職員会議はお決まりの議題ばかりで、話し合うという内容ではないことが多い。提案するものは反対意見や疑問点がないようにすることは大事なことですが、学校の職員会議は建設的な会議ではないということです。もちろん、新たな提案もありますが、ほとんどが確認作業的な時間で、みんなで確認して終わりという感じになっています。
職員会議中に内職の一つもしたくなるくらい全員がいなくても問題ないです。そんな職員会議の時間をなくして、先生たちが元気になる職員会の時間の提案をします。
過去にこのシステムで運営されていた学校があります。実際に参加して、このやり方はいい!ぜひ取り入れたいと思いました。
お決まりの職員会議はもういらない!先生方が元気に明るくなり、コミュニケーションも広がる職員会を紹介します。
小学校の職員会議の時間は本当に必要か
小学校の職員会議に限らず公立の学校においては、いわゆる職員会議とか職員会と呼ばれる会議は毎週一度もしくは2週間に一度の割合で実施されています。
どんな内容が話し合われているかというと、そのほとんどが毎年同じ行事の実施計画やその反省についての協議です。
学校の行事は全職員が関わることも多いので、教職員がお互いに共通理解をしておくことや反省を生かして改善すべき点を明確にしておくことが大事です。
毎年同じ内容でも、毎年職員の異動でメンバーは変わりますので、新たに赴任した先生にとっては職員会での説明は欠かせない場面です。詳しく説明してもらうことで理解ができます。
また、職員会議は1時間半から2時間必要となりますが、多くの協議題を詰め込み、先生方に確認をしてもらうという時間ですから、非常に忙しく、深い話し合いにはなりません。会議というものは、あらかじめ内容を精査し、会議にかけて承認をもらうという形なので、いわゆる意見を交わしあって深めるという性質ではないのです。
仮に、そういう方向になることもありますが、時間を別の機会に取り、関係者だけで話し合ってあらためて会議にかけるということになります。
つまり、職員会議の内容は、確認して了承するというものですから、話し合いというものではないのです。反対的な意見があれば、後日、検討しなおすという感じです。
土光敏夫氏の会議の5原則です。
- 論争せよ。報告や説明の場にするな
- 1対1で立ち会え。助太刀を求めるな
- 全員発言せよ。発言しないなら去れ
- 1時間でやれ。職場のイスを空けるな
- 立ったままやれ
学校現場でもこうした考えは大事にしないといけませんね。
協議事項のほとんどが確認事項⁉
例えば、職員会議での協議題は、例えば、遠足の計画だったり、時期ごとの行事計画の提案だったりしますが、やる内容は変わっていません。毎年同じ内容であることは当然です。
子どもたちが変わるだけで、内容は変わりません。もちろん、細かな変更や改善点はありますが、職員全員が知らないとダメということではないのです。
計画案は書いてあるものを読めば、大抵はわかります。もしも疑問点があれば、他の職員に聞けば詳しく説明してくれます。言い方悪いですが、そんな内容も多いのです。
確かに、全職員に図る場というのが、職員会議しかないので、貴重な場なのですが、大事な協議題というものは意外に少ないのが学校の職員会議ではないかと思います。
何年も同じ学校にいると、行事の運営や計画についても知り尽くしてしまうので、職員会議の時間がなくても困りません。
先生たちの中には、自分の学級のことだけちゃんとやっていればいいという感覚の人もいます。
- 職員会議の内容も見方を変えれば、必要ないことがたくさんある
特に問題を感じないという感覚になっていたら、それは怠惰なのかもしれません。
職員会議はなくしても、資料は必要
職員会議の内容もほぼ毎年議題は同じようなものばかりですから、前年度の資料を見直して提出することがほとんどです。
PCで業務するようになる前から、前年度の資料は有効活用されてきましたから、PCになってさらに簡単になりました。しかし、それに伴い、余計な業務が多くなり、職員会の資料作りも時間をかけられなくなっているのが現状です。
印刷して職員会資料として配布するのですが、そうした手間も教師の多忙に影響しているのですから、もっと有効に活用するように改善していく必要があります。
教師の仕事は子どもとともに活動や行動をすることがほとんどなので、職員会の資料は手持ちの資料として使われることが非常に多いです。
ですから、PCにだけ保存しておいて、閲覧するという形では不便になり、結局、プリントアウトして見たほうが適しています。
- 先生たちは多忙だから、資料をきちんと用意して、いつでも確認できるほうがいい
職員会資料は必要なのですが、職員会はなくてもいいということは言えますね。読んでおけばわかるということも非常に多いのです。
小学校の職員会議の時間はやり方次第で要らなくなる
職員会議の時間は職員が一堂に集まって話し合うというものですが、発言する先生は限られていますし、意見を述べる必要もない議題も多いわけです。
ということならば、なおさら職員会議の時間は無駄になってきます。その時間に教材研究や学級事務をしたいと思う先生方は当然のようにたくさんいます。
そのくらい、時間がないということです。どうでもいい職員会議の時間はできることならないほうがいい。毎週あった職員会議が2週間に一度でも運営できるようになっているのは、教師の仕事の時間を確保するためです。一番の理由が教師の仕事の時間を確保することにあります。
企業でもリモートで会議をしているのが普通になり、必要だと思っていたことがなくても全然問題ないこともわかりました。
- 職員会議に限らず、時間を有効に使うために「あったほうがいい」から「なくてもいい」に変える
学校も同様なことが言えます。職員会議がいらないのではなくて、やらなくてもいいことはやめてもいいということですね。
PCでどんどん発信してみんなで共有
先生たちがお互いにコミュニケーションをとることは大事ですが、職員会議はそうなってはいません。必要な人が発言し、事務的なものです。
もっとみんなが話したり、情報交換したりすることが必要ですし、その方がチームワークにとって有効です。学校の先生はチームですから、お互いに分かり合っていることが非常に重要です。
そのためには話すこと、関わることが欠かせません。
今までは、職員会議や連絡会で提案したり、協議したりしていましたが、今は情報化の時代ですから、PCを活用して、どんどん発信して情報交換することが可能です。
同じ時間に同じ場所にいなくても、PCで情報を共有すれば、いつでも確認できますし、意見のやり取りもできます。
一週間に一度の会議で提案するのではなく、タイムリーに提案し、情報交換ができます。
この仕組みを活用しない手はないです。
何でもかんでもこれでいいというのではないのですが、大事な用件は関係者で協議するということにしても、連絡するだけのことなら、いちいち職員会議で取り上げなくてもいいのです。
見ればわかることは見て理解しておいてもらうことで十分です。
- 常に情報が共有されていれば、会議の必要性は減っていくものだ
- 全員がいつでも発信できることは時間の有効活用になる
今は、従来のやり方に慣れてしまっているので、新たなシステムが面倒に思う先生が多いでしょうが、物事が変わるときはいつでも同じです。始めだけ大変に思うだけで、そのうちそれが普通になります。
全員で話し合う必要のないことはマニュアル化する
学校の行事においては、ほぼ毎年同じ方法で同じ規模で行われます。
変更点はあっても、大きな改善というものはほぼありません。毎年、違うことをやっているようでは実はすごく大変なのです。毎年同じでも、子どもたちは変わっていくので、楽ということはありません。
同じことの繰り返しならば、内容はマニュアル化するほうが効率的です。
儀式の計画、避難訓練、安全教室、読書旬間、保健行事など、計画を読み、いつどこで誰が何をするのかが明確になっていれば、子どもたちに適切な指導や指示を出せます。
- 読めばわかることをいちいち説明するようなことは本当はしなくてもいいことなのだ
先生方が自分でちゃんと理解していればいいのです。もしも、疑問や意見があれば、担当者に聞けばいいですし、変更が生じたら、また連絡すればいいことです。
小学校の職員会の新たなスタイル
ドラッカーが理想的な組織について述べています。
理想的な組織とは、会議のない組織だ。会議で話し合わなくても、やるべきことを一人一人が理解しているし、仕事に必要な情報を持っているべきだ。
こうした組織では、会議はまれに行われるものだと思いますし、会議をしている時間は生産性はないとも言われます。
どうせ話し合っていい成果を出すのであれば、話し合う必要があるべきです。
今の学校の職員会議はなくてもできる内容が盛りだくさん?なら、今すぐに見直すべきです。
そこで、過去にある学校で行われていた職員会を紹介します。
その学校では、ほとんどの学校で行われている職員会議の内容は協議されません。毎週一度、全職員が集まって話し合うテーマがありました。
それは、生徒指導に関すること、授業に関すること、自分の悩みなどの3つの事柄です。
この3つのテーマについて、一人一人が必ず発言します。それも何度も発言する機会があります。
結論は求めません。しかし、互いに教育の在り方や指導について求め続けるのが教職員の集団です。
これがなくなってしまったら、教育の進むべき方向がぶれてしまいます。
そういう意味では、教師として、学校として何を日々大事にしているのかがよくわかる内容です。
この職員会では、教職員が小グループ(5人程度)に分かれ、上記のテーマに沿って一人が時間内に話します。一人1分で、話します。時間来たら、鈴が鳴り、次の順番の先生が話します。勝手に発言することはできません。順番が来たら話すことができます。何度も話す機会は回ってきますので、その時に話せばいいのです。
長い話をダラダラされても困ります。全員が話すことがコミュニケーションでもあります。
さらに約束事があります。聞いた話について決して批判しないこと。
若い先生でもベテランの先生でも一緒になって話をし、話を聞きます。聞いた話に合わせて話してもいいですし、関わらなくてもいい。それぞれの思いや考えを聞きあうことで、議論をすることにもなります。
時には、あるテーマについて話されることもあるでしょう。校務にすぐに関係する内容であれば、担当者にあとで伝え、参考にしてもらいます。
必要な作業は、必要な関係者でまとめればいいのです。全員が同じ時間にいる必要はありません。
では、今までやっていた職員会の内容についてはどうしていいたのか?というと、計画や反省は資料として、全職員に配布します。それをきちんと読んで理解しておくことが大事なのです。わからなければ、担当者に聞けばいいのです。改善点があれば訂正し、また全員に知らせればいいのです。
この取り組みを知ったのは、今の事務処理と比べかなり昔です。ですから、今の時代なら、職員共有のPCですぐに全職員に周知できますね。本当にそういう意味では今の時代は便利です。
従来の職員会のような場は必要なくなり、本当に必要な教師の資質を高めることや授業や生徒指導についての在り方を日々大事にする職員集団になると思います。
新たな職員会議の方法についてまとめます。
- 小グループで授業(研究)と児童理解(生徒指導)、自分の悩みなどのテーマについて語り合う
- 一人一回の発言時間は1分程度で順番に従って話す
- 聞いた内容について批判はしない
まとめ役の先生は話し合った内容から、必要があれば、関係者に伝えて参考にしてもらう。
学校は教育の場ですから、本来の仕事についての議論がされるべきなのです。授業のあり方や子どもの理解などに教師の力が向上していくことが大事なことです。学校現場がそうした気風にあふれているかどうかが大事なことでしょう。
この職員会の話し合いで得られることの一つは、常にお互いに話せる環境をつくるということでした。この職員会の時間だけでなく、気になることやアドバイスをするというよりも、気軽に話せる関係をもつことで、時と場を選ばずに問題解決の道があるということでした。
確かに、この方法をとることで、いろいろと自分自身のやることが増えると言っていました。資料はきちんと読んで理解しておかないといけないですし、だらだらと仕事をしていては多くのことはできません。怠けている教師ではとてもできませんね。
しかし、そのくらい教育という現場は、無駄なことをできる限りなくし、教師一人一人が子どもたちのための仕事に集中できるようにしていく必要があります。
また、先生たちが互いに支えあえることが学校の力になるわけですから、仲が良くなければいけません。仲良しクラブではなく、一人一人のことをよく知り合う厳しさのある仲間です。そのためには、よく話し、よく聞くことをしていくことが本当に必要です。
この職員会をぜひ実践してほしいと思います。
まとめ 小学校の教育の質は職員の和にある
学校が子どもを育てます。そんな学校は、そこの先生たちが切磋琢磨して学校の力を高めているはずです。
公立の学校でも私立の学校でも、名もない普通の先生たちが日々子どもの指導に奮闘しています。
決して一人だけでは頑張れません。学年の先生たちの支えだったり、職員の温かい協力のおかげです。ですから、先生たちが同じ方向を向いて、一緒に歩いていくことが大事なことです。学校にはスペシャリストはいらないのです。みんなで力を合わせて取り組むことで大きな力になるのです。
時間がないという今の学校現場において、重要なことを優先し、形にこだわることはやめましょう。また、やる前から難癖付けて面倒なことを避けたがる変なベテラン教師になってはいけません。
この職員会の方法は意外に楽しいです。先生方一人一人の意外な一面が分かって理解が深まるどころか、多くの先生と心が開かれる関係になると思います。まずは、とにかくやってみる。
この世の中、それが違うということ自体がまちがいだったりするわけですから、この職員会お勧めです!
職員会議の時間いらない⁉職員会議は何を話す?職員会議の新たな方向・方法を提案のお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
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