小学生の勉強で重要な科目はやはり算数です。
中学校でも高校でも小学校時代の算数の知識は永遠です。
これができれば、数や量などの世界は無理なく理解できます。
その数学とか算数の学習を支える力になっているのが、計算力です。
算数の苦手な子どもほど、この計算力が弱いのです。算数が得意な子は間違いなく計算が速い!
そんな算数が苦手な子どもの特徴や教え方についてのポイントを紹介します。
算数の苦手な子供の特徴
算数の苦手な子供と一口に言っても、様々なタイプがあります。
ここでは、小学生の高学年になっても算数が苦手な子供に焦点を当ててみます。
算数ははじめのうちは計算が中心です。
数の捉え方から始まって、足し算引き算かけ算割り算と順番に学習していくことになっていますが、2年生辺りでかけ算の九九が出てきます。
1年生からの大きな違いはこのかけ算をすらすら理解できていけるかにありますが、すでに一年生の段階で足し算や引き算が早くできていない子どもは、かけ算も理解に時間がかかります。
子どもの思考段階は一つにまとめることは難しいので、私の見解がすべてではありませんが、計算の遅い子どもは、ほぼ間違いなく算数は苦手です。
数のまとまりとか分解とかそういう部分の理解が教科書通りには理解が進まないのです。
図で考えたり、物で具体的にしてみたりしますが、それはそれで理解できても、数だけになるともうわからないということです。想像することが苦手なのかもしれません。
25という数が10と10と5で考えたり、20と5と考えたりということが苦手なのです。
さらに高学年になってくると、5が5個分で25とか、30から5を引いた数とか、100の4分の一とかこういうことは、どれだけ数に慣れしたんで来たかということにも関係があると思っています。
苦手ということは、生まれて経験してきたことや先天性もありますので、時間がある程度たってみないと、本当に苦手なのか結構得意だったりするのかはわかりません。
ただ、一つ言えることは、
小さいころに知的好奇心をくすぐるような生活や体験をしているかが影響しているようです。
本を読んでもらったり、言葉のシャワーがあったり、様々な体験をさせてもらっていたり、自然環境にふれることや運動に取り組むこと(遊びの中で)が豊富なほど知的好奇心は育ちます。
大人の世界に触れていることもいろいろな言葉や場面に遭遇しますから、それらがよい刺激になっているようです。
兄弟の刺激もあるようです。お兄ちゃんやお姉ちゃんが勉強していることをやってみたいという気持ち。それがやらせてもらえると知的な部分の発達が刺激を受けます。
やらせてもらえなかったり刺激も受けなかったりしたら、その部分が伸びないのです。
算数の苦手な子供は次の特徴があります。
- 計算が遅い
- 九九が覚えられていない(九九の暗唱2分30秒以内)
- 指で具体的に数えていて頭の中で数えられない
- 本が読めない(漢字の読み方が△で言葉を知らないことが多い)
- 繰り上がり、繰り下がりが苦手
算数の苦手な子供によく見られることですが、この姿は低学年の時からそのまま高学年まで改善されることがほとんどありません。その理由はあとで紹介します。
算数は計算が本当に基礎なのです。
ですから、計算が遅いということは算数が苦手になる大きな要素です。
高学年になっても算数の苦手な子供のよくある様子としては、テストなどで計算の部分は何とか点数を取れるのですが、それは、何をどうするかがわかる問題だからです。ところが、計算の確実性が無かったり、十分に習熟していなかったりするために正解率も落ちてしまいます。
算数の得意な子供の特徴
算数の得意な子供は、算数だけでなく、他の科目もそれほどできないということはありません。
算数はできるけれど、国語は全然ということはないのです。むしろ、国語がよくできる子どもほど算数も力もあります。
算数に必要な力は言葉の理解でもあります。
先生の話す言葉や教科書の言葉が理解できることが結構重要です。その意味では、算数のできる子どもというのは、言葉をよく知っていたり、本をよく読んでいたり(簡単な本ではなく、年齢に沿ったレベルの本)することが傾向としてあります。
話をよく聞くことできたり音読をスラスラ読めたりします。暗記などもよくできます。
好奇心が旺盛です。やってみよう、やりたい、負けず嫌いなんてこともよくあります。
算数のできる子どもの特徴は、
- 計算が早い(いちいち書かないで暗算で解こうとする)
- 早く解こうとする(せっかちな部分がある)
- 本をよく読む 読書量も多い
- 国語がよくできる(言葉をよく知っている)
- 好奇心旺盛
算数のできる子どもというのは、大抵積極的な子供が多いです。チャレンジ精神に長けていて、どちらかというと負けず嫌いです。
算数はできるできないがはっきりしやすい科目ですから、できるようになりたいという思いを発揮しやすいとも言えますね。
勝負するとか賭けるとか、ゲーム感覚的な部分もありますので、小学生の場合は感覚的に物事をとらえる傾向の子どもが算数が得意だったりします。
小学生になる前にすでに数の捉えとか言葉の理解とかが無理なくできている子どもは、算数の勉強でほとんど苦労しません。特に、計算や問題の練習すること自体を嫌がる傾向もあります。
苦労なくできることで努力する経験が乏しいと、中学に行ってから苦労することも少なくないです。それは、基本的に学習する習慣がついていないことが大きな原因でしょう。
子どもの性格的なことが算数だけでなく、勉強の善し悪しにつながることは言うまでもないことです。
算数ができるようにする学習
算数ができるようになるにはこれをやればいいという特効薬はたぶんないでしょう。
算数が得意な子どもは割と面倒くさがる傾向があります。計算も早いのですが、雑なところもあります。
算数の得意な子どもほど、やはり難しい問題に取り組ませることです。
1人で解ける力がありますから、そこをどんどんほめてやることです。できる子だって褒められるのはうれしいことですから。
学校現場であれば、できる子は苦手な子に教えてやる場を設けることもいいですね。教えることで理解が深まりますし、教師の手が増えることは学習の停滞を防ぐことになります。
得意な子は放っておいてもいいのですが、ダメなことはダメとあらかじめちゃんと伝えておくことです。計算の仕方が雑なことや面倒くさがることもくぎを刺しておくことが大事です。
それをしないで、突然これはダメ!なんてことをすると、反発しますから気をつけましょう。
答えあってるんだからいいじゃんということを許してはダメです。
一方、算数が苦手な子どもはやる気を持たせることが大事。
足し算や引き算が遅い子どもには、小さなステップをクリアさせて、自信を持たせていくことがとても大事です。
ただし、楽なことばかり繰り返していても、力はつきませんから、
だんだん難しくしていくことととにかく繰り返し練習し、すらすら出来るまで徹底することです。
大体できたという状態で終わりにしてしまう子どもが多いのですが、それではテストで確実に正解することができず、結局自信を無くすのです。
やることは簡単なことなのですが、徹底するかどうかが非常に重要なことです。これをやり遂げた子どもは勉強の仕方がわかって、自分で何をすればいいのかを本当に理解できるようになります。
試験で問われる算数の力は当てはめる力です。これにはこれが当てはまるという風にパズルを解くような感じでしょう。
新たな考え方を生み出すというよりも、解き方を覚えてしまうということです。
それには同じような問題を何度も解いて方法を覚えることにつきます。つまりは、暗記力なのです。
算数をできるようにしたいなら、これが最も結果の出る方法です。
同じ問題集を確実に解けるようになるまで最低でも3回以上は解くことです。できる問題でもすぐに解けなければ、再チャレンジです。
そうして、すぐに解けるようになるまで繰り返して問題を解くのです。
さらに、一週間くらい時間をおいてさらに解く。時間がたつと忘れます。忘れたころにまた解く。
勉強はつまるところ、同じことの繰り返しで身に着けてしまうことに尽きます。
算数は計算力
算数の力を確実に高めるものが、計算力です。
算数の問題で計算しないというものは少ないのです。そして、内容が高度になるほど、計算処理の正確さが重要になります。
基礎的な計算というものは、小学校の5年生ぐらいで完結しますから、そのレベルの計算力を確実に高めることが大事なことです。
九九とか繰り上がり繰り下がりはもちろん、数の合成や分解、約分や倍数なども非常に重要な内容です。
これらの基礎的基本的な計算や数の合成や分解について徹底的に練習することが算数の力の土台になります。
公文式がこれほどまでに人気なわけは計算力があることで算数の力が伸びるからです。
でも、公文式でもちゃんと練習していない子どもは伸びません。
先ほどから申し上げているように、徹底した繰り返し練習をしているから伸びるのであって、公文に行った時だけ計算練習している子どもは伸びません。
計算力を高めるプリント
計算力を高める計算プリントを紹介します。
これがおすすめです。
とにかくバラエティーに富んでいることと量が多いことです。
答えもすべて印刷できるので非常に楽です。
計算力を高めるには、できる計算をいくら練習しても確実性は増しますが、力は伸びません。
容易なものから難易度のあるものにだんだん移行していきます。
できることを確実にしたら、難しいものに取り組んでいけばいいのです。
できるものはあえてやることはしません。
できていないことを繰り返し練習し、確実にできるようにすることです。
そして、今日できたことは少し時間をおいてまたやります。
できるのはそれで完了。できなかった計算を抽出して、練習する。この方法を取り入れればいいのです。
まとめ 勉強には目標と大人の支えが不可欠
小学生の勉強はそのほとんどが宿題をやることですが、勉強が苦手な子がいくら宿題をこなしても勉強ができる子どもにはなりにくいです。
やはり当然のことですが、たくさんの量を練習したり、覚えたりしないとテストの成績は上がりません。
ですから、たくさん勉強するには目標や目的が必要です。
でも、中学生のように定期的にテストがあるわけでもないですし、目標が持ちにくいのが小学生です。
そこで、算数の力をあげるためには、計算力が重要であることは理解していただけたと思いますから、計算力をあげるための目標を持てるようになることです。
子ども本人に任せることは難しいので、親御さんが見てやることが近道です。
問題集を解かせるなど教材を使うことは問題ありませんが、親が子どもの勉強を親身になってみてやる強い意志がないと成功しません。
これができないのであれば、塾に入れることです。公文式はいいかもしれません。
塾に通わせる一番の注意点は、塾の宿題をきちんとやっていけるかです。
ピアノの練習と同じで、レッスンまでに練習するように、公文式も勉強する日までに練習の課題が出ますから、それをきちんとできるようになっていないと、確実に公文式でも失敗します。
勉強が苦手な子どもはこれができないとどんな塾も家庭教師も失敗します。
これらを理解したうえで、取り組ませることが親御さんができれば、子どもの計算力は確実に向上します。
勉強できるようになるには、形ができてしまえば楽です。それが学習習慣です。勉強が苦手な子どもほど、それを支えるのは大人(親や先生など)ですから。大人が頑張れば子どもも伸びるということでしょうか。
算数が得意な子の特徴と算数が苦手な子の特徴!小学生の苦手理由や得意を伸ばす教え方のお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント