東京五輪女子マラソンは札幌のコースでも有利⁉その理由とは?

MGCで優勝・準優勝の前田選手と鈴木選手。この二人が東京五輪マラソンの札幌移転でも有利になるのか。

突然の東京五輪マラソンの札幌移転決定。

猛暑の東京はマラソン選手にとっては、命に係わるほどの過酷さが予想されていたが、暑さ対策をしていけば勝てる女子マラソンになったらしい。しかし、一変して北海道札幌のコースになったのだ。

ちなみに、女子マラソンの代表内定の前田穂南と鈴木亜由子は、ともに北海道マラソンの夏のマラソンで優勝しているのである。

これは、この2人にとって、まさに棚からぼたもちと言えるのだろうか。

そんな東京五輪女子マラソンが札幌移転になったことで有利になるのではないかと考えた。

東京五輪マラソン女子代表内定者の2人の実力

東京五輪マラソン女子代表に内定している2人の実力を見てみよう。

前田穂南…

  • 初マラソン2017年大阪:2時間32分19秒(12位)
  • 2017年北海道:2時間28分48秒で優勝(MGCファイナリスト女子第1号)
  • 2018年大阪:2時間23分48秒(2位)自己記録を大幅に更新
  • 2018年ベルリン:2時間25分23秒(7位)
  • 2019年MGC:2時間25分15秒で優勝

日本陸連のデータでは、代表歴は昨年のハーフマラソンがある。

生年月日1996年7月17日生まれ
所属天満屋
出身地兵庫県
身長/体重166cm/46kg
出身校園田東中(兵庫)→大阪薫英女学園高(大阪)
自己ベスト5000m:15:38.16(2018.7 ホクレンディスタンスチャレンジ士別)
10000m:32:13.87(2018.7 ホクレンディスタンスチャレンジ深川)
マラソン:2:23:48(2018.1 大阪国際女子マラソン)
主な代表歴世界ハーフマラソン選手権(2018)

※日本陸連MGCホームページより抜粋

前田穂南選手は、おととしの2017年に北海道マラソンで優勝し、その翌年には大阪マラソンで自己記録を更新し、2位になっている。

初マラソンからわずか2年のうちにマラソンの実力を示し、優勝2回の成績は代表候補としても不動のものと言える。

年齢も23歳と若く、これからどんどん活躍していく日本マラソン界の期待の新星でしょう。

鈴木亜由子…

初マラソン2018年北海道2時間28分32秒で優勝(MGC出場権を獲得)

生年月日1991年10月8日生まれ
所属日本郵政グループ
出身地愛知県
身長/体重154cm/38kg
出身校豊城中(愛知)→時習館高(愛知)→名古屋大学
自己ベスト5000m:15:08.29(2015.8 世界選手権 )
10000m:31:18.16(2016.5 ペイトン・ジョーダン招待陸上2016)
マラソン:2:28:32(2018.8 北海道マラソン2018)
主な代表歴オリンピック(16リオ・5000m 10000m)※選出されたが10000mにはエントリーせず
世界選手権(17ロンドン・5000m 10000m、15北京・5000m)
世界ジュニア選手権(2010・5000m)
アジアクロカン選手権(2012)
世界大学クロカン選手権(2012)
世界クロカン(2013)
ユニバーシアード(2013・5000m 10000m)
国際千葉駅伝(2014)

※日本陸連MGCホームページより抜粋

鈴木亜由子選手は、小学生時代から各年代のトップクラスで活躍している、いわば陸上長距離選手のエリートと言える。

国際大会でも、2010年世界ジュニア5000mで5位、2013年ユニバーシアード5000m2位、10000m優勝の好成績を残している。

2015年には、5000mで世界選手権初出場。決勝に進出して日本歴代5位の15分08秒29をマークし、8位とわずか0.29秒差の9位でフィニッシュした。

2016年リオ五輪(10000m棄権、5000m予選)、2017年世界選手権(10000m10位)と連続して代表に選ばれている。

マラソンの経験はわずかであるが、5000m・10000mのスペシャリストであり、スピードが持ち味のマラソンランナーでしょう。小さなころから大舞台で活躍している代表経験が豊富な逸材と言えます。

代表内定の前田穂南と鈴木亜由子は札幌移転で大いに有利⁉

東京五輪の女子マラソン代表選考のための予選大会として、ここ数年、北海道マラソンが位置付けられていた。

マラソンの競技のシーズンというものは、秋の終わりから3月ごろまでが主流で、そもそも暑い時期に開催することはほとんどない。

北海道は夏でも涼しいということで、マラソン競技大会が開催され、その歴史も長い。夏に行われる大会としては、この北海道マラソンが唯一である。

近年は、世界陸上やオリンピックにつながる選考レースとして位置づけられている。

この北海道マラソンでともに優勝しているのが、前田穂波と鈴木亜由子の両選手なのだ。

前田選手が2017年、鈴木選手が2018年に優勝し、MGCの出場権を獲得している。

そんな好成績を残した北海道のコースがオリンピックの舞台になってしまったことは、この二人にしてみれば、非常に好条件と言えるのではないだろうか。

札幌はマラソン実施に本当に好条件なのか?

東京の暑さを考慮しての、札幌のコース移転であるが、果たしてその暑さはどうなのだろう。

東京五輪が行われるマラソンの日程はまだ確定していないが、およそ8月の上旬あたりであろう。その時期の北海道の気候はどうなのか。

例年の気温を調べてみた。

  • 広い北海道では、地域ごとに温度差が違うのが特徴
  • 札幌や旭川では30℃を超える日が1週間ほどある
  • 8月下旬には25℃以下に
  • 8月の札幌市の平均気温は20.5℃、例年の8月の最高気温が26.4℃
  • 昼間は紫外線の強さも実感

さらに、湿度の違いはというと、

さすがに東京は気温・湿度ともに高く、札幌とは比べ物にならないが、札幌も意外に湿度は高く東京よりも高い。しかし、気温と湿度の関係で不快を感じる蒸し暑さは少ないと言える。

しかし、最近の異常気象は、以前の北海道のイメージを払しょくするほどの暑さを北海道にももたらせている。

過去の北海道マラソン当日の気温と湿度

  • 2017年 8月27日 気温24.8度、湿度47%、気温は昨年より7度近く高かった
  • 2018年 8月26日 気温25.5度、湿度71%と、湿度はやや高かった
  • 2019年 8月25日 雨模様で気温が18度と今までの大会でもっとも低い気温

最近の気温と湿度は東京と比べ、さすがにマラソンには条件はいい。ただ、開催時期が8月の下旬であることが気温が低く北海道のよさがみてとれる。

問題は、オリンピックのマラソン日程である。

今のところ、8月初めの時期に設定されている。どちらにしても、オリンピックの開催期間は7月の終わりから8月上旬までなので、8月下旬になることはない。

そうなると、北海道の夏の最も暑い時期にマラソンをすることになるのである。

それは、もしかすると、札幌の最も暑い真夏日30度の日になってしまう可能性が出てくるのだ。

本当に代表内定の前田も鈴木にとっても、好条件の札幌と言えるのか?

北海道マラソンで優勝しているこの2人の選手は、MGCでその実力を見せたが、この二人が北海道の札幌のコースで走っているからこそ、好条件と言えるのである。

それはなぜか…

マラソンの行われる時期の気温は、20度前後またはそれ以下の気温であり、日本の大会でも北海道マラソンの25度などはかなり高い気温である。

この条件でもちろん出場しているわけですが、この高温条件で優勝していることが、札幌でマラソンをする好条件になるわけと考える。

すでに北海道は雪の季節に入り、走ることはできない。

雪の季節が終わっても、夏の暑さが訪れるのは、8月ごろそのころの北海道を走ることができるころには、もう本番なのである。

この2人がすでにこの北海道のマラソンを経験し、さらに優勝しているということは、世界の中でももっとも有力な位置にいるということが言えるのではないか。

過去のオリンピックでのマラソン当日の気温

2000年のシドニー: 19度(高橋尚子 金メダル)

2004年のアテネ : 35度前後 (野口みずき 金メダル)

この時は猛暑と五輪史上最難関コースの呼び声の高い、アテネ五輪の女子マラソンを戦ったダメージからか熱中症と嘔吐症状により、野口をはじめ銀メダルのヌデレバなど多くの選手が医務室に運ばれた

2008年の北京:30度

2012年のロンドン:23度

2016年のリオデジャネイロ:26度

北京では、午後8時のスタートにもかかわらず、32度ぐらいまで気温が上がり、まさに夏マラソンになってしまった。日本選手は外国勢のスピードと暑さについていくことはできなかったと言われている。

札幌開催のマラソンコースは北海道マラソンのコースで決まり⁉

東京五輪の札幌のコースは、まだ確定していないが予算や準備期間がないことから、北海道マラソンのコースになる可能性は高い。

競技場の造り替えは時間的に難しいし、これから冬に入り積雪に見舞われる北海道では、冬期間の建設は停滞する。春になってからでは遅い。

突然の移転であるし、IOCの一方的な決定なのだから、当初の計画のようにはいかないことは理解できるし、無駄な建設はしないはずである。

外を走り続けるマラソンにおいて、コースは勝敗に大きく影響する。日陰のないコースという情報もあるが、東京の猛暑の中を走ることに比べたら、かなり条件は良いと言える。

少なくとも気温が25度前後であれば、日本選手の2人以上に、外国選手はその力を発揮し、スピードレースになると、日本人選手には厳しくなる。

気温が高くなればなるほど、どの選手にとっても暑さや湿度との戦いになり、それを制することができたら、上位の中に残れるのだろう。

まとめ

東京五輪の女子マラソンの前田穂南選手と鈴木亜由子選手が北海道マラソンを制した自信をもって、札幌のコースで夏の暑さを乗り切ることができれば、金メダルも大いに期待できる。

8月の北海道の暑さが涼しくなることが優位に働くのか、暑くなることがかえって勝つ条件として有効に働くのか、いまのところはわからない。

しかし、この2人がこの北海道での経験を大いに生かすことができる東京五輪の女子マラソンになることは、間違いない。

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