学校生活がスタートしましたね。
コロナ禍であっても、学校はほぼ変わりなく学校生活を進めていくでしょう。
始まりは先生も不安を抱えています。と同時にどんな学級にできるかということも大いに考えます。それが学級担任の大きな課題だからです。
そのために決めておきたいことが学級目標です。
その学級目標ですが、高学年ともなると最終的には卒業や進学が関わってくるわけですから、ゴールを見据えた学級づくりが必要なってきます。
その学級目標の決め方について簡単にまとめてみました。
小学校の学級目標って何?
学級目標はその学級が一年間に達成したい学習や生活態度を表した学級全員の目標です。
まあ、簡単に言えば、どんな学級になりたいとかどんなことを全員で達成したいとかいう願いみたいなものですね。
ただ、願いではなくて、達成するために掲げるのが目標ですから、それに向けて学級のみんなが意思統一されていないといけないものでもあります。
昔は、先生が勝手に決めてみんなにこれを大事にしようと上から目線で掲げていた傾向があります。しかし、校内暴力や様々な事件や事例を反省しながら、子どもたちに寄り添う教育が主流になって長い時間が経ちました。
今、学級目標は子どもたちと共に考え、決められるようになっています。
小学校の3年生以下では、まだ学級のまとまりを意識することが少ないので、学級目標は先生の意向が強く反映されますが、4年生以上になりますと、学級の団結や相手意識も強くなり、一つの社会として生活するようになりますから、学級集団としての力なども大いに発揮されやすいです。
ですから、学級が一つのまとまりのある集団になることで、学習や活動がお互いの協力によって進むようになり、とても居心地のよい空間となります。
この学習できる集団というかまとまりのある集団になりますと、学力も向上したり互いに成長しあう関係ができ、教師としても学級運営が円滑に進みます。
教師が後ろで援助しながら、子どもたちが自分たちの生活を自分たちで作れるようにするためにも学級目標は大きな意味を持っています。
学級目標は、一年間の学校生活をみんなで作ろうという意思の現れです。
学級目標は、高学年の子どもたちが自分たちの生活を築き上げるための大事な道しるべと言えます。
- 小学校高学年の学級目標は学級集団を成長させるためのもの
- 小学校高学年の学級目標はみんなでつくる
- 小学校高学年の学級目標決めは子どもたちの自立生活の第一歩
学級目標はお題目ではなく、子どもたちの生活を絶えず振り返るための道しるべとなるべきですね。
小学校高学年の学級目標の決め方
学級目標は、先生が方向性を示す
先生にはどんなクラスにしたいのかという願いがありますから、それを文言にして子どもたちに提案してみることで子どもたちにもその方向性を考えさせることができます。
ただし、子どもたちの思いと先生の思いがずれていることはよくあることですから、子どもたちの願いや思いを大事にして、そこに先生の願いを重ねて考えるといいでしょう。
先生が願いを語り、子どもたちがそれに賛同すればそれはそれで方向性が決まります。子どもたちに自分の思いを投げかけてみることで子どもたちに新たな価値観が生まれ、目標が明らかになると子どもたちも先生が決めたというものではなくなるでしょう。
子どもたちへのアプローチの仕方は様々ですが、まずは先生がどんなクラスにしたいのかということを熱く語る場面が必要だと思います。(語らなくてもいいのですが、ちゃんと伝わることが大事)
子どもたちの様子をよく観察し、実態を見極めてから提案するとよいでしょう。
アンケートをとり、話し合いで決める
話し合いで決めるという方法はとてもよい子どもたちの自主性が生かされると思われますが、話し合う力がない学級ではあまりお勧めできません。アンケート結果をもとに多数決で決めてしまって、話し合いにならないからです。馴れ合いの学級や団結力のない学級では形ばかりが優先されて中身がない話し合いが多いので、細部にわたって教師の指導が必要です。
子どもたちに任せながら、先生が変えてしまうということは非常にまずいことです。
決まったことを先生が覆すようなことは時間の無駄ですから、子どもたちに話し合って決めさせるということは話し合いの指導をきちんとしたうえで実施しましょう。
学年のはじめは、学級集団もまだ安定していないので、実態を見極めないうちに大事なことを決めてしまうのは、後悔のもとです。
話し合いがなかなかできないような学級であれば、先生が主導しながら子どもたちの思いをまとめていくという流れでも全く問題ありません。
学級目標はみんなの目標にならないと意味がない
学校生活の基本は学級生活です。その学級生活とは集団で生活しながら、多くのこと学んでいく場です。当然、お互いを意識し、協力し合い、ともに高めあうということが目的です。個人の願いが実現することは大事なことですが、学級として自分たちという意識が高まることがないとただの集まりというだけで、学びの集団にはなりません。学級集団が一人を大事にして、一人がみんなのことを思って行動するようになることがゴールです。その学級の目標に向かって歩む中に人として大事なことを学ぶことができればいいのです。そのための目標が学級目標です。
たとえば、クラスマッチ優勝とか合唱コンクール出場という目標であっても、それを目指す過程に一人一人が学級のために何をするのか、この学級で自分は幸せなのか、何か問題はないのかといったことが取り上げられるのです。
学級目標はみんな一人一人が学級のことを思って決められるものでなければ意味がありません。
全員の総意で決定されることが最も重要なことです。
小学校高学年の学級目標は言葉選びが重要
学級目標は表記の仕方がいろいろありますが、「目標」ということですからそれらしい言い回しを大事にしてみてはどうでしょうか。
言葉は表し方で受け取り方も違っていますからね。
子どもたちに自分の目標などを書かせると、○○したいという願い的な言い方になっていることが多いです。したいと書いていても、それを目指すという意味なので、細かい指摘になってしまいますが、強い言い回しの方が決意がはっきりします。
例えば、
「思いやりのあふれる学級にしよう」よりも「一人一人が思いやりの行動をする学級」というようにゴールの姿をあらわした言い回しにすると、決意がにじみ出る感じがしませんか。
スローガン的に○○しようというのもいいのですが、具体的な姿が見える目標の書き方をお勧めします。
この現実の姿が見えるような言い回しは、目標の振り返りがわかりやすいことが大きなメリットです。
思いやりがあふれる?って、どうなっていればいいの?となりますね。でも、一人一人が思いやりの行動をするとなると、全員誰もが思いやりの行動ができているかということになりますね。
学級目標は全員の総意ですが、一人一人がどんなふうにそれを目指すかは様々な姿があるのは当然です。でも、共通している思いを実現するためには、具体的な姿で目指した方があいまいにならないということです。
とかく、学級目標は飾りになってしまいがちです。ですから、この学級は何に取り組んでいるかということが見えるようなものなると、意識もしやすいと思いますね。
小学校高学年の学級目標は掲示物の一部?
子どもたちにとって教室はいろいろな目的に使われますが、大抵は落ち着いて学習に取り組む場です。現在、学級には様々な障害を抱える子どもや外部の影響を受けやすい子どもが多くなってきました。
そのため、教室環境自体がマイナスな要因をつくらないように気持ちが安定しやすい雰囲気作りが大事にされています。
黒板の周りにはとかく掲示物で子どもたちに情報を与えることが多いのですが、注意が散漫にならないように必要最低限の掲示をするようになりました。
大きく書いて黒板上部に掲げていた学級目標も威圧感のないものにしたり、表示を小さくしたりして黒板に集中できるように配慮しています。
場合によっては、教室の側面や後ろの方に掲示して、全面を簡素な掲示にする学校もあります。
最近では、黒板の板書だけではなく、IT使った授業が多く、そうした機器を教室内に設置するだけでも非常にごちゃごちゃした教室環境になってしまっています。
学級目標の掲示は大事にしたいところですが、天井に掲示したり、色を使って、大きさは抑えてもはっきりとわかりやすく目立つ形にしてみたりと、教室掲示全体のバランスを考えながら、掲示してみましょう。
教室は掲示物の貼り方や大きさ、場所の使い方で雰囲気が全然違います。常識にとらわれないで、いろいろと試してみましょう。
まとめ
小学校高学年の学級目標の決め方について紹介しました。
まとめると、
- 学級目標は子どもたちとともに時間をかけて決める
- 先生の思いを必ず話し、子どもたちに学級への願いを持たせる
- 決め方は様々であるが、子どもたちの総意で決めないと意味がない
- 学級目標の言い回しは決意が表れるような文言にする
およそ、こんな感じでしょうか。
小学校高学年の学級は団結するとすごい力を発揮します。そんな学級にするには、先生の強い思いと子どもたちのまとまりが必要です。それを実現するためのはじめの一歩として、学級目標決めに力を入れましょう。
目標をしっかり決める(持つ)ことは、行動への大きな一歩です。
何事も始めが肝心といいますね。4月も5月も忙しい日々ですが、焦らずじっくりと取り組めばいいと思います。大事なことは時間がかかる…慌てることはないです。
学級目標小学校での決め方!掲示やデザインはこうすればよいのお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
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