学校の先生になるには、社会人を経験してからでも遅くない⁉

子どもたちの先生になるには急ぐことはありません。必ずその日は訪れます。

学校の先生になるには、大学卒業してからでも遅くありません。むしろ、社会人として経験したことが教壇に立ってから生かされます。子どもたちへの対応も人生の経験者として、どっしりと構えていられるでしょう。

学校の先生になろうと思っている社会人のあなたも、これから先生の資格を取ろうしているあなたにも学校の先生になるための方法とその心構えをお伝えしたいと思います。

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学校の先生になるには、採用試験に合格すること

学校の先生は公立の小中学校の場合、都道府県の教員採用試験に合格にしないとなれません。ただし、これは正規の採用の場合です。

この採用試験は、7月あたりに筆記試験があり、これが一次試験。一次試験の内容は基本的に一般教養と教育関係法規が主ですが、教員採用試験の問題集を徹底的にやればまず一次は通るでしょう。

こんな問題集が書店に売られています。アマゾンでも買えます。私もこんなものを3回は繰り返してほぼできるようにしましたね。

問題は、二次試験です。

二次は、面接や小論文などですが、都道府県によってその内容も若干異なります。

今の時代、新卒よりもすでに現場を経験している社会人経験者が合格することが多いので、この二次での面接官の評価がとても重要です。

学校の先生は、いわゆる勉強ができる人よりも、コミュニケーションや社交性を重視します。いかに実践的であるかが重要なのです。

ですから、この二次でいかに教師の資質を見せられるかにかかってきます。このことについては、あとでふれますね。

しかし、採用試験に合格しなくても、教員免許があれば、非正規での採用は毎年いくらでもあります。

いわゆる、臨時採用の教員です。

以前は、産育休の教員の補充としての採用が多くありましたが、最近では療休の教員の補充が多いですね。

学級崩壊しているクラスなどがあり、ベテラン教員でもなかなかうまく指導できないのに、教師未経験の若い先生がその学級を立て直しちゃったりして、救世主のような存在になることもあります。

この臨時採用で学校の先生の経験を積んで、採用試験に見事合格という人は結構多いのです。私もその一人です。

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教員免許はどう取得するのか

教員免許は大学時代に取得するほうが得

これから大学生を迎える学生で、将来学校の先生になるかもしれないという人でなくても、学生時代には同じ学費でちょっと余計に単位を取れば取得できるのですから、資格というものは取れるだけ取っておくことをお勧めします。

例えば、理科系の大学であれば、中学・高校の理科の免許が取れます。文化系ならば社会ですね。

卒業後に取ることもできますが、大学に聴講生として通って単位を取らないといけない教科免許もあります。理科などはたぶんそうなりますね。仕事していたらまず無理です。

卒業後は仕事をしながら勉強です。それは、本当に大変な努力が必要です。

教員免許は教育大学でなくても、教職課程を取っておけば、免許だけは取得できるでぜひ取得しておきましょう。

教員免許だけでなく、学芸員の資格とか、図書館司書の資格なども専門教科によってとることができます。理科系であれば、毒物劇物取り扱い責任者などもありますね。

大学を卒業後に学校の先生を目指す場合に、免許を取得したければ、通信教育という手段があります。

私立の通信教育がおすすめ

私は小学校の免許がなかったので、通信で取得しました。

小学校の免許は、たいてい教育大学の教職課程で取得できます。

中学校や高校の先生がたは、専門大学出身者も多いですね。そんな先生がたも小学校に異動するつもりであれば、通信教育で小学校教員免許を取得していますね。

一年で取得できます。ただし、2種という下級の免許です。1種を取るには最低2年は通信を受けないと無理でしょう。

でも、2種をとり、教師になってから仕事をしながらでも上級免許は取れます。夏休みなどの長期休みを利用して、単位をとればとれます。もちろん、努力義務なので教師の待遇には関係はないです。

私が受けた通信教育は 玉川大学 通信教育部 です。

取得できる免許は、通信教育部の内容によって大学ごとに違いはありますが、ほぼすべての教員免許取得に対応している大学もあります。

以下の大学は、ほぼすべての教員免許に対応しています。

明星大学 通信教育部

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さあ、学校の先生の道を目指そう!そのためのスキルアップを

学校の先生は様々なことに対応できる力が必要

教師の世界は、授業だけできればいいのではなく、子どもたちへの生徒指導や保護者対応が重要です。

特に、対人関係については様々な場面でよいことも嫌なこともありますので、ストレスはかなり溜まります。

親の前できちんと話もできないといけないし、子どもたちへの対応も時には厳しく接しないといけない場面もあります。

様々な役柄をこなす役者のような振る舞いを求められると思っておいたほうがいいのです。

学校の先生の資質としては次のようなスキルが必要ですね。

  • 専門外のことでもやる姿勢(すぐにできないとは言わない)
  • 運動が苦手でもがんばる(基礎体力が必要)
  • 寒さ暑さに耐えて生活する(光熱費が非常に節約された環境で生活)
  • 知らないことは調べて教える姿勢(子どもたちに多くのことを話せる)
  • 新しいことに挑戦する気持ち(好奇心は最大の武器)
  • 世間一般の常識をよく理解する(先生は世間知らずではダメ)
  • 子どもを叱れる強さ(叱ることは無視していない証拠)

これらのことは、教師の経験で段々と身につくと思ったら大間違いで、教師を志す中で常に心にとめて生活していないと身につかないものです。

ベテラン教師が子どもたちとうまくいかない原因は教師自身が自分を変えようとしないことが大きな理由です。

常に学び続け、柔軟に生きていくことが大事なのです。そのためには、多くの経験をして自分で理解しているからこそ、子どもたちを指導していくことができるのです。

教師になる前の、社会人としての様々な苦労や経験が生かされます。教師のノウハウは現場に立てば毎日が修行ですから、一年もすれば、現場には慣れます。

新卒者が辞めていく

大学を卒業して、新卒で教員になる若い先生が教師の道に挫折したり、鬱になったりして1年目2年目で辞めてしまうことがあります。

現場は本当に厳しいです。

学校の先生は子どもたちに対して見習い期間などありません。日々実践です。

学校の先生は一人で子どもたちに対応する。これが基本なのです。

子どもたちの前では、一人前の教師としてふるまうことを求めらます。

でたらめでもはったりでも、自信をもって教えることが大事です。

辞めてしまう若い教師のほとんどが子どもたちにはっきり言うことができないとか叱れないという理由が多いです。

今まで叱られたり注意されたりした経験が少ないのかもしれません。順風満帆な生活をしてきた人ほど今の時代の教職には厳しいものがあると思います。

先生方は学力面では優秀な学生時代を送っている人が多いですね。大きな失敗や屈辱的なことは縁遠い人が結構います。

たくましく仕事をしていくには、失敗を乗り越える力が必要です。人は成功からは学ぶことよりも、失敗から多くを学んでいくことがはるかに多いですよね。

回り道した教師は人間的に成長している

ここで、本当にあった感動秘話を紹介します。

ある青年が教師になるまでの人生のお話です。

この青年は、大学を卒業した時に高校の先生をなりたかったのですが、採用してもらえず、その夢をあきらめることができないので、アルバイトをして生活費を稼ぎながら生活を始めました。

そのアルバイトは飲食店で昼間も夜も勤務でした。一年が過ぎましたが、また教員に採用されることがなく、さらにもう一年とアルバイト生活を続けます。

そうするうちにだんだん仕事にもやる気が出て、頑張って仕事をしていきます。さあ、今年こと教員にと思ったら、仕事ぶりが評価され、なんとその店の店長に抜擢されてしまったのです。

ならばもう一年先に延ばそうと、店長を頑張りました。そして、卒業から5年の年月が過ぎ、いよいよ教員に採用されました。

彼のこんな人生を見守ってきた友人が「教師になるまで大変な回り道だったね」とねぎらいの言葉をかけたそうです。

するとその青年は、「回り道なんかじゃない。これは近道だったんだよ。」と言ったそうです。

アルバイトで昼も夜も働きながら、時にはお客様の理不尽な対応にも我慢してお店の責任者としてふるまってきたこと、多くの様々な人が店に来て話してくれる内容など、仕事を通して世の中の酸いも甘いも経験してきた。

もしも、卒業してすぐに教師になっていたら、多感な年齢の子どもたちの悩みや苦しみなどに俺は何もわからないで相談に乗ってやることもできなかっただろう。今なら、人生はこんなにも素晴らしいことや厳しいことを教えていくことができると思う。

だから、これは回り道じゃなくて教師になるための近道だったんだよ。

まとめ 人生若いうちは苦労をしよう

私も、卒業してから4年後に学校の先生として正規に採用されました。その4年間で非正規ながらいくつかの仕事を経験しました。

教育とは無関係の仕事もありました。弁当寿司屋の店員なんかもやり、自分で店を開け、深夜に店を閉めるなんてことも多くありました。大きな失敗もありましたね。

スイミングスクールのコーチもやらせてもらいました。学校水泳での指導もこの経験がすごく生かされました。

また、臨時採用で教壇にも立ちました。一年間だけの期限付きの教師でした。めちゃくちゃな授業もしましたね。公開授業の授業者にもなって頑張ったこともありました。

正規の採用になるまで4年間でした。いろいろやりましたが、たいしたことはしていません。私の経験など参考にはなりませんが、ストレートで採用されていたら経験できなかったことが多くあったことは確かなことです。

それらの経験が新卒の教師にはない教師観を持つようになったのかもしれません。

若いうちは結果を求めて急ぎ足になります。なんか焦っているような時期もありますね。

生きてみて、振り返るとあんなこともできたかもしれない。そんな職業もあったのか。やり直しなんかいくらでもできるなあ。と多くの可能性を感じます。

教師は確かに大変な仕事です。多くの子どもたちに一人一人に寄り添えるようになるには、多くの経験や苦労がきっと生かされます。何よりも教師というよりも人としての自信になります。

社会人の経験というよりも、どんな生き方をしてきたということが大事なのではないかと今は思います。

同じ給料をもらっていても、仕事をどうやっていくかです。無難にやることだけをやる人と、金にはならなくても与えられた仕事以外のことをしてきた人では、得るものは違うでしょう。

そういうことと同じなのではないでしょうか。社会人の経験と言っても長ければ長いほどすばらしいのかというとそうなのかなと思います。

20歳が生き方がだめで、40歳は大丈夫なんてことはありません。どう生きてきたかということが大事なことだと思います。

学校の先生になるには、資格の取得、採用試験の合格などいくつかの壁はありますが、集中して頑張れば叶うものです。決して難関ではないと思います。

学校の先生への道は社会人になってからでも遅くありません。やるかあきらめるかということでしょう。どう生きるかという問題だけなのです。

コメント

  1. 通りすがり より:

    社会人なってからでも遅くない、と言う趣旨の記事は良かった。
    が、大卒後4年の非正規経験程度で社会を経験した気になられても、とも思った。

    教壇に立つ資格に「公務員・教職以外の職歴通算10年以上」とかが必要にならないかなと思っています。

    • nobita より:

      通りすがり さん
      コメントいただきありがとうございました。
      確かに、大卒4年の非正規経験程度では社会の経験としてはまだまだでしょうね。経験が生きるかどうかも人それぞれで長く経験しても生きない人もいますし、短い時間で多くを経験する人もいます。
      しかし、はじめからそれが生きるということは多分言えないのだと思います。そのあたりが難しいなあと思っています。
      教職前の職歴通算10年は長いと思いました。それが教師になる準備としたら、準備とは一体何なのか。
      教師というか学校というところのちょっと隔絶した世界?が問題なのかもしれませんが、通りすがり様のご意見有難いです。
      ブログを書いても反応はなかなか見えないので、いくつかコメントいただいている程度ですから。
      さらに、読む人の立場になりながら、発信していきたいと思っています。
      ありがとうございました。

  2. 小学校教員になりたかった40歳 より:

    小学生の時に担任の先生に憧れて、小学校の教員を夢見ていましたが、今は行政職の公務員として働いています。教員免許は持っていません。
    子どもがうまれて小学生になり、ものすごく多忙な先生方を見ていても、やはり素敵に見え、諦めずに教員を目指せば良かったと思い、とても後悔しています。教育現場は、若い人がほしいと聞きます。40歳女性未経験では、今から教員免許を取得し小学校教員になれたとしても、やっていけるでしょうか?同居の祖父母の協力があり、仕事に集中できる環境には恵まれています。
    大学卒業してから17年経過し、教材研究をする暇もないくらい多忙な日々の中、実際に授業ができるのかと思ってしまいます。想いが日に日に増し、夢を忘れられなくて、小学校教員資格認定試験の勉強をしています。

    • nobita より:

      はじめまして、コメントありがとうございます。
      教育現場はたしかに多忙で教師一人の仕事量と担任としての能力に、ここまでという限界はありません。やればやるほど仕事ができるようになります。もちろん、自分がどんどん進化していくために勉強しないとだめです。勉強しないで自分の経験だけで仕事していてはそのうち行き詰ります。そういう先生はたくさん見てきました。今でもそういった先生方は現場に少なからずいらっしゃいます。自分のクラス、自分の学校をよくするために日々頑張ることが大事で、公立学校の先生方がこの日本の教育を支えています。順風満帆に言ってる先生よりそうでない先生がほとんどだけれど、それが教育ですから、その目の前の子どもたちに日々精魂傾けているのです。それをやり遂げようとする気持ちと体力があればできないことなんかありません。本気でやれば大抵の仕事はできる。経験は日々積みあがる。学校現場にはスペシャリストはいりません。みんなで協力して任務を遂行していく?ちょっと言い方変ですが。職員集団が心を一つにして頑張ればできます。学校の職員集団がよければ子どもたちも育ちます。先生一人の力量は確かに大事ですが、ひとりで教育しているわけではないので、困ったときは助けを求めることも必要です。それができない学校はダメです。
      教師に一番大事な資質は、子どもを育てていこうとする熱い情熱です。50歳近い家庭のあるおばさん先生がいました。教師経験は3年ほどで臨時採用の非正規教師でした。50歳を前にして、新卒として正規の教師になりました。バリバリやってました。子どもと衝突することもありました。でも、子どもが本当に好きなんですよ。その先生。教師に必要な資質は、子どもへの愛もそうですが、自分自身を本当に好きになれることです。教師の自分を好きだなあーと思えることです。子どもに教師っていいなあとか、私も先生になりたい!と思われるようになることが、求められる教師の姿でもあります。あくまで主観です。教師が夢を語れなくなったらだめだと思います。
      人生は可能性に満ちています。成功する人はすぐに行動をする人。わたしは、教師を辞めてからさらにこの行動力がとても大事なことを痛感しています。

      • 小学校教員になりたかった40歳 より:

        ご返信ありがとうございました。一度きりの人生、ああだこうだ悩んでいるより、いかに行動に移せるかですね。どんな仕事も日々勉強だと感じます。肝に銘じて頑張りたいと思います。ありがとうございました。

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