど、自分の指導が正しいと思い込んでしまうことがありました。
どんな学級の状態でも、子どもたちに対して傲慢な態度を戒め、謙虚な行動を心がけることがとても大事になってきます。
小学校の学級崩壊を立て直す方法
小学校の学級崩壊は立て直せないくらい大変
学級崩壊してしまったら、元に戻すことはなかなか難しいです。元に戻すと言っても一度崩れた関係を何事もなかったようにすることはほぼあり得ないと思ったほうがいいでしょう。
私の経験が正しいことばかりではないでしょうが、今まで見てきた学級崩壊が現状維持のまま元に戻ったことは残念ながら一度もありませんでした。
学級崩壊は一度起きたら、立て直せないと思います。
学級崩壊は担任教師と子どもたちの関係が崩れてしまうことです。関係が崩れるということは、立場がなくなってしまうことです。
学級崩壊してしまうと、学級の子どもたちはだんだん流されていきます。長い時間かけて習慣化されてしまったことは、そう簡単に変わりません。
急にハンドルを切っても曲がってくれなかったり大きな衝撃を受けたりするように、流れに逆らうとろくなことが起きないのです。
でも、学級崩壊した学級生活は手を入れない限り正常化することはありません。
どんな手を入れていけばいいのかということですが、子どもたちを変えようとして子どもたちに変わることを要求してもダメです。
学級崩壊を立て直す方法とは?みんなが変わること
みんなが変わるにはどうしたらいいのか?
もちろん、一斉にみんなが変わることなどないと思うべきです。
そして、まず変わるのは、教師自身です。
教師の言動や行動が長い時間をかけて、子どもたちに影響を与えてきたのですから、その元を変えない限り学級崩壊は止まりません。
しかし、教師の立場がなくなっている場合がほとんどですから、その原因をつくっている教師がやり方を変えてもすぐに子どもたちは変わってはくれません。
一度崩れた関係を修復することは本当に大変なことなのです。
こちらの態度を変えても子どもたちはすぐには反応してくれないものです。
学級崩壊は突然起こるものではなく、積み重ねの末に起きます。それを元に戻すにはかかっただけと同じくらいの時間は必要だと思います。
根気よく取り組むしかありません。責任は教師にあるのですから。教師の姿勢や態度が変わることで、間違いなく子どもたちも変わっていきます。
指導を変える。教師の姿勢を変える。これが学級崩壊を止めるためのはじめの一歩であり、すべてです。
さらに子どもたちへの指導ももちろん大事です。
教師が姿勢を変えることは大前提ですが、崩れてしまった学級は間違った行動がどうしても多くなります。それはそのまま見過ごすのではなく、手を入れないといけません。
まずは、子どもたちに教師の思いを伝えることが必要です。子どもたちにも学級をよくしていくために、何をしていくことが大事なのかを子どもたち自身にも理解してもらうことです。
具体的には、
- 時間を守ることや学級生活上のルールをもう一度みんなで確認して、子ども同士で大事なことを実行していくように働きかけることが必要
これは、それなりに難しいことです。崩れた学級には正義がなくなっていることが多いからです。でも、一つずつ解決していくように小さな成果を求めて、地道に働きかけていくしかありません。
すぐには子どもたちは変わっていかないものです。しかし、根気よく働きかけていくことで子どもたちはその繰り返しの中で安心できる安定できる生活に戻っていきます。
一時しのぎの先生交代は、学級崩壊を進ませないだけ
学級崩壊を変えるには、教師が変わることが何よりも大事なことです。
ところが、教師の姿勢や指導を変えてもその学級に変化がなければ、担任を変えるしかありません。
よくあるパターンに学年の先生方や教頭先生、専科の先生が臨時に指導に入りますが、それは仕方がないことです。
これで何とかなるならば、まだ学級崩壊の程度は軽いほうです。担任以外の先生の話をちゃんと聞き、それに従うなら信用があるということです。また、礼儀があるということです。
そもそも、学級崩壊は、学級の中にいわゆる正義がなくなることですから、
その正義がなくなってしまっていると、代わりの先生を入れても簡単には立て直せません。
専属でその学級を見てくれるような代わりの先生ならまだしも、いろいろな先生が代わるがわる指導することになると、落ち着かないですし、先生方の対応も事務的な域を出なくなってきます。
頑張って節目の時期までつなぎ、早めに担任の先生を変えることです。
学期の途中での交代はとても難しいことですから、なんとか学期の区切りまで先生方でつなぐしかありません。それが学級崩壊を立て直すための方法なのです。
この何とかつなぐ方法を間違ったやり方ととらえないほうがいいでしょう。
交代することになった先生は自責の念に堪えないでしょうが、時間がたてば、それも大事な勉強として、よりよい指導に生かされることは間違いありません。
それくらい学級崩壊は立て直せないことなのです。
そもそもどんな教師でも、子どもたちを傷つけてしまったり、指導の失敗を繰り返したりして、よりよい指導者になっていくのです。本当に申し訳ないことですが、何事も試練であると覚悟して前向きに取り組むしかありません。
教師はそうした覚悟をもって、日々子どもたちを指導し反省し、この繰り返しの中で学級づくりをしていくしかないのです。
学級崩壊した学級の保護者の役割とは?
学級崩壊してしまったら、普段の子どもの様子にも変化が生じてきます。
何でも家庭で話すような子どもばかりではありませんから、親御さんたちが学級崩壊を早めに伝えていく必要があります。
もちろん、はじめから何でも家庭に連絡はできませんが、いよいよ学級に手を入れていかないといけない段階になったら、情報を流しましょう。
担任として学級を崩壊させてしまったということは、指導ができていないということになりますから指導者としては非常に恥ずかしいことですが、親の協力を得ることで学級は落ち着いていくことになります。
教師のプライドを捨てて、子どもたちのために親御さんとともに学級の立て直しをしましょう。
正直にすべてを話し、どんな点を大事にしてどんな手立てで立て直しの取り組みをしていくのかを話したり、機会があれば学級懇談会を開いて対策を話し合ったりすることが必要です。
取り組み方はこれといった処方箋的なものはありません。
子どもたちの声を大事にしたり、教師の今までの姿勢や指導を反省したりして、目の前の課題を一つ一つやるだけです。
親に学級の様子を見てもらう
親御さんたちにも学級の様子を知ってもらうために、普段の学級生活を見てもらうことは効果があります。
毎日、入れ代わり立ち代わり保護者の皆さんが教室にきて授業や生活の様子を見てもらうと、子どもたちも考えるようになりますし、親に見られているということは小学生には非常に効果があります。
ただし、親御さんに指導をしてもらうということではなく、あくまで学級の様子を知ってもらうというねらいで実施することが大事です。
学級崩壊を立て直した先生の多くは、自分の指導の至らなさを反省し、親御さんにも学級の様子を見てもらうように働きかけ、日々お母さん方が学級に来ることで教師と親の協力で改善できたということなのです。
親に協力を得ることを教師は遠慮しがちですが、謙虚な気持ちが大事なのですから、一人で頑張らないようにいただける協力はなんでも活用するべきです。
家庭での子どもの話を鵜呑みせず、放置しない
子どもたちが家庭で話す内容は先生との関係がよくてもあまりよくなくても、鵜呑みにしてはいけません。というと、何か子どもの話は嘘が多いとでも言っているように聞こえてしまいますが、そうではなくて、例えば、誰でもそうであるように自分にとって都合のよくない話はあまりしないということです。
ですから、子どもたちの話はちゃんと聞いてあげることはとても大事なことですが、親が客観的に話を理解することが必要です。
もちろん、せっかく話してきてくれたことについて、頭ごなしに否定したり、一緒になって悪口を言うようなことは子どもの感性に少なからず影響します。
学級崩壊のきっかけは些細なことの積み重ねですから、いじめや体罰、人権にかかわる内容については、アンテナを高くして子どもの話を聞いてほしいと思います。
そして、理不尽な内容だったり、不審に思うような内容については、放置しないことです。
子どもに話すのではなく、担任の先生に直接話したり、連絡帳などで相談したりすることです。
親御さんたちもなかなか忙しくて学校のことにかかわっていられないものですが、学校の多くの問題点は周りの大人(教師も含めて)が気が付かないことが特徴です。
学校や先生に連絡しようと思ったときにすぐに連絡してください。明日でいいかなとか、もう少し様子を見てとか、明日に伸ばすと明日になったら連絡しなくてもいいかなと気持ちが変わってしまうのです。
いいことならそれでもいいのですが、よくないことは即行動です。
電話や連絡帳が大変なら、メールでもいいと思います。
コロナ禍で生活様式は変わりました。これからの教育事情も変化していくでしょう。メールなどの誰もが手軽に連絡できる手段を活用することが当たり前になってくるでしょう。
お任せするなら担任を支える
学級崩壊を何とか立て直したいと思うのは、先生だけでなく親御さんも同様です。
学級崩壊していいことはほとんどありません。授業も停滞します。友達関係も不安定になりがちです。
学校にお任せするしかない親御さんたちですが、立て直しが進むように担任の先生や学年の先生方をサポートしていきましょう。
サポートといっても学校で何かをできることはなかなかありません。
子どもたちが安定して学校生活や学級生活に取り組めているのかどうか、宿題はきちんとやっているか、提出物は期日までに提出しているか、精神的に不安定になっているようならば、養護の先生に相談するなどして子どもの学習や生活に目配りを強化しましょう。
親御さんが学級のことを親身になって心配していくと、子どもたちも自分たちで何とかしていかないといけないという意識になっていきます。
学級崩壊の責任は学校です。
しかし、学級崩壊してしまったらみんなで乗り越えていかないとどうにもなりません。
学校崩壊を非難するだけでは何も解決にはならないことはわかっていることですから、学校を支える各家庭としてのできる限りのご協力とより一層の子どもたちへの家庭指導をお願いするばかりです。
まとめ 学級崩壊を予防するために
学級崩壊は、学校という限られた環境で起きるものです。
今や学校は子どもたちの安住の場となりにくくなっています。
学習内容の過密化、教師の多忙化、子どもたちのストレス、未熟な教師、教師間のふれあいの欠如、教師の高齢化など多くの課題を抱えている学校現場です。
子どもたちの質も変わり、社会のニーズも変わり、学校がそれに対応できているのかどうか不安なところです。
学校は子どもたちに何を与えていくべきなのでしょうか。今のままで果たしていいのでしょうか。
いまだに学歴を重視した社会です。学校も結局は受験のために授業を進めているような感じを受けます。
学校第一主義ではこれからの社会は生きてはいけないと思います。
コロナ禍で学校の在り方は変わるきっかけになっていくのではないでしょうか。
学習が遅れてしまうということで必死になって詰め込み授業をしている現状ですが、「学習が遅れる」ってどんな物差しで考えているということなのか、問い直すことが必要だと思いました。
子どもたちを教える教師の価値観を変えていくチャンスではないかと思っています。
学級とは何だろうか。学習とはどうあるべきなのか。小学校、中学校で学ぶべきこととは何なのか。
先生方の大事にすることは盛りだくさんありますが、子どもたちが学校に来て何を学び、どんなスキルを身に着けていくことが大事なのかをちゃんとつかんでいないといけないと思っています。
学級崩壊を予防するには、子どもたちに大事にしてほしいことをきちんと教える教師の未来を見つめる姿勢が大事ではないか思います。
小学校の学級崩壊の原因と対策!立て直しの方法や保護者の役割とは?でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
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