ワイピーシステム(埼玉県所沢市、吉田英夫社長)の自動車用脱出ハンマーが出荷を伸ばしている。先端の突起部で窓ガラスを割って脱出でき、シートベルトを切るカッターを備え、さらに簡易消火器になる1台3役の機能を持つ。豪雨で冠水・水没した自動車に閉じ込められる事故が増えており、国土交通省などでも台風シーズンに備え1台に1本の配備を呼び掛けている。
引用:日刊工業新聞
大型台風が接近しているが、相当に強力な台風のようだ。島民が脱出しなければならないくらいの異常な台風だ。
最近は異常気象が原因であると思うが、例年の大雨や水害の予想を超える事態が発生している。
今回も大丈夫だろうという思い込みが危険への対応を遅らせ、命にかかわる事態を引き起こしている。
災害への備えはしているようで実は何もしていないことが多い。
地震大国でありながら、すべての家庭に防災グッズがあるかというと、それは間違いなくNOであり、便利になりすぎた日常生活ゆえに何とかなるという思いにさせているのかもしれない。
災害が報道されるたびにその光景に驚き気持ちを新たにするだろうが、次の日になればそんな思いはどこかに行ってしまう。
自分自身も含めて、ほとんどの人は災害を見ても、思いはあっても行動にはならない人が多い。
だから、いざとなると何の備えもない無防備状態で危険を迎えることになるのだ。
さて、この車搭載のハンマーである。
どのくらいの人たちがこのハンマーを車に備えているかというと、非常にわずかであろう。
新車を購入しても、窓をたたき割るハンマーが常備品として付いてきているかというと、それはゼロである。
そもそも、そうなる可能性がほとんどないわけなので、必需品にならないのである。もしも、必需品になっていたら、そうなる可能性が大きいことを前提にしてしまうのだ。日本の安全意識はもしもに備える感覚が非常に低いと思う。
その点外国は、不完全を前提にしているようなところがあるから、見習うべきだと思う。
このハンマーであるが、どうして必要なのかはご存じだろうか?
最も説明でわかりやすいのは、車から脱出する必要があるが、ドアが開かないということだ。
非常時には、車のドアは開かなくなる。
その最も危険な状態が車が水没したときである。
例えば、湖や海などに車ごと転落した場合、どうなるかというと、
上記の動画:JAFのWebサイトより引用
窓が開かない…電動開閉式なので、電気系統が切れていればスイッチを押しても動かない。手動式の車なんて軽トラックぐらいしかない。
ドアは腰の高さ以上の水没ならば、水圧で押し戻されるため人力では無理だろう。
さらに、すっかり水没してしまうと、じわじわと車内に水が入り込み、そのうち空気はなくなる。そうなったら、水圧はなくなるので、ドアは開けることができるだろうが、そんな冷静に対処できるだろうか。車がどんな状態になっているかもわからない。自分も車の中で身動きが取れなくなっているかもしれない。
水圧でドアが開かなくなることを防ぐには、閉め切っておいてはダメなのだ。
しかし、窓を開けて走る車は少ない。
もしもの時に、車から脱出するための道具がハンマーなのである。
車のガラスは、昔はすぐに割れるタイプのものだったが、交通事故で車外に飛び出してしまうことを改善し、現在は強化ガラスになっている。そのため、素手でたたいても割れることはまずない。
大事なことがひとつ、フロントガラスはハンマーでもひびが入るぐらいなので、割れません。
割ることができるのは、サイドのガラスです。
このハンマーは、窓ガラスをたたき割るためのものだが、シートベルトが外れないときのためにベルトを切断する機能まで付属されているものもある。
今多く方々が利用しているアマゾンで数百円から様々な緊急脱出用のハンマーが売られている。
高価なものでもかなり安価になっているので、購入チャンスかもしれない。
こんな商品も販売されているが、ダッシュボードの小物入れに、金づちとカッターを備えておけばいいと思う。
とにかく、車内に閉じ込められて、命を落とすということがあり得ないとは言えなくなってきたということだ。
災害はいつどうなるかわからないから、まさかということがありうるのだ。最悪の場合、命を落とすことになるだろう。備えがあれば、助かる可能性は高くなる。
さあ、今すぐ災害の備えを始めよう。
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