小学校でもいよいよ英語必修化!問題点やデメリットをきちんととらえる!

授業ソフトの活用で英語の授業は教師の負担を軽減してくれていますが。

2020年からいよいよ、小学校の英語が必須化されますね。大変なのです。

学校現場の先生方にしてみれば、今現在の教育課程の内容でもすでに教える量があふれんばかりの状態です。そこに昨今の教育現場への要求の多さが重なり、新たな教科などははっきり言って入る余地はないのです。

しかしながら、文部科学省がどう考えているのか、教育界の改革⁉はいつもトップダウン方式です。現場の実情はいつまでたっても受け入れられることはないのでしょうね。

すでに、学校教育の内容は今の時代に適合していなくなっているにも関わらず、なんとかなっているのは、日本全国どこに行っても同じ教育が受けられる体制を築き上げてきた日本の教育のすごいところなのかもしれませんね。

現場の先生方のご苦労があって今の平均的な学力が保たれているのでしょう。

小学校の英語必修化もグローバルな世の中ゆえに必要なことかもしれませんが、文科省のやることは間違ってはいません。教育の名のものに実施されることはいいことばかりでしょう。

しかし、それをすることがどれほどのことなのかはいつもわからないのです。

せめて、現場の先生方や保護者の皆様は、今回の英語の必修化を鵜呑みすることなく、じっくりとゆっくりと味わうことが大事かと思います。

小学校の英語の必修化。その問題点やデメリットをまとめてみました。英語を学ぶことができるのはいいことですが、問題点をしっかりとらえておくことが大事です。

真面目に考えすぎることでいつも振り回されているのですから。今回の英語に必修化については、ちょっとは不真面目に考えて、柔軟に対応する姿勢が必要ではないかと思います。

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小学校の現場ではどうなっているか

英語を教える時間がない⁉

英語の必修化の前から、すでに学校の教育課程は飽和状態です。どこにも余裕はありません。

以下の表は、教育課程の標準指導時数です。

現行の時数が右側、2020年からは左側です。

高学年に注目。指導時数合計の980時間が1015時間に増えるのです。今でももうパンクしているのに…。

今回の英語の必修化については、2020年からの本格実施ですが、すでに前倒しで取り組んでいます。移行期間の実施です。

英語必修化は、小学3年から英語活動が加わります。そして、小学5年からは英語が教科として位置づけられます。

3から4年生は、年間35時間(1時間が45分)

5年・6年生は、年間70時間(1時間が45分)

があらたに教育課程に組み込まれます。

これは、毎週英語を学習(活動)することになるわけですから、問題点は今までの教科学習の時間を減らすか、授業時間を増やすかのどちらかになるわけです。

現行の総合的な学習の時間の中で外国語学習として35時間英語に親しむ時間があったので、それが教科になるだけのことですが、きちんと毎週2時間英語を教えることになるのです。

これは、国語算数理科社会などに毎週2時間の科目が増えるということですから総合の時間が減ったからというだけで解決されるものではないのです。

今までもこういった学習時間の確保についていろいろな工夫がされてきています。しかし、もうどこにも入る余地はないのが現状であり、問題点なのです。

もう時間はありません⁉読書の時間を削ろう⁉

学校の一日の生活は、子どもたちの学習への集中や成長の様子を考慮して、いろいろな配慮がされています。

朝からいきなり授業が始まるわけではなく、健康観察やら、何かの練習があったりして準備運動的なことも入れながら、一日が始まっていきます。

しかし、英語必修化で授業の時間の確保が難しい現状なので、思い切った工夫をしないと時間の確保ができないのですね。

いままでもあらたな教科や活動が加わるたびに、いろいろな活動を精選したり、減らしたりして、時間の確保をしてきました。

しかし、それははっきり言って時間がないからです。

時数の確保がほんとに大変なんです。問題点は時間の確保です。

ですから、朝の読書とか運動とか集会などもどんどん精選されていることでしょう。朝のドリルなんてことも今じゃなかなかできません。

遠足がなくなったり、昔よくやっていた写生会などもやっていない学校はたくさんあります。新しいことが入ることで何かを削らなければならない。これが英語が導入されるデメリットです。

どんなふうに英語の時間を確保していくか。前倒しで取り組んでいる学校では朝の時間や掃除の時間を削り、15分ずつの3回で1単位時間を確保して英語の時間を作り出そうとしています。

これは、効率化にはいいでしょうが、本当に子どもたちは集中して取り組むことができるのでしょうか。

細切れの時間で次々と目まぐるしく変わる時間配分についていけるとしたらそれこそが本当は問題なのではないかと。

こんな時間確保からみたら、英語必修化はできないくらいに学校の時間はもう限界なのです。

学校の教育課程(子どもたちに教えるカリキュラムのすべてを指します)では一年間で教えるための時間の確保がきちんされて、いわゆる余剰時間を含めて、ゆとりのある計画を目指します。

しかし、高学年は余剰時間はないのです。算数や国語など主要科目を時間どおりに教えて全員が理解できるわけではなく、繰り返し教える時間が必要になります。

そのためには、時間の遊びが必要ですが、現在の学校では高学年は詰め込みです。

時間がいっぱいいっぱいだったら、例外には対応できなくなります。学級閉鎖などは本当は避けたいことです。インフルエンザは予防に神経をとがらせます。

教える時間が無くなって、過程の終了が来ません。重大な問題です。

とにかく、授業を進めて、遅滞のないようにすることがどうしても必要なくらい忙しいのです。子どもたちも当然余裕がない中で学習しています。

ゆっくり製作とかじっくり練習は少なくなりました。漢字練習は授業ではなかなかできません。練習は家庭学習に回されます。

これが現状なのです。英語が教科になり、総合的な学習の時間がその分少なくなりました。しかし、教科が増えたことで子どもたちのやることは増えます。

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小学校 英語必修化 英語の授業とは

今までも英語の活動として、外国語活動などとして、5年生以上は副教材を活用して親しむことを中心に取り組んできています。

低学年から週1から2回取り組む学校もありました。子どもたちには英語の歌やダンスなどで英語に親しみながら、簡単な会話ができるようなったり、聞き取れるようになったりしていました。これらの取り組みはもうかなり前から行われているのです。

英語には低学年からの取り組みの大切さを感じています。

低学年はとにかく新しいことにどんどん入り込みます。そして、できるようになることに大きな喜びを感じる子がとても多いです。意欲的に学習に取り組む年齢です。

低学年は、高学年に比べて恥ずかしさが少ないので、歌うことや話すことに臆することなく取り組もうとしますので、この時期に英語の歌やあいさつなどの英語の表現に親しむことは日本人の気質から見ても実にタイムリーです。

小学校の英語の学習や活動は、中学の英語を支えることにもなるとは思いますが、英語に親しむことがとても重要なことと思います。

ですから、従来の教科学習のような考え方で、英語を教えることはしないほうがいいと思っています。以下のような方針が大事です。

  • 英語の学習内容は、英語が話せるようになることを重視
  • 歌やゲームで英語の表現に触れる
  • 声に出すことがとても大事
  • 友達や先生とのやりとり(コミュニケーション)を多く取り入れる

中学の英語の土台作りになっても、あくまで英語の良さや外国への関心などを育てるための小学校の英語であるほうが子どもたちへの負担もなくなります。

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英語必修化でまたも詰め込みに拍車が⁉

高学年での英語必修化で問題点はまたも詰め込みです。

5年生以上の学習内容はすでに一切の余裕はありません。学校の行事や学年の行事にかける時間すらも精選しつくしてきており、これ以上の精選は学校の特色を削ることになるのではないかと。

高学年としては、英語必修化ははっきり言ってデメリットです。いままでの外国語学習で十分です。

文部科学省の方針や教育課程の内容によって現場の教師は、時間をきちんと確保して、英語学習に取り組むことでしょうが、はじめから完璧に物事を果たしていくことは難しいでしょう。

大事になことは…いかに子どもたちの学習のバランスをとるかということです。

子どもたちは英語を望んでいるわけではなく、そういうことになったということで学習していくことになるのです。

英語が学習にプラスされることで、学校の生活や内容が子どもたちの望まない方向にいくことがあってはならないのです。

学校の生活はその学校の実態によって様々です。教育課程は全国同一の内容でありますが、現場の先生方の工夫で軽重をつけて取り組まなければその地に生きる子どもたちに合った教育はできません。

それが現場の教師の力です。

英語も大事ですが、英語に振り回されるようではだめです。

今現在も「やっただけ学習」があります。大した内容でもないから一応教えましたという内容です。時間をとるだけもったいないということです。

ひどい言い方ですが、本当に英語のどの部分を教えるかということを各学校でしっかりと検討していくことが必要です。

現場の先生方はもとより、監督責任の校長・教頭先生が学校の生活の在り方を上手に見定めて適切な対応をして下さるようにお願いしたいと思います。

まとめ いかに英語に楽しんで取り組めるか

小学校の現行の教科の時間はそのままです。英語が増えたということです。現場の教師から見たら、授業日数を増やしてほしいという意見もありますが、長期休みが減ることは子どもたちも望まないでしょう。

しかし、新しいことがふえる問題点やデメリットは今までもそうでしたが、何かを減らさないことには足し算ばかりで引き算ができていないのです。

教育委員会も校長先生がたも自分の時代に変革をしようとしません。いいことはずっとやり続けようとしています。

少なくとも、小学校の英語必修化の影響で教師の負担が増えることは間違いありませんから、教える側の教師がいかに英語の必修化に元気に取り組んでいけるかですね。

そのためには、楽しい英語の時間にするべきでしょう。そのためにも、英語必修化の問題点やデメリットを理解して取り組んでいきましょう。

  • 時間がないなら他を減らして時間を作ること
  • 現行の学習活動の見直しをして、カリキュラムを組むこと(引き算が必要)
  • 教科指導においても指導内容の軽重をきちんとつけて捨てるべきは捨てること
  • 英語学習は話すことや聞くことを重視する
  • 教師の負担軽減を学校全体で取り組むこと

英語の楽しさが子どもたちの学習意欲や学校の楽しさにつながるようになるには現場の先生方のご苦労が欠かせないでしょう。本当に感謝感謝です。

学校に負担をかけないように地域も家庭もお互いの役割を果たしていかないといけませんね。学校はもうパンク寸前なのですから。

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