教師の必読書ということで私がおすすめするのは3冊だけです。
教師にとって、本を読んで学ぶことは仕事と同じです。本を読まない教師はおろかなベテランになると思っています。
でも、読むだけではだめです。考えを深めるには行動することがどうしても必要です。教師は実践者ですから、行動できないならなにもしないのと同じです。
私は行動するために教師は読むべきだと思っています。
今回は、実用的なハウツウ本ではなく、教師として大事にしてほしい信念を実践するためにおすすめな3冊を紹介します。
小学校教師が大事したい心得
小学校教師って大変だとか全教科教えるんでしょ!とかそんなことはできないっていう人もいますが、少なくともどんな世界でも同じでそのつもりでその仕事に就いた人はものすごく大変ではないのです。
ほとんどすべての仕事はその気になって取り組んでくれば誰でもできるものなんだと思います。ただ、成果を上げられる力を持っているかどうかは本人の努力次第。
小学校教師の成果とは、子どもたちの成長を十分に後押しできるかどうかです。また、学力を上げることができるかです。
成績が上がることは子どもにとってもよいことですが、いわゆる勉強ができるようになることが小学校教師が重視するところではないのです。
中学校は教科担任制です。専門的な知識が求められますし、子どもたちも各科目の勉強をたくさんしないと進学できません。テストの成績は非常に重要です。
一方、小学校は教科の専門性よりも教育の専門性を求められると言っていいでしょう。
子どもたちは、勉強することのよさや生活上の基本的な行動や考えを学ぶ時期です。多くのことに関心を持ち、意欲的に学習することができるようにするのが教師の役目と言えます。
知識を教え込むのではなく、いろいろな事象に出会わせ、体験や経験を大事にさせながら、人間的にも成長していくようにサポートするのですから、本当に総合的な教育力が必要なのです。
小さな子どもたちは大人の言うことに素直に従ってしまうことが多いのですが、正しく物事をとらえ考え、子どもに寄り添う指導をすることが非常に大事です。
子どもたちは不完全なのですから、それをわかったうえで適切に指導することができないと、それは押し付けにしかなりません。教師は後押しする存在なのです。引っ張ることも大事ですが、そればかりでは子どもたちの学びにはなりません。見かけの成長ではなく、中身を成長させるには、それなりの教師の姿勢が非常に重要なのです。
それは、小手先の教育技術よりも人としての成熟度が必要です。結局、子どもは先生の人としての姿を見ているでしょうし、心が動かされるのは、共感なのです。
小学校教師は、教えてやるという一方的な姿勢だけでなく、子どもたちが自分の力でできたかのように指導できることが理想です。そして、自信を持たせることが究極の目標です。
小学校教師だから大切にしたいこと
学級担任をしたら小学校教師は何を目標にするかというと、自分のクラスをどんなクラスにしていくかとか、お互いを大事にする仲間になってほしいと願います。
学校生活は学級生活が基本です。小学校は学級生活の経験が学びなのですから、学級がよければ子どもたちは多くを学び、学級が悪ければ学びを失います。これは確かに言えることです。
よくない環境では多くのことは学べない。子どもたち一人一人が自分の心が開かれていることができるのは一人一人を大事にしている環境なのです。
間違ったとらえにならないようにお話ししますが、小学校の学級はできる人たちの集まりにするのではありません。成績がいい子どもたちにするのではなく、どんな人も受け入れてともに学ぶことができるようにすることです。
これから大人になっていく過程において、人としての大事なことを心に刻めるようにすることが小学校教師の仕事なのだと思います。
教師の言うことをよく聞く学級にしてはいけません。何でも素直に決まってしまうことは子どもたちの結束があると勘違いしている先生もいます。子どもたちは先生を超えるぐらいの生意気さがあっていいのですから、問題を抱えていることはそのクラスが生き生きしている証拠ぐらいにとらえるほうがいいのです。
勉強ができるようになることは中学校に向けてはないがしろにできません。しかし、その子のよさは勉強のできるできないで決まると思わせることがそもそものミスなのです。
だから、私は思います。小学校教師は、子どもに希望を持たせること、自信を持たせることです。
子どもの希望や自信は、いずれ砕かれるでしょう。人生は厳しいものです。でも、希望や自信を持たないでいる人とあきらめて生きている人では、その後の学びが全く違うものになるのです。
大きな希望や自信を持てというのではありません。
後ろ向きに生きるのではなく、前向きに生きるポジティブに生きる。これを教えることが小学校教師の使命ではないかと思います。
小学校教師におすすめの3冊
小さいことにくよくよするな!しょせんすべては小さなこと リチャード・カールソン 著
教師は仕事に追われ、親に不満を言われ、頑張っても褒めらえず感謝もされず、どうして認めてくれないの?と身も心も疲れ果てている…どうしてこうなるの?俺なんか悪いことした??すれ違いや勘違いだったの?どうすりゃいいのさ⁉
そんな時にこの一冊に出会い、自分の考えや思いをあらためるようになりました。
しあわせは誰かから与えられるものではなく、自分が幸せを感じるかどうかで決まるものだったのです。
まあ、私のこの本の感想を聞いても説得力ないので、とにかく一度読んでみてください。教師よりも前に人間としてどう生きるべきかということがよくわかります。
学校での職員同士のかかわり方や子どもたちへの接し方、指導の在り方について、そのもとになる考え方を指し示してくれると思います。
小さな子どもからお年寄りまで幅広く読まれ、感動を与えた一冊です。この3冊の中での一押しです。
教師はどこを見られているか 有田和正 著
有田和正氏の授業づくりの本は数ありますね。その中でも追及のさせ方とか子どもたちに学習の基礎力をどうつけていくのかなど参考になるものはありましたが、この一冊は教師の十戒的な要素が書かれています。中堅やベテランの先生にも読んでもらいたい内容です。
少し前の時代の出版ですが、教育の在り方や教師の姿勢として大事にするべきことは、時代が変わってもその価値は変わりません。
今の時代、学校教育が何だか変なことになっているというのか、進歩しているのかよくわからない状態ですが、教師は子どもとともに歩むことを忘れてはいけないのです。そんなことを反省させられる一冊です。
グッバイ管理主義 佐保利流学校心得 森毅 著
いよいよ学校の在り方を問い直すような時代になりました。コロナで学校に来なくても勉強することはできる。学校の価値とは何でしょう。
本文から…だから、人間にとって「よい生き方」なんてものはないと思う。それは、親にとって、子どもの「よい育て方」がないようなものだ。ついでに、「よい学び方」なんてものも、教師は口にしないでほしい。人間の生き方は、人間の数だけあるのだ。
小学校教師は、というか、教師がしていることはいわば洗脳だとも言えます。教育は子どもの考え方や物の在り方を思い込ませる作業かもしれません。
素直な子どもたちゆえに、どんな色にも染まってしまいます。教師の存在と言葉は、本当に影響力があるのです。
教師が自分の考え方や価値観を押し付けてはいけないのですが、放任してもいけません。管理されないことを反対ばかりしてもダメです。
自分にとって賛成の考えも反対の考えも教師は両方理解することが大事なのでしょうね。
まとめ 勉強は真似をすることがとても大事
小学校教師の必読書なるものは数多くあるでしょう。けれども、先生方一人一人にとって何が合っているかによって、必読書は様々です。
私も多くの教育書を読んできましたが、読んでもときめかないものはそのうち忘れてしまいました。
私はどちらかというと、教師にあこがれていたのではなく、先生として見られるのが嫌だった部類に入ります。それが、教師に生きがいを感じ、教師であることに誇りを感じていました。
師と仰ぐような先生にも出会わなかったし、すごい実践をしてきたとも思いません。困ったときや悩んだときは本に助けを求めて乗り越えてきたかなと思います。
そして、書いてあることをそのまま真似して、いいことはずっとやり続けました。ずっとやり続けるうちに自分のものになったように思います。
本から教えられることは数多くあります。そして、それを実践することは教師の考えや行動をレベルアップしてくれます。どんどん読んで、真似をすることは子どもたちにもプラスに働くのであればこんないいことはありません。
常に前進する教師になりたければ、どんどん読んでどんどん真似をしよう!新しいことを実践することはいつもワクワクしていましたね。あなたの教師人生は、一冊の本で世界が変わるかもしれないのです。
教員が読むべき本⁉おすすめはこの3冊!小学校教師に向けてのお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。
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