夏場の学校では水泳は子どもたちの楽しみであり、学校水泳があるから子どもたちが泳げるようになるのです。
小学校のうちに泳げるようにならないと中学校以降に水泳をする機会は激減します。
小学校の水泳で泳げるようになるポイントを紹介します。
小学校の水泳指導は長く泳げることが目標
小学校の水泳指導が激減すると、泳げない子どもが確実に増えます。
小学校で泳ぎを覚えたら、そのあとははっきり言ってどうでもいいと思います。
中学でもそれほど重視しないですし、将来的に必要なのは、いざというときのために大事ということです。水害とか川や海での遊びの際に必要になります。
とにかく、小学校で体得するのは、長く楽に泳ぐことができるということです。
25mプールで25m泳げることは、目標にはなりますが、身を守るためには25mではほとんど泳げないうちに入ります。
はじめのステップとしては、25mを泳ぎ切るのは意欲になりますから、これは小学校の4年生ぐらいまでには達成しておきたい目標です。
大人になっても泳げているという人は、少なくとも50mくらいは立たずに泳げた人です。
小学校の水泳の時間は水浴びや水遊びになっている子どもが結構います。練習といって25mを何回も泳がせますが、途中で立ったり、ゴール手前で立ったりして、25mをコンスタントに泳ぎ切っている子どもは全員ではありません。
「泳ぎ切る」には、長く泳げるということができないと泳力はつきませんから、とにかく、小学校の水泳指導の目標は、長い距離を確実に泳げることであり、少なくとも25mを楽々泳げる泳力です。
泳ぎ方の段階的指導
スイミングスクールと学校水泳では、基本的にレベル別の指導ができるかどうかですが、学校では担任が2人で安全確認もしながらの授業です。ですから、個別指導は十分にできません。
しかし、泳げる子どもたちとの格差がありますし、それを意識して泳げるようになりたいという意欲になりますから、頑張る子どもがほとんどです。
段階的な指導をいかに紹介します。
泳げる前にできるようになること
- はじめに取り組むことは息継ぎジャンプ
- 水中でジャンプしながら、前に進む
- 水中では息を吐く・水中から出たら息を吸う→水中に沈んでブクブク…ジャンプして飛び出しパㇵ!
(パㇵ!についてですが、パはブクブクと吐いていたから、息を吸うために唇がパッと開くのです。その開いた瞬間にハッと息が入るのです。一瞬で。)これは吐いてないとできません! - 水面で浮く(背浮き、伏し浮き)
- バタ足で進む(背浮きのキック、伏し浮きのキック)
- 背泳ぎ
- クロール
以上のように、体を伸ばして背浮きでキックしていわゆるバタ足で進めるようになるということをはじめの段階で取り組ませるのですが、学校水泳では背泳ぎから導入していくということはありません。
スイミングスクールではこのパターンが多いのですが、こちらの方がかなりの割合で泳ぎの形がよくなります。
それは、体の軸をまっすぐに伸ばした状態での浮き方ができるようになっていることにあります。これは体に無駄な力が入ってない状態で浮いていることができるからです。これが本当に大事です。
仰向けでもうつ伏せでも体をまっすぐにして浮けることが泳ぎの上達の肝になると思います。
息継ぎが一番大事
泳げない段階でも水に慣れるためには水の中で息を吐くことがポイントです。
水中では息を吐き、水面に出たら息を吸う。
これがブクブクパㇵ!です。
子どもが一人でできないなら、先生が子どもと一緒に対面して両手をつかんで、水中に沈む~出るを繰り返しながら、ブクブクパㇵ!を確認します。
これができたら、水中に沈んでから、大きくジャンプして水面に飛び出す動きに合わせて、ブクブクパㇵ!をできるようにします。
この次には、このジャンピングをしながら、水中を前に進むようにします。進むポイントはジャンプに合わせて両手で水を押し下げて勢いよく前方にジャンプするようにします。
水の中にしっかり潜る(沈む)ことができるのは、水慣れの大きな経験になります。
浮くという姿勢の練習を次の段階で取り組みますが、浮くことが苦手な子どもほど、沈むとか潜ることがちゃんとできません。
浮くことができれば
学校の水泳では、水慣れの中で達磨浮きとか大の字になって浮くなどの遊びがありますが、仰向けで浮くことを取り入れましょう。
先生が子どもの首の後ろに手を添えて支えてやり、もう片方の手で腰のあたりを支える感じで水面を頭上の方にゆっくり進ませるようにしながら、浮く感覚をつかませます。
簡単にはできない子どもが多いと思いますが、おなかを水面に突き出すように声がけしながらやるといいでしょう。子どもの手は軽く左右に広げる感じでいいです。
顔は、あごを引くようにすることもポイントです。
体全体の力を抜き、だら~んとした姿勢をつくることができるかどうかです。
なかなかできない場合は、ビート板をおなかのあたりに置き、両手でビート板の上の面に置いて、ビート板におなかをくっつけようとすることでおなかや腰が沈まないように練習させます。
手でビート板をおなかに押し付けようとしてはダメです。ビート板は浮くためではなくて、おなかを上げるために使うのです。
毎回繰り返し練習して、背浮きができるようになると、伏し浮きは完全にできるようになります。
背浮き→伏し浮き
背浮きができるようなったら、バタ足を入れますが、その前に背浮きから伏し浮きの連続を練習させます。
体をまっすぐな状態にして、背浮きからくるっと回って伏し浮きに、伏し浮きから背浮きに。腕の動きを入れるとやりやすい子どももいます。できるだけ足が大きく動くことがないように回転することができれば完成です。
背浮きの状態でバタ足を入れますが、バタ足が苦手な子どもには、足首をつかんで上にける感じをつかませましょう。背浮きの状態ではやりにくいので、プールサイドに腰かけさせ、足首が柔らかく動きながら、足全体が動いているかを確認します。
背泳ぎ
フォームの確認は、陸上で腕のかきをできるようにします。
- 片方の手で体の真横を頭上からかいて腰(尻)まで手が来て、足に触れるときに、もう片方の手が頭上にあり、かき始める瞬間。
- これからかく腕は尻から空中を大きく頭上に伸ばして着水。小指側から着水する感じ。
- これをスムーズにできるようにしてから、水中で練習してみる。
- ゆっくりでいいから、左右がリズムよく腕が動くまで感覚をつかませる。
バタ足がある程度できるようになってからの練習です。
クロール
背泳ぎがある程度できてきたら、泳ぎながら、片腕が頭上に伸びた腕の方に回転しながら伏し浮き状態にできるので、その回転が(体のねじりが大事)クロールの腕のかきのフォームにいきてきます。
クロールは、この体のねじりができていないと、腕がきれいに回らないので、苦手な子どもによくあらわれる腕が水面に出てこない動きになってしまいます。
クロールのポイントはいろいろありますが、一番きれいに泳げるコツが以下の通りです。
- 腕は真っすぐ伸ばしてからかく。
- 片方の腕が前に伸びたときに、左腕ならば、左の耳をその伸ばした腕にくっつける。
- くっつけたまま、息継ぎをするが、自分の右側の肩を見るようにして息を吸う
- クロールは水中でも前を見ない(前見ようとすると、あごが上がり、姿勢が崩れる)
これも陸上で練習しておいてから、水中で実践したほうがいい子どももいます。
息継ぎで顔を前方に出したり、すぐに立ってしまう子どもの多くは、息継ぎの基本中の基本ができてないことが多いのです。水中では息を止めているこどもは息継ぎのタイミングが合いません。
水中で息を吐くことができないと、このクロールの息継ぎはできるようにはなりません。
顔を水中に入れた瞬間から息を吐き始め…ブクブク…勢いよく吐き、息継ぎで肩を見るように顔を上げてきたら、パㇵっとなりますが、その瞬間に吸えています。
それが理解できていないことが多いのです。クロールの段階でも息継ぎが正しくできているかを確認する必要があります。
まとめ コロナ禍でも水泳指導はできる
コロナ感染が心配で水泳の時間を中止にしている学校がありますが、授業をしている状況で密になることはほぼなく、着替えのために更衣室などに集まることがリスクであると言われています。
教室にいること自体がすでに密です。着替える場所をできる限り広い部屋にしたり時間差をつけるなりして工夫することはできます。
夏場の学校において、水泳や水慣れの時間は子どもたちにとって学校生活のストレス解消でもあります。
子どもたちの学びの時間というものは、いくらでもあるように思いますが、タイミングが合わなければその機会はないのです。
水泳指導が滞ることで学びの機会が一年先になることは重視すべきことです。
学校での水泳で学ばない限り、多くの子どもたちが泳げるようにはなりません。その学校の役割を大事にしていきましょう。
小学校では水泳授業は必要です!泳げるポイント紹介しますのお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
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